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北極星

世界平和を夢見ていた
だけではなく、それなりの努力をした
世界平和は、まあ無理か
ま、まあせめていじめくらいは
なくせるよね…?

最後のカノンの音が終わるまで
突っ伏した図書館の一角で
積み重なった本の壁に囲まれて
ばれないように泣く
たくさんまなんだ大学生の日々

なんとか理論ではなく
経験的に知った
人の闘いがあって今があること
争わずして生きられないこと

世界平和どころか
いじめの一つもなくせやしないとか
思ってなかった
そしてそれは自分にしかできないと
それを絶対だと信じて
なぜか疑えなかった

というか、それどころか
学校で働いて感じたことは
先生たちも皆疲れ切って
生徒のためとかいう視線がなくなっていって
より強いエネルギーを持つべき人間が、疲弊した人が、
刹那の日々をただ生きるだけで
振り回される構図

描いた指標が掠りもしない、
おかしいな~な構図

「絶対に」
が全然絶対じゃなくなっていく

私は何も知らなかった

教育学部に入り学んだ哲学
すべての学問の礎になった文書たちは
シンプルなことを難解に足掻いてた

悟りに抗う、
どうしたらいいんだろう
半ば諦めた態度で
何もできないですぎる日々

ずっと指標にしていた
北極星が実は動くことを
知ったとき
昔の人はどんな気持ちだったろうか

敗戦が決まってなお
特攻するとき
兵士は何を思っただろう

何もする気が起きない
こんなときは、誰の曲を聴いても
「本当は思ってないんでしょ」とか
「どうせお金のためでしょ」とか
漠然と怖い、あるいは悔しい
やりきれない思いしか浮かばない

そんなとき、自分の曲に帰ってくる
自分の曲だけは
悪意がないこと
なけなしだけど愛で出来ていることを
自分はしっているから

頑張ること
なんにも意味がなくても
ただ心地よい方法で走る
なんにも価値がなくても
たくさん間違えても

どこにもありえなかった
愛しき思い出
そのものを
北極星にしながら

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