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肝油の思い出

幼稚園の帰りの会で、毎日1粒肝油が配られた。
ほのかな甘みで大好きだった。
お母さんにもっていってあげよう。
そう思って、手で握りしめていた。

バス通園で、バスの順番は1番最後。
その時間までは園庭で遊んで待っていた。
油断して肝油を落としてしまった。
すぐに拾い上げたけれど、泥だらけになってしまった。

バイキンがついちゃった!
石鹸で洗おう!

洗面所について石鹸を泡立てたら、バスの出発時間だった。
泡だらけの手のまま、担ぎ上げられてバスに乗せられてしまった。

自宅近くのバス停で降ろされたときには、溶けてドロドロになってしまった。

母に
「みっともない❗️何やってるのよ。手ぐらいちゃんと洗って、手を拭いてからバスに乗りなさいよ❗️」
と頭を叩かれた。

「肝油をお母さんにもって帰ろと思っていたけど、落としちゃって、洗っていたら溶けてなくなっちゃった。ごめんね。」
申し訳なくて、謝った。

その瞬間、バチン❗️という音とともにほおに痛みが走った。

「母親のせいにするんじゃない。肝油は食べちゃったんでしょ。嘘つきは泥棒のはじまりだって言ってるでしょう❗️❗️」

私がバカだったんだな。
お母さんは、肝油もらっても嬉しくないんだな。
それよりも、私が普通でいることの方が喜ぶんだな。

もう、やめよう。。。

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