「にらめっこ」と「だっふんだ」

「にらめっこ」と「だっふんだ」この2つは似ている気がするが、
やっぱり響きによる性質がまるで違う。

「にらめっこしましょ、あっぷっぷ」
のほうが断然響きが可愛い。
「だっふんだ」はみなさんご存知の通り、志村けんの変なおじさんの持ちギャグだ。

午前中遊んでいたら、娘はにらめっこが大好きだということが判明。
「あっぷっぷ」と言って変顔をするとケタケタケタと体を左右に振って大笑いする。
よほど気に入ったのか、どんな顔をしても大爆笑していた。
そこで、いたずら心から、にらめっこよりもフレーズが短い「だっふんだ」を試してみた。
するとこれも娘は大笑い。
変顔がよほど楽しいのかね。

午後は妻のピラティスがあり、
娘を連れてそこまで送り迎え。
同じ市内とは言え、片道45分の結構な道のり。
帰りの車内で十分寝たはずの娘はなぜかグズリ出した。
すると妻は午前中僕がコマをあやすの見ていて、娘のウケが良かったのを確認していたからか、

「にらめっこしましょ、あっぷっぷ」

とやり始めた。不機嫌な娘は笑わなかったようだ。
それとも妻のにらめっこの顔にまだ恥じらいが残っていて面白くなかったのだろうか。
何度かやっても笑わなかった。
そこで妻がとった手段は、

「だっふんだ」

これで少し娘の表情が和らいだのだろうか。
執拗に後部座席で「だっふんだ」が聞こえる。

「だっふんだ」
「だっふんだ」
「だっふんだ」

「だっふんだ」で妻がどんな顔をしていたか、運転していた僕にはわかるはずもない。
けれども、車内でひたすら聞こえる「だっふんだ」に違和感を感じずにはいられない。

僕は、車窓から見える色づき始めた山の木々を眺めていた。

※この内容は2014/9/30に書いたものです。

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