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メフテルハーネ 軍楽隊 トルコ

生で聴きたいと思っていた。鼻の下に立派なひげをたくわえたおじさまたちがゆらゆらと身体を揺らすように演奏しながら隊形を整える。太鼓を真ん中に弧を描いたら演奏開始。思っていた以上に大音量だ。楽器の持ち方や手の動きも面白い。

ドラマ阿修羅のごとくで使われていたジェッディン・デデン 。子どもだったがメロディと賑やかな雰囲気がずっと頭に残っていた。あの響きだ。

オスマン帝国の歴史に興味深いわけでは無い。それよりもトルコの音楽がシルクロードにより東西の世界に広まり影響を与えている事に関心がある。

モーツアルトやベートーヴェンのトルコ行進曲は当時流行していたトルコ風に乗った曲だ。現在世界中のオーケストラからドラムセットにも使われているシンバルはトルコの軍楽隊から広まった。今もジルジャンなどトルコのメーカーは世界で使われている。軍隊のマーチングバンドの元祖と言われている。中学校の教材にシルクロードの音楽として扱われている。

流れをたどりやすいのは「ズルナ」というダブルリード楽器。西へ行きオーボエやバスーン、東へ行き篳篥に形と名前を変える。

自然の大きさ美しさとともに文化交流にも大きな役割を担っていたトルコ。今も謎の多い国に感じるのは私が多文化共生の一面しか見えていないからだろう。

1998年1月 メフテルハーネ 軍楽隊 トルコ



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