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きょう心にしみた言葉・2024年5月1日

死ぬ以外にも抜け道や逃げ方は無数にある。「普通」と言われる生き方より、普通じゃない生き方に多くのバリエーションがあるように、「死」以外にも、このいかんともしがたい状況を打開できる一発逆転の秘策は無数にあるのだ。別に一発逆転しなくたっていい。ただ逃げ方や抜け道は、あなたが思っているよりもたくさんあることを覚えておいてほしい。

「すごい生き方」(雨宮処凛・著  サンクチュアリ出版)

作家の雨宮処凛さんは、1975年に北海道で生まれました。アトピーが原因で激しいいじめを受けました。そこから、不登校、家出、リストカット、自殺未遂などを繰り返します。24歳の時、その壮絶な日々を描いた映画「新しい神様」が大きな反響を呼び、ベルリン映画祭など世界各国の映画祭に招待されました。25歳の時に出版した自伝「生き地獄天国」(太田出版)も多くの人に支持されました。その後も様々な活動を行いながら、生きづらさに苦しみ人に寄り添い、社会に向けて鋭い論評や提案を続けています。

「すごい生き方」は2006年、雨宮さんが30歳の時に出版されました。そこには苦しい青春時代を乗り越えながら紡いできた多くの言葉が集められています。そして、つらかったこと、苦しかったことは、すべて自分に必要なことだったと振り返っています。つらかった日々を、生きる意欲へと転換させていく営みには胸打たれます。

「いじめられてよかった。リストカットをしてよかった。自殺未遂でオーバードーズで胃洗浄でよかった。すべては私が生きるために必要なことだった」
「生きづらさ万歳!」
「私をいじめていたくだらない人間のために 自殺なんかしなくて本当に良かったということだ」

生きづらさを逃れるための10箇条も記されています。
★逃げる。
★我慢しない。
★常識を捨てる。
★自分を責めない。自分が生きづらいのを社会のせいなどにする。
★公的、民間の機関で使えるシステム(たとえば駆け込み寺や電話相談など)を有効利用する。
★日頃から情報収集しておく(逃げ場所や、的確な対処など)。
★同じ気持ちの仲間を探す。
★家族と離れる。
★病院に行く、カウンセリングを受ける。
★自分勝手になる。

そして、こう指摘しています。
「そもそも若いとは、それだけで苦しくてたまらないのが当たり前のなのだ」
こう言い切れるのは、まさに「すごい生き方」です。




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