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ライフリンク・メディア報道・世界自殺予防デー・自殺予防週間②

世界自殺予防デー自殺予防週間にあたって、各自治体の取り組みは続いています。2011年9月9日読売新聞から。

千葉市こころの健康センターは、10日の「世界自殺予防デー」に合わせ、自殺対策をテーマとした講演会やセミナーを相次いで開催する。
 10日は中央区の男女共同参画センターで「職場のメンタルヘルスセミナー」を開催。ドキュメンタリー映画の上映や識者らの座談会を通し、「理不尽な職場を生き抜く方法」を学ぶ。
 21日は美浜区のこころの健康センターで、自殺問題に取り組むNPO法人「ライフリンク」の清水康之代表が講演。続くパネル討論では、統合失調症やアルコール依存症の元患者が周囲の支えでどう立ち直ったかの体験談を語るほか、精神科ソーシャルワーカーがアドバイスを行う。

最近は、動画を活用するのが一般的になってきました。2022年9月9日毎日新聞群馬版の記事「世界自殺予防デー:自殺予防へ啓発動画 県配信『悩んでいる人、相談を』から」

世界自殺予防デー(10日)に合わせ、県は予防を目指す講演や啓発の動画を配信する。担当者は「多くが追い込まれた末の死で、社会全体で取り組むべき問題だ。悩んでいる人は相談してほしい」と呼びかけている。
 30日まで、秋田大自殺予防総合研究センターの佐々木久長副センター長の「いのち・つなぐ講演会(安心して悩むことができる地域づくり)」の動画を、申し込んだ人に配信する。長年、人口あたりの自殺率が全国最悪だった秋田県での取り組みを解説する。

先進的な自殺対策の取り組みで知られる京都府京丹後市。2009年9月14日
朝日新聞の記事です。

京都府の最北端、人口約6万2千人の京丹後市。07年度に多重債務相談・支援室を新設し、専従職員2人をおく。1日1件のペースで新たな相談が寄せられる。相談者を「たらい回し」にせず、解決までフォローする。
支援室に6月、市内の30代の女性から電話があった。消費者金融に200万円ほど借金があり、返せないという。担当職員はすぐに市役所の相談室で、2時間ほど女性と面談。生活費にあてるため借金したが、家族の介護で仕事を辞め、返済不能になったという事情を聞き取った。
 数日後、女性と一緒に弁護士事務所へ。並行して、女性が入居していた公営住宅の家賃の減免手続きのため関係機関へ同行。滞納していた住民税などは、市の担当部署と相談し、1年半かけて分割納付することにした。
「誰一人置き去りにしない、という姿勢を示すことが大切」というのが中山泰市長(49)の信念だ。

ライフリンクは、世界自殺予防デーが社会に広く認識されるきっかけとなったイベントを開催しました。WHO(世界保健機関)からも高い評価を受けました。2007年9月11日読売新聞の記事です。

「世界自殺予防デー」の10日、NPO法人「ライフリンク」が、東京都港区の日本財団でフォーラムを開いた。同法人は、具体的な自殺予防策を国に提言するため遺族から聞き取り調査を行っており、「自殺の背景には『病気と経済苦』など複数の要因が重なっていたケースが多い」とする中間報告を発表し、年間3万人を超える自殺者を減らすには幅広い分野の連携が必要と訴えた。
 中間報告によると、これまでに聴取した遺族101人の3分の2にあたる67人が、病気、経済、学校、家族、恋愛などの二つ以上の悩みを抱えていたと回答。このうち47人が死亡前に医療機関などへ相談していた。
 調査は、自殺までの過程を詳細に聞き、どんな支援が必要か考えるのが目的。来年度末までに計1000人から調査するのが目標で、東大や全国の遺族団体などと連携して分析する

このイベントと自死遺族への聞き取り調査については「ライフリンク・ヒストリー」でも紹介しています。

専門家のコラムも多くの人に読まれました。2015年9月10日毎日新聞です。著名な精神科医、松本俊彦さん「松本俊彦のこころと向き合う:/6 『死にたい』と言える社会」から。

患者の死から学んだことがある。悩める人から「死にたい」と言われたら、感謝すべきなのだ。人は追い詰められるほど「死にたい」と言いづらくなる。そのような状況に追い詰められた自分を恥じているし、告白を軽く受け流される不安におびえ、安易な励ましや説教を恐れている。意外に思うかもしれないが、告白が場の空気を白けさせ、相手を悩ませることへの気遣いもある。
 だが、何も言わずに逝かれるよりは、チャンスを与えてほしい――。たとえチャンスを生かせなくとも。
 9月10日は世界自殺予防デーだ。だから、この機会に確認しておこう。「死にたい」という言葉には「死にたいくらいつらいが、このつらさが少しでも和らぐのであれば、本当は生きたい」という意味がある。
 求められるのは、安心して「死にたい」と言える社会だ。(まつもと・としひこ=国立精神・神経医療研究センター部長)

求められるのは、安心して「死にたい」と言える社会だ。
松本俊彦さんの指摘は、多くの人の心に届いたはずです。

写真は、宮城・松島の藤田喬平ガラス美術館にて。

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