池の経済学

最初は、その小さな池には、
わずかな在来種しかいなかった。

人間は、限られたマーケットの中で、
生物をつかまえて、小さく暮らしていた。

人間の消費活動が進むにつれて、

いつしか、その池に、外来種が参入するようになった。

マーケットがふくらみ、競争が行われ、

人間は、たくさんの魚と、ぶくぶく太ったおいしい魚を享受できるようになった。

やがて、外来種によって、在来種のシェアが奪われるようになると、

池は、独占市場になった。

外来種は、在来種に比べてあまりおいしくなく、

しまいには、カミツキガメが、人間に脅威を及ぼすようになった。

そのため、政府が介入し、

池の水を全部抜くことで、

外来種に規制をかけた。

人間が勝手に外来種を持ち込まないように、法を整備した。

結果、その池では、再び健全な競争が行われるようになった。

人々の生活は、快適になった。

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