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勇気のタイムリミット

勇気を出して行動を起こすとする。この時、勇気を出す!って決めてから勇気を保ち続けるには、制限時間があるんじゃないかと。

わかりやすい例えとして、勇気を出して告白しようと決める。でもその日はきっと告白しない。まず、いつ告白するかを決めるところから始まる。それを1時間以内に決めなかったら、その日はそれすら決めない。思いつきや流れ、方法的に、今すぐ告白のチャンスタイム!と勇気のタイミングと実現可能な状況が揃わないと、すぐには行動はできない。

勇気を出そう!って思う瞬間は、インスピレーションみたいなもので、ふとしたなんとなくの風が吹いて、「勇気出しちゃおうかな。うん、よし、勇気出そう!」という流れがある。でもそこから、「いやでもなぁ、緊張するし、ダメだったらどうしよう、真っ直ぐ意図が伝わるだろうか。いやめちゃくちゃ気まずい気がしてきた。いや無理無理。」と考えていたらあっという間に1時間が経過してしまう。

そうすると、勇気疲れしてしまう。考えすぎて面倒になって、もういいや別に、また機会があればで、となる。

勇気を出して行動を起こすまでは、勇気の維持がかなり必要になる。何度も勇気を出しては引っ込めて、もう一度勇気を出して、を繰り返せる時間制限は1時間くらいじゃないだろうか。

勇気を出し続けて行動に起こすまでがとにかく大変。実際に告白を始めたら、意外とその瞬間からは勝手に事が進んでいくからその先に勇気は必要がない。言葉に出してしまえば、その瞬間は勇気を出し終わっていて、もう後は運任せの開放感となる。相手に告白しながらも、勇気を出した自分って偉いな、すごいな、なんか人生変わるかもな、と達観したりもできる。

あるエッセイストさんが、勇気を出すことの第一歩のことを書いていて、ものすごく面白かった。

まず、告白する勇気を出した瞬間に「明日話したいことがあります。」と相手にLINEしておくというのだ。これだけ。

そのエッセイストさんがここから展開させた考え方は私と違ったんだけれど、この手法は勇気の使い方として面白いと思った。ここからは私の思考を展開させていく。

まず「明日、告白する!」って思ったら、明日まで勇気が保てるわけがないと自覚した方がいい。実際に明日までその勇気はそのまま持ち続けることはできない。相手に会うまで勇気を出しては引っ込めて、それでもまた引っ張り出してを繰り返すと、疲れてどうでも良くなる可能性が高い。

そうなると、なんでこんな面倒くさいことしないといけないの?別に今のままでよくない?という、我にかえってしまうことになる。勇気の無駄遣いパターンだ。

だから、勇気を出した瞬間に今できる行動だけをやる。今、手にした勇気を無駄にしない。明日の勇気は、相手との共同作業してしまう作戦だ。

「明日話したいことがある。」とLINEが来たら、お互いの関係性や重ねた時間から、相手も告白されるかもしれないと察するはず。もしかしたらその瞬間に「なに?今言って?」という流れになるかもしれない。勇気スイッチが相手にもシェアされているのだ。

相手が前向きな答えをしようとしているのであれば、会った瞬間に「話ってなに?」と聞くだろうし、ある程度待ちの姿勢でいたとしても、終盤になれば「そういえば話ってなに?」と言ってくれる。

交際を始めた状態で会いたいか、もう一度会ってから交際するかどうかを決めたいか、その辺は相手の気持ち次第だし、運任せだから冷静にすらなることができる。

もし、勇気が出せずに「話ってなに?」と聞かれて「やっぱり、なんでもない。」と言ってしまっても「なに?気になるから言って。」とか「もしかして、なんとなくわかるけど。」などとアシストが期待できる。

ここでもし相手が何も聞き出してこない場合は、それは既に1つの答えになっている。聞き出して断るのも労力がいるから、わざわざ聞かないこともあるだろう。言いたいなら言ってくるだろう、くらいのスタンスの場合は関係性のスタートとしては苦しい気もするし。

もし、もう1度会って決めようと思っていた場合でも、終盤に何事も言わず帰っていくのであれば、今後会うこともない流れで区切りはつく。

「話がある」というのはもう告白同然で、相手が「話がある」と言われたことを流そうとしている時点で、興味の対象度は低いと判断できる。

これは、告白に限ったことではない。別れを告げるときも、退職を申し出る時も、お願いがある時も、相談がある時も、相手に伝える勇気が必要な場面では、かなり有効だ。自分から何かしらのアクションを起こすのは勇気がいる。元気は時間が経っても続いたり、時間が経てば勝手に戻ってくるけれど、勇気だけはその瞬間掴まないと時間が経てばいなくなってしまうから、「時間をください、話があります。」だけをアクションすることで格段に行動確率が上がる。

発信するときに勇気が必要な場合は、勇気を出した瞬間に書き上げてしまい、予約投函までしておく。かなり先でもいいから、明確に記憶しないくらいのタイミングで予約しておくと、いつのまにか投函されていたりする。

LINEやチャット、メールで何か伝えたいときは、勇気が出た瞬間に完璧な下書きまで仕上げておく。1時間で疲れるだろうから一旦引っ込めたとしても、次の勇気チャンスが来たらボタンを押すだけでいい。この勇気の二段構えも有効だ。

勇気にはタイムリミットがある。だからふとした勇気を活用する気合いを入れて人生を動かそう。その勇気をたいせつにしておくとは、生きている実感につながる。

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