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動物生態学の助教授がキーマン?!『ソロモンの犬/道尾秀介』考察【本紹介】

こんにちは 心陽菜紫です

突然ですが、動物と話せたらいいのになあ と
考えたことありませんか?

ドリトル先生や少女リリアーネなど、
動物と会話できる人間が出てくる物語は
たくさんありますよね~

夢見ちゃいます。

そんな動物と話せるようになる逸話、
「ソロモンの指輪」が話に出てくるミステリーがあります

今回は、道尾秀介さんの『ソロモンの犬』という小説を読んだ感想と考察について書いていきたいと思います。
(感想を含め個人の解釈です)


ソロモンの犬/道尾秀介

あらすじ

 秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が…。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。

単行本裏表紙

 ザ・”大学生の夏休み”といった感じの
だら~とした暑さのような雰囲気が漂っています。
大学生が読むとより楽しめるミステリーだと思います!

是非読んでみてください。

感想・考察

ネタばれあります。既読の方や、ネタをばらされてもかまわないよという方のみ読み進めてください。)






 正直、初っ端から入り込める作品ではなくて、
数ページずつしか進まなかったが、
間宮助教授が出てきたあたりから一気読みしてしまった

間宮教授が主人公の本でないかな( ´∀` )

主人公は間違いなく秋内なのだが、間宮も裏の主人公だと考える。
実際、事件の真相を(読者に対して)暴いたのは間宮であるし、
何よりキャラクターのインパクトが大きい。
現実にいそうでいなさそうというギリギリのところにいる。

こんな愉快な人間と仲良くなれたら楽しそう笑

エピローグで
秋内の告白が大コケして、
「だめだったかぁ」と両手で顔を覆い、空を仰いでいる間宮助教授かわいいかよ


そんな間宮だが、次のようなセリフがある。

悪意は、伝染病のようなものです。ウイルスは体力が弱ったときに肉体を支配する。悪意は精神が弱ったときに、心を支配します。

ソロモンの犬

 私は、ミステリーを読むときは完全にエンタメだと思っていて、楽しむために読んでいるが、道尾秀介さんの小説にはよく、ハッとさせられる一文が載っている

 そのため、道尾作品を読んだ後はミステリー小説と感動小説の2冊を一度に読んだような気分になるのだろうか。

 登場人物も、それぞれ弱さを持っていて、そこに悪意が入り込まないように必死に抑えていたのではないだろうか
そうでなければ、仲間内で犯人捜しをしたり、傷つけ合ったりして、本書のようなハッピーエンドにはならなかっただろう。


 京也が、母親のいないさみしさを、権崎先生との関係でごまかしていたという話が、やはりこの本では1番のトリックで1番の驚きであったが、源氏物語に似ているなと思った。古典の方面には暗いのであまり多くは語れないが、源氏と藤壺が同じウ追うな関係であったはずだ(私の頭の中の「高校国語」っていう引き出しがそう言ってる)

 しかし、なぜ京也はひろ子と別れなかったのだろうか。やはり、権崎先生とは男女の関係というより母と子の関係でひろ子のことは普通に愛していたのだろうか

以上、『ソロモンの犬』の感想と考察でした!
是非読んで、道尾秀介さんの沼にはまってください

最後まで読んでくださりありがとうございました
皆さんの感想や考察など、コメントで教えてください!

また気が向いたら読みに来てください('ω')ノ



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