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僕は、人といることがやっと好きと思えた

高校に入っも背が伸びて何とか150㎝台になった。

これは、僕にとってかなり喜ばしいことで

もう、一生チビのまま終わるのかと諦めていたが、まだ伸びしろがあるってことだ。


高校になれば女子の背も止まってくるはずだ。

いつか追いつき追い越す日がそう遠くはなさそうだ。


しかし、まだまだ甘くなく僕よりデカいやつは多い。

「おさるぅ~」

「何?」

僕はチビのせいか女子には人気があった。


顔に怪我をしてる時は寄り付きもしなかったのに今では何かとかまってくる。


警戒心がなくなって小さいのもあってか人形のように思ってる。


今思うと小学校や中学校に比べると僕の口数もだいぶ多くなっていってるのが分かった。


友達が僕にちょっかいを出してきても女子が相手をやりこめてしまう。

「何してるん?アホちゃう!!」

「おさる、そんなん相手にせんでいいで!!」

と一言でノックアウトだ。


最初は、戸惑っていた僕は学校がいつのまにか心地よい空間になっていった。


親友と呼べる奴も出来た。

しかし、背の高い親友よりも僕のまわりにはいつも女子がいた。

「チビのくせに調子乗んな!」

「悔しいか?」

こんな友達とのやりとりが楽しかった。


友達を作ることが苦手だった僕は、コロやジロー、そしてタローが心の支えになっていたにかもしれない。

こんなにも大勢がまわりにいるって楽しいことなんだ。

しかも、密かに僕はモテているかもって思っていたから余計に嬉しくてたまらなかった。


帰り道、肩を小突いてくる親友に僕は

「ざまぁ~」

と初めて言ってみせた。

つづく


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