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私は悪魔の子

幼い頃母はいつも父のことを悪魔だと言っていた。確かにあんな形相で暴れ狂う人は到底人間には見えなかったから、父は悪魔であるとして差し支えはないとは思っていた。

私は見た目、ふとした時のしぐさや雰囲気が父に似ているので、周りの大人たちやそこらへんの知らないおじさんおばさんたちから「お父さん似なのね」と言われることがかなり多かった。そんなことから、私は自分のことを悪魔の子=自分も悪魔だと思って育った。

母に随分前に、「自分は父の子だから悪魔で、それが辛い」と伝えたことがあった。母は「そんなつもりで父が悪魔だと言ったのではない、あなたは悪魔ではない」と言った。また、その際に、「みんなから父に似ていると言われるのが本当に苦痛だ。今までそれを言ってきた人達の顔は覚えていて、言ってしまえば一人ひとり恨んでいる」とも言った。

それを知っているはずなのに、母は事あるごとに「あんたは父にそっくりだ」と言い続けるのだ。


ちなみに母もなかなかの毒であることは私自身重々承知しているものの、いつも母の側に立つのは、父から命を守ってくれた恩と、母が実家の家族たちや父からあまりに酷い扱いを受けて、毒になるしかないよなあという憐れみかなと思う。

ただ正直、「自分は自分の親を反面教師にしている。自分が育てられるときにされて嫌だったことは自分の子供にはしない」と言いつつ自身の親と同じ感じの悪いことをしてくる母に「あなたもあなたの親にそっくりだよ」と嫌味を言ってあげたい気持ちになる。

最近は体調も崩しがち闘う元気がないので、ここで吐き出すのみに留める。

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