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春のような温かさがいつもある学校に… 君のありようは、君も知らぬうちに仲間の敬意を集めているよ 〜心の宝物172

🌷温かな存在感


山に囲まれた小さな学校
6年生の彼には、温かな存在感がありました。学級は、お互いをほぼ呼び捨てで呼び合う元気な集団でしたが、彼は誰からも呼び捨てされず、むしろ敬意をもって対応されていました。体格や言葉等の威力で君臨していたわけではもちろんありません。むしろ、6年生の男子の集団の中では、小柄で、それほど前に出るタイプでもありません。
そんな立ち位置が何によるものか興味深く、観察していました。

🌷春の風のような君のあり様は、君も知らぬうちに仲間の敬意を集めている


黒いセルフレームの眼鏡の奥の優しい目は、常に笑みをたたえていました。静かでも、こんこんと湧いて決して枯れない泉の水のように、その笑みが絶えることは決してありませんでした。
炎天の運動会の応援でも、若干の緊張を伴う歌声集会でも、穏やかな笑顔で、できる精一杯のパフォーマンスを、惜しみなく尽くしていることが伝わりました。

無理はしない。しかし決して手を抜かない。それを誇ることも、まして威張ることもなく、穏やかな笑顔を絶やすことがない。
「春風駘蕩」「安心立命」のような言葉は、しばしば崇高な境地に達した哲人を称えて形容します。巧まずして、周囲の他者に穏やかな温もりを届ける。常人は心が揺れ、我が出て他者との軋轢を生じるような場面でも、決して動じない。柔らかで和やかな態度と、その内にある強靭さが、接する人のあこがれを呼び、それ故に尊敬されるのだとしたら、彼も全く同じではないかと思いました。

後期、彼は児童会の歌声委員長に推されました。文化発表会である「おおやまびこ集会」に向けた、全校の歌声活動の向上を彼らしく、温かく、しなやかにリードしました。みんなで歌うということの意味を大切にし、歌声活動を、学校の文化と言えるまでに高めました。

多くの仲間は君を「優しい」というだろう。それは決してあいまいな印象などでなく、君が届けてくれる春の風のような温かさを、自分事として言い表すのに、それ以上に相応しい言葉はないだろう。今年の6年生のテーマは「尊敬される6年生」だったね。君は、そのための一つの在り方を、仲間にも、私たちにも示してくれている。華々しい活躍とも、際立った善行ともちがうあり様だけれど、共通するのは徹して変わらぬことだろう。それがいかに稀有で立派なことか。私も学ばせてもらいました。ありがとう。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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