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春のような温かさがいつもある学校に…見えないものを見ようとするあなたの細やかさが誰かを救う日がきっと来る 〜心の宝物192

🌷廊下の片隅で


コロナ機の学校

秋深まるこの日も、掃除時間、子供達に敬意を伝えつつ、校内を巡回していました。

全力で床を磨く子、まだ小さな体で、重い机をよいしょとばかり運ぶ子。低学年から中学年へ。学年と共に、全校での位置づけもひとつ上がったという意識づけのおかげか、3年生の姿勢も、勢いと力強さを増していました。

そんな中、廊下の端で黙々と小ぼうきを使っている彼女の姿が目に留まりました。


働く保護者のための放課後児童健全育成事業、通称学童保育が、この市では各小学校に設置されていました。保護者のお迎えの動線が、校長室の窓の外だったため、帰りには多くの児童や保護者の方と言葉を交わす機会に恵まれました。

お母様といっしょに通るたび、彼女ははにかみながら小さく手を振ってくれました。満面の笑顔でも、大きな声でもありません。しかし、確かに誠実さが伝わってくる、そんな優しい表情でした。


🌷見えないものを見ようとするあなたの細やかさが 誰かを救う日がきっとくる

膝をつくようにして、懸命に取り組んでいる彼女の傍らに行きました。彼女が清めている床は、高い視線からは十分にきれいに見えます。


しかし、右から左から、彼女のほうきがまとまっていく一点が、次第に黒くなっていきます。ほこりが集まっているのです。一見何もないように、きれいに見える床が、必ずしもそうではないことを知っているような、迷いのない仕草で、本当にきれいになった床が、彼女の真剣な表情を照らしているように見えました。

「本当にきれいになったね。ありがとうね」

相変わらずの優しい表情で、小さな会釈を返してくれました。


みんなが生活している以上、一見きれいに見える床にも、目に見えないほこりが積もっている。そのことを何となく感じることは、多くの人ができるだろう。しかし、その先へ一歩進むこと、見えないほこりを見えないままに集めようとすることに気持ちを向けて行動することができる人は、きっとそれほど多くない。見えないものは見えない、できれば見たくない。私たちはそれほど強くないから、そんな風にして流れていくことはたくさんある。


そうして、そのことで何かが、誰かが傷ついたときに、後悔する。

「あのとき自分が立ち上がっていれば、声を出していれば」

それが、取り返しがつかないほど大きなことであればあるほど、その後悔は大きなものになる。


見えないものが、確かにそこにあると信じて目をそらさず、立ち向かう。

掃除に取り組むあなたの姿には、そんな強い勇気を感じます。その勇気が、心の細やかさが、誰かの心をいやす日が、救う日がきっとくる。

あなたを誇りに思う。


そんな思いでお伝えしました。


かけがえのないあなたへ

素敵なきらめきをありがとう

出会ってくれてありがとう

生まれてきてくれてありがとう

どうか、ありのままで

どうか、幸せで

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