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春のような温かさがいつもある学校に… もっと自分勝手でいいんだよ 〜心の宝物156

🌷君のせいじゃないよ


山に囲まれた小さな学校
2年生の彼女は、小柄でしたが元気いっぱい。外遊びが大好きでした。
子供たちとグラウンドを駆け回っていたときに、私がよそ見をしていて、彼女の頭と頭をぶつけてしまったことがありました。
完全に私の不注意で、平謝りしましたが、本人は一貫して「せんせいはわるくないよ」と言ってくれました。相当痛かったはずで、必死で涙をこらえながら、気丈に、私を慰めてくれようとする姿がいじらしくてたまりませんでした。

「そういう子ですから」
お詫びと共にお伝えしたときに、からからと笑いながら、そうおっしゃるお母さまの笑顔に、彼女の源流を見た気がしました。

別の日、彼女が全くの不可抗力で他の子と交錯し、相手の子が転倒したことがありました。念のためにその子に受診をお願いすることになったのを察知した彼女は、自責の思いからか、泣き崩れてしまいました。
「あなたのせいじゃないよ。あのとき、あなたが私に言ってくれたことだよ」そう慰めつつ、このことをお伝えしたときも、お母さまは、やはりからからと笑われました。

🌷もっと自分勝手でもいいんだよ


彼女は、2年生がお互い声をかけ合って始めた、一輪車の練習にも強い気持ちで取り組んでいました。他の子がどんどん上達していくのを横目に、唇を引き結び、何度転んでもあきらめずに挑戦します。決して器用な方ではありませんが、着実に上達していきました。

そんな気丈さが、春風のように誰かを赦したり、秋霜のように自分を赦せなかったりする姿に表れるのでしょう。
あなたは、とても優しくて、とても強い人ですね。あなたが出会ったのと同じ場面で、あなたのようにできるかどうか、私にも自信はありません。あなたを尊敬します。

でも、あまり大きな声では言わないようにします。私がそう言うことで、あなたが、益々「こうでなきゃいけない」と思ってしまうことを心配します。
もっと、わがままでも、もっと自分勝手でもいいんだよ。メトロノームのように心が揺れて、その時々で自分が選んだ言葉や行動の結果は、必ずまた自分に返ってくる。それを、自分で感じることも、とても大切なことだよ。
今のあなたが、ありのままのあなたが、とても大事で、大好きです。

そんな思いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

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