見出し画像

春のような温かさがいつもある学校に… 冷たいよ。でもだいじょうぶ 〜心の宝物114

🌷全身全霊で


山に囲まれた小さな学校
運動会で、1年生と2年生が合同で行う集団演技は「キッズソーラン」でした。「キッズ」とついているとはいえ、本質的には、大人が行うソーラン節の演技と何ら変わりません。動作の意味が分かり、子供たちが質を求めれば求めるほど、小さな体に係る負担も増していきます。

1年生の彼女は、船の漕ぎ手が櫂を操る動きを、全身で表現していました。相当の負荷がかかっているでしょうが、そんな素振りは少しも見せず、低く、高く、右へ、左へ。力強いダイナミックな動きと、気迫あふれる表情。
荒波に翻弄される小舟と、網いっぱいのニシン、漁師たちの喚声が、目に、耳に飛び込んでくるようでした。

🌷冷たいよ でもだいじょうぶ


11月に入ると、この地域は冬の色合いが濃くなります。霜が降り、恵那山の頂付近がうっすらと白く染まるときもあります。朝夕の冷え込みは、水道の水をきんと冷やし、掃除時間にバケツに汲んだ水でさえ、手を切るような冷たさです。

小さな手で雑巾を絞り、上級生に教わりながら、細かなところまで丁寧に床を磨く彼女の手は真っ赤です。
「大丈夫?」
そんなはずがないとわかっていても、尋ねてしまうのはなぜでしょう。
「つめたいよ。でもだいじょうぶ」
にっこり笑って、前にもまして張り切って床を磨く彼女の小さな手。
運動会のソーラン節で見えない櫂を操っていた小さな手。

この手が、誰かの背中を支える日が、彼女の大切な人と彼女自身の幸せを実現する日が、きっとくるにちがいない。あなた自身が、全校のみんながそう確信できるような学校の毎日を、これからもいっしょにつくっていこうね。

そんな思いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ。
素敵なきらめきをありがとう。
出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
どうか、ありのままで。
どうか、幸せで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?