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明治創業の甘味処 ゑちごや

◎ お店の概要

 ゑちごやは明治10年に創業された、老舗の甘味処。140年以上も春日で開業されているんです。甘味だけではなく定食類もあります。
都営三田線(大江戸線もつながっています)の春日駅からは徒歩2分。東京メトロ南北線の後楽園駅8番出口からは徒歩6分です。菊坂と胸突坂が交差する場所にあります。お店の店頭では、和菓子を売っています。
 明治10年創業というので、もっと古い感じの外観を想像していましたが、ごく普通のビルでした。2階から上はアパートのような住居になっています。

ゑちごや外観

◎ お店の雰囲気

 引き戸の入り口を入ると、外観からは想像できないぐらい、急に昭和感漂う店内になります。右手に木造のカウンターに椅子が5客、左側にテーブルが3組並んでいます。昭和の定食屋という感じです。古いお店にありがちな、天井付近に設置された扇風機もしっかりありました!
 定期的にテレビの取材もあるようで、壁には色紙が沢山並んでいました。
一番新しい色紙は2003年5月で、シューイチのものでした。
窓のサッシなどを見ると古さは感じられないのですが、壁に貼ってある地図の紙が変色していたり、トイレが和式だったりと、全体的に古いという感じの店内ですが、店主のおじいさんの雰囲気と合わさって、いい味出しているお店です。

サインの数々

◎ メニュー

 老舗の和菓子屋なので本格甘味処と思って行ったのですが、定食もやっているようです。甘味はあんみつ、みつ豆、おしるこ、アイスクリームなどがありました。ちゃんとローマ字や英語表示になっていました。外国のお客さんも多いのかもしれません。支払いもPAYPAY対応でした。
 単品の目玉焼きは400円と激安設定です。最近卵が高いのでやっていけるのかと心配になってしまいます。ご近所の常連さんに愛されているお店なのだと思います。こういうお店はずっと続いてほしいです。

メニュー


◎ 接客

 私が来場したときは、おじいさんが対応してくれました。おじいさんはお水を置いた後は、カウンターの奥に引っ込んでいて、焦らずゆっくり注文を決めることができました。特に言葉を交わしたわけではないのですが、器の置き方も丁寧でしたし、おじいさんの穏やかで優しい人柄が伝わってくるような接客でした。
 カウンターの上には水槽が2つ置いてあり、金魚がゆっくり泳いでいます。水槽には苔が生えていて、お世辞にもきれいとは言い難いのですが、その金魚や水槽も、このお店やおじいさんと一緒に年を重ねてきたのだなと思うと、いとおしい感じになりました。

◎ 値段

 今回はクリームあんみつを注文してみました。
650円(税・サ込)でした。
キウイやバナナ、リンゴなどフレッシュなフルーツが沢山飾られたあんみつにソフトクリームが添えられていて、とても上品なあんみつでした。
甘さは控えめでした。寒天などは特に特徴はなかったです。ごく普通のあんみつでした。缶詰のチェリーがかわいかったです。インスタ映えする商品は価格が高くなりがちですが、こちらのクリームあんみつはお安いなと思いました。

クリームあんみつ

◎ その他周辺情報

①ラブライブにも登場 鳳明館

 ゑちごやさんの目の前は「胸突坂」という名前のついた、急勾配の坂があります。この坂を上っていくと「鳳明館」という旅館があります。築120年を超える建物は、国の登録有形文化財に指定されています。人気アニメ「ラブライブ」にも出てきたことでも有名な旅館です。5分程度でつくので、ゑちごやさんに寄った際には、お散歩してみてください。

鳳明館玄関

②樋口一葉が通った質屋

 ゑちごやさんから本郷3丁目に向かう菊坂には、伊勢屋質店というお店がありました。昭和57年に廃業してしまいましたが、現在も当時の土蔵が残っています。この質屋には当時貧しい暮らしをしていた、樋口一葉が通ったといわれています。質屋から菊坂をもう少し本郷駅方面に進み、道を一本入ったところには、樋口一葉の住居跡や宮沢賢治の住居跡があります。今は建物は壊されていますが、こんなところに文豪が住んでいたのかと思うと、感慨深いですね。もしかしたら、ゑちごやさんのあんみつを文豪たちも味わっていたのかもしれませんね。

今も残る土蔵

 ゑちごやさんは今流行りのおしゃれで洗練されたお店ではないのですが、
老夫婦二人でやっている老舗ならではの温かみがあるお店です。
周辺には歴史を感じる建物などが随所にあり、散策するのも楽しいと思います。


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