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【映画#102】「戦場のメリークリスマス」『橋を渡る』より

こんにちは、三太です。

学校では2学期が無事終わりました。
冬休みに入ったので、少しリフレッシュできるかなとも思っています。
意外に長期休みの方が忙しかったりもしますが・・・。
さて、今日はクリスマスということなので、こちらを紹介します。

今日は『橋を渡る』に出てきた「戦場のメリークリスマス」を見ていきます。
『橋を渡る』に出てくる唯一の映画です。


基本情報

監督:大島渚
出演者:セリアズ(デヴィッド・ボウイ)
    ヨノイ大尉(坂本龍一)
    ロレンス(トム・コンティ)
    ハラ軍曹(たけし)
上映時間:2時間3分
公開:1983年

あらすじ

舞台は1942年のジャワ。
捕虜となった英国軍人のセリアズは処刑されかかっていたところを日本軍のヨノイ大尉に助けられます。
他の捕虜は切腹をさせられている者などもいるのに、なぜ自分は助けられたのかがわからないセリアズ。
セリアズに対して抱いている思いを決して口に出すことのできないヨノイ。
時代・状況において認められない愛の形がそこにはありました。
この二人の極限下での交流が話の核となります。
他にも多数の日本の軍人や、外国の捕虜が出てきて、それぞれに戦争がどのような影響を与えたのかもつぶさに描かれます。

設定

・戦時下のジャワ島
・禁じられた愛
・極限下での人間

感想

主題歌がよくて、心に残る良い作品でした。
ただ、読み解くのが難しい作品だとも思いました。
その分、映像や言葉を手掛かりにそこに自分で積極的に意味を見出していける作品でもあるような気がします。
やはりメインとして描かれているのは禁じられた同性愛だと思います。

               ヨノイ大尉とセリアズ


と同時に、たけし演じるハラ軍曹の狂気に象徴的に表れていると思うのですが、戦争のリアルも一人ひとりの人間を通して描かれます。

          ロレンス(左)とハラ軍曹(右)


それはヨノイ、セリアズ、そしてロレンス一人ひとりにありました。
また、特にセリアズにおいて丁寧に描かれるのは過去と現在のつながりです。
過去に抱えたものが今につながっている。
そんなことも見ている人の共感を呼ぶポイントなのだと思いました。

極限下あなたへメリークリスマス

その他

・演者の服についている汗のしみこみ方がリアル。

『橋を渡る』内の「戦場のメリークリスマス」登場シーン

現在の師団に配属された直後、響は東アフリカの紛争地に派遣された。ここで響たちの部隊が他の同盟国の兵士たちと共に担当したのが捕虜の監視だった。収容所の捕虜のなかにはもちろんサインもいた。(中略)
この収容所で流行っていた百年前の日本映画がある。「戦場のメリークリスマス」という作品で、当時人気のあったデビッド・ボウイというロック歌手が演じるイギリス兵が、日本の捕虜収容所で拷問され、生きたまま土中に埋められる。

『橋を渡る』(PP.429-430)

これは『橋を渡る』の未来のパート(2014年の70年後)に出てくる一節です。
サインというのはクローン人間のような存在で、未来では人間から虐げられています。
そのサインである響が主人公となって話が進みます。
「戦場のメリークリスマス」は未来と現在をつなぐ小道具の一つとして機能しています。
また、未来におけるサインの扱いのひどさも暗示させる効果もあるように感じました。

吉田修一作品とのつながり

ちょっと今回はよくわからなかったです。

以上で、「戦場のメリークリスマス」については終わります。
解釈は難しいですが、なんだか心に残る作品でした。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

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