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元旦の夕方、突然、能登を中心とした大地震のニュースが飛び込んできました。
TVでアナウンサーが「すぐ逃げてください!」という呼びかけに、着の身着のまま急いで赤ちゃんを連れて逃げた方も多かったことでしょう。
当日の夜は、避難所で赤ちゃん用のミルクやおむつが足りてないという情報も。
今回は、赤ちゃん用避難備蓄品の開発をした経験からコメントします。


赤ちゃんと一緒に逃げる大変さ

健常者でも避難所生活は過酷なのに、弱者と言われる高齢者、障がい者、妊婦、赤ちゃん連れは本当に大変です。

特に親は赤ちゃんが泣いて周りに迷惑をかけるのではないかと心配し、避難所に着いても必要物資だけ受け取り、車中泊などが多いとか。

以前実施した、ママたちの避難所への意識調査や、避難所経験者へのグループインタビューを通して、「避難するのが大変、避難しても居場所がない」という実態を知りました。


実際に過去には、「うるさい!赤ん坊を泣き止ませろ!」なんて暴言を吐かれ、避難所にいられなかったという話も聞きます。

赤ちゃんは泣くものと、みんなで温かく見守って欲しいと強く願っています。

赤ちゃんが必要なのはミルク、おむつだけではない

赤ちゃんにとって最も必要なのはミルクとおむつであることは誰もが理解できます。

でも、もう一つ、赤ちゃんにとって必要なのがあります。

それは、寝る場所です。

夜はママかパパに抱っこされながら寝るので大丈夫、と思っていませんか?
でも、ずーっと抱っこしながら寝るのは大変で、親は赤ちゃんを踏まれないように一睡もできなかったりします。


地震災害のあとは、余震で天井からの粉塵が落ちてくることもあります。
抵抗力も低く無防備な赤ちゃんを守るのは、頭を含めて周りを囲うものがあると安心です。

赤ちゃんを寝かせられる避難所用の幌付き簡易コットを開発したのも、そういった経緯からでした。

ただ、実際に災害が発生してからでは、交通がマヒしてしまうため、すぐに現地へ発送することができません。
日頃からの備蓄品としてもらうのが理想ですが、避難物資の倉庫スペースには限りがあります。
そのため、赤ちゃん用品を多く置けないのもわかります。

せめて3日分だけでも赤ちゃん用の必要品を備蓄してもらえると、その地域で暮らす親たちは避難しやすくなるんですけどね…。

赤ちゃんがいる場合、いざというときのために、自分の住んでいる地域では、どのような備蓄品が揃えているのか確認しておくと良いでしょう。

避難場所での周りの理解

赤ちゃんだけでなく、ママも泣きたくなる避難期間。

ママ、パパ、常にこの2人で赤ちゃんをサポートできるわけではありません。
シングルのかた、パパがまだ避難所に来れないかたもいます。

親だけが赤ちゃんを守るのではなく、周りの人たちみんなで赤ちゃんを守るという意識が必要です。

ワンオペママがトイレに行きたい、食料を取りに行きたいとき、誰かが赤ちゃんを見守ってあげれば、ママも安心です。

赤ちゃんのいる親は、遠慮して助けを言いずらいものです。
「何かお手伝いできることはありませんか?」
「代わりに赤ちゃんを見てあげますよ」
そんな言葉をかけてあげるだけで親はホッとします。



赤ちゃんを笑顔させるためには、まず親を安心させること。
それが、赤ちゃんに伝わってきます。

避難所で、赤ちゃんがにこっと笑ってくれれば、それだけで気持ちが少し楽になるかもしれません。

避難所での生活、それは明日、私たちにも起こるかもしれません。
決して他人ごとではないんです。

赤ちゃんとのお出かけデビューを応援♪|河村 眞弓 / 赤ちゃんとのお出かけ環境プランナー (note.com)


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