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【引用】ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』

今回読んだのは、シャルル・ボードレール(BAUDELAIRE, Charles)[1821-1867]『小散文詩 パリの憂愁』(山田兼士訳、思潮社、2018年9月、東京)です。

以下、引用した文章になります。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

2024年4月1日 22:50
群集、孤独。能動的で豊饒な詩人にとって、等価にして互換性のある言葉である。自らの孤独に人々を住まわせることのできない者は、せかせかした群衆の中で独りでいることもできないものだ。

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 56

2024年4月1日 22:52
詩人は、思いのままに己自身であり他者でもあることができるという、この比類ない特権を授かっている。

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 56

2024年4月1日 22:54
孤独で思索的な散歩者は、この普遍的共同体から、ある特異な陶酔を抽出する。(略)、それは、金庫のように自閉的なエゴイストや、軟体動物のように殻にこもった怠け者などには、永久に与えられないものである。

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 57

2024年4月1日 22:56
植民地の建設者たちや、民衆を導く牧師たちや、地の果てに流浪する宣教師たちは、おそらく、こうした神秘的な陶酔をいくらか知っているだろう。

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 57

2024年4月1日 22:58
私は不快な気分で顔を背け、こう答えた。「私は、自分の楽しみのために誰かの悲惨を必要とはしない。それに、まるで壁紙のように、おまえの肌に描かれたあらゆる不幸によって陰気にされた富など、受け入れる気はない。」

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 99

2024年4月1日 23:00
私がさきほど、友人が有していると想像していたような、犯罪的な享楽への欲求によるものだとしたら、私はほとんど彼を許したことだろう。(略)。だが、彼の打算の愚劣さは断じて許さない。

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 135

2024年4月2日 12:11
あなたがどの場所にあっても、(略)、永遠の〈悦楽〉と〈苦悶〉の歌い手よ、哲学者、詩人、そして芸術家であるあなた、不滅の名においてあなたに敬礼を送る!

ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』2018: 165-166

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