【引用】ボーヴ『ぼくのともだち』 もものり(momonori) 2024年4月13日 01:05 今回読んだのは、エマニュエル・ボーヴ(BOVE, Emmanuel)[1898-1945]『ぼくのともだち』(渋谷豊訳、白水社、白水uブックス、2013年7月、東京)です。 Amazon.co.jp: ぼくのともだち (白水Uブックス 184 海外小説の誘惑) : エマニュエル ボーヴ, 渋谷 豊: 本 Amazon.co.jp: ぼくのともだち (白水Uブックス 184 海外小説の誘惑) : エマニュエル ボーヴ, 渋谷 www.amazon.co.jp 以下、引用した文章になります。◇ ◇ ◇ ◇ ◇2024年4月13日 00:43大家に、立ち退きを要求された。ぼくのことで、アパートの住民から苦情が出たらしい。あいつは仕事をしていない、と。ボーヴ『ぼくのともだち』2013: 1972024年4月13日 00:45ぼくは七階の屋根裏部屋でひっそり暮らしてきた。歌ったり笑い声を立てたりしないよう気遣ってきた。それというのも、働いていないからだ。ぼくみたいな働かない人間、働くことを望まない人間は、いつだって嫌われ者だ。ボーヴ『ぼくのともだち』2013: 1982024年4月13日 00:46ほんとうは、みんな、ぼくを羨んでいたにちがいない。ぼくは、自由でありつづけるために、肉も映画も毛糸のセーターも断念した人間だ。そのぼくと顔を会わせると、彼らは自分たちの不自由さを自覚せざるを得なかったのだろう。ボーヴ『ぼくのともだち』2013: 1982024年4月13日 00:47もちろん、ぼくは、自分の立場をひけらかす気などなかったけど。みんな、ぼくを許さない。自由でいることも、貧乏を怖れずにいることも、許してくれない。ボーヴ『ぼくのともだち』2013: 1982024年4月13日 00:50椅子――庭用の折り畳み椅子だ――に腰掛けて、将来のことを考える。いつか、きっと幸せになる。ぼくを愛してくれる人が現れる。そう信じたい。でも、いつか、いつかと思って、もう久しい。ボーヴ『ぼくのともだち』2013: 2022024年4月13日 00:52孤独。なんて美しく、なんて悲しいものだろう。みずから選び取った孤独は、このうえもなく美しい。ボーヴ『ぼくのともだち』2013: 204 ダウンロード copy この記事が参加している募集 最近の学び 180,495件 #小説 #詩 #読書 #最近の学び #引用 #フランス文学 #エマニュエル・ボーヴ この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート