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韓国人ソンギくん 呼び方問題

海外留学をしていた頃のお話です。

語学学校の同じクラスに、ソン・ギ・ムン(Seong Gi Moon)くんという韓国人の男の子がいました。
メガネをかけていてスラっと背の高い、知的で優しい男の子です。

元国連事務総長のパン・ギムン氏に名前が似ているな〜と思いながら、ソン・ギムンなのかソンギ・ムンなのか、切り方がイマイチ分からず。
先生は、「ソンギ!」と言って出席を取るので、クラスメイトたちも皆、彼のことをソンギと呼んでいました。

でも、同じ韓国人からは、彼はムーン(moon)と呼ばれます。
なぜか。

ソンギくん本人を含む韓国人5人、日本人2人、ブラジル人1人の仲良し組で、テーブルを囲んでランチタイム、その話題になりました。

「みんなはソンギって呼ぶけど、あたしたち韓国人はムーンって呼ぶの。だって、ソンギはアレのことだから、、、」
韓国人のひとりがそう言いました。
私は意味が分かりません。
????な顔をしていると、別の韓国人の女の子が、耳元でゆっくりささやくように教えてくれました。

"Boys have it, But girls don't have it"

なるほど(笑)
ピンときました。
ソンギは男の子の大事なところのことだったんですね。
私はちょっと恥ずかしくなって、うふふと笑いました。
みんなもうふふと笑いました。
ソンギくんもうふふと笑いました。

まだみんな英語が上手くなくって、purdun? のオンパレード、会話をするのにひと苦労だった頃です。
Boys have it, But girls don't have it
これだけで全てが伝わって、なんだか感動しました。

それと同時に、みんなとの距離がグッと縮まった気がして嬉しかった。
10代の頃、友達同士でエッチなコソコソ話をしてはキャッキャと盛り上がった、あのワクワク感、高揚感、、、それに似たものが蘇ってきて、
あ〜こういうのって、万国共通なんだなあって。

男の子にはソンギがあって、女の子には、ない。
それは韓国人もブラジル人もみんな同じなんだよなあって、当たり前のことに気づいて。
その場にいた全員が、同じ感覚を共有しているのがなんとなく伝わってきて、謎の一体感(?)が生まれました。笑
言語や国籍の壁を越えたかも、って思った場面のひとつです。

大学の英語の先生で、
「異文化理解に下ネタはめちゃくちゃ大事」なんて大マジメにおっしゃった人がいて、当初はなんのこっちゃでしたが、この経験でちょっと納得。

先日観ていた『キム秘書はいったい、なぜ?』という韓ドラの中で「ソンギ」違いのくだりが出てきて、懐かしく思い出しました。

ちなみにソンギくんに、それならムーンって呼んだ方がいい?って聞くと、ソンギで良いよ〜とあっけらかん。
ソンギくん、元気にしてるといいな。

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