パイ、メーホーソンでのカンナビス
環と別れた後、インドを旅していたつばさとバンコクで合流した。
ひどく疲れた顔をしていた。
どうやら、過密スケジュールを組んでしまい、熱が出てしまっているらしい。
2日ほど安静にして回復したらしく、二人でパイというタイ北部にある小さな村に向かうことにした。
この村は知る人ぞ知る村で、バンガローに泊まり、カンナビス好きが毎晩のようにジョイントをふかしているらしい。
ローカルバスを乗り継いでパイへ到着した。
のんびりした、自然いっぱいの良い環境だと思った。
隣同士のバンガローに泊まり、軽く一服することにした。
つばさが、「バックパックの奥に入っていた。」と黒い塊を出してきた。
「チョコやん!!」
高熱で意識がもうろうとしている中、バックに入っていたチョコをインドからタイへ密輸してしまっていたらしい。
チョコとはチャラスの事で、大麻の樹脂を固めたモノで、インドではメジャーなカンナビスである。
効きも素晴らしくいい。
インドから持ってきたチュラムという喫煙具で思いっきりチョコを楽しんだ。
大自然の中で楽しむカンナビスは格別のものだった。
その他にもこの村には面白い要素がたくさんある。
バンガローの下に大麻が生えているのである。
バッツをちょん切って、屋根で干して吸ったり、バイクで少し行けば、ホットスプリング(温泉)もある。
仙人のような日本人が住み着いており、10人ほどで円を作り、ジョイントを回しなら、ギターを弾いたり、ジャンベをたたいたり、ディジュリドゥを鳴らしたりとここでしか味わえない格別の体験を毎晩のように味わった。
一通りここでの体験をすまし、メーホーソンへ行って首長族を見ることにした。
定例のバスがあるが、せっかくなのでバイクで行ってみることにした。
4時間ほどかかるとのことなので、120CCのカブをレンタルし、ガソリンをペットボトルに入れ、出発した。
カンナビスを吸いながら自然いっぱいの道をふらふら運転していたので、到着したのが夕方になってしまった。
首長族を見るなり、即戻らないとけない時間になっていた。
この帰りが最悪だった。
急なスコールに見舞われ時速20kmでも前を見るのが大変。
更に日も暮れて、めっちゃ寒い。
この状態で4.5時間運転して、やっとパイへ戻ってきた。
体が冷え切っており、鼻水が止まらなかった。
体をあっためるために、辛めのタイカレーを食べて、ジョイントを吸った。
一気に体調が回復して、次の日には普段通りの体調に戻っていた。
この後バンコクに戻り、無事日本に帰国した。
大学4年(今から20年ほど前)の約2か月に渡るバックパッカー旅である。
ほぼ毎日カンナビスを吸っていた旅だった。
僕はこの旅を通じてカンナビスを吸いながら、生活を行うことの容易さ感じることができた。
生まれ変わったとしても、この旅を味わいたいと思える何事にも代えがたい体験だった。
※この物語はフィクションです。違法薬物の試用、犯罪行為を助長するものでは一切ございません。
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