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鬼吸いバックパッカー

大学4年の夏に、初めての一人バックパッカー旅に出かけた。
もうこの頃には、友人の大山から93を買い、家でこそこそ吸っていた。

一人旅に出ようと決心したのは、カンナビスの存在が大きかった。
2か月ほどかけてタイ、ラオス、カンボジアを回ろうと計画していた。

まずはバンコクへ行き、おなじみのカオサンロード近くの宿に泊まった。
この宿は、タイグリーンハウスと言って、その名の通り”グリーン(カンナビス)”好きが集まる、その道では有名なゲストハウスだった。

初日93はないかとふらふらしていたのだが、一向に見つからず、トゥクトゥクのおじさんに聞いてみた。
そしたらトゥクトゥク仲間を何人か呼んでくれて、

「おまえら、こいつガンジャが欲しいらしい。持ってるやつ知らねえか?」

「おれ知ってるよ。のれよ。」

小柄で目がぎょろっとしたおじさんが言った。

僕は乗りながら、

「いくらだ?」

と聞くと、

「1200バーツだ」

と言われた。

「この間は500で買ったぞ。」

と言いながら交渉を続け、結局800バーツで着地。

その後宿に帰り、屋上に行くと、インド人がトランスをかけながらジョイントをまいている。
ヨーロッパ系の若い男性と恰幅の良い女性などが加わり、梵が始まった。

さっき買ったばかりの93をたばこと混ぜたジョイントを巻、場に一本提供した。
恐らく、3.4本のジョイントを回しただろうか?

片言の英語で楽しい時間を過ごしていたが、だんだん気持ち悪くなり、吐いて寝た。
いわゆるオーバードーズだったと思う。

そんなこんなで、僕の鬼吸いバックパッカー旅は幕を開けた。


※この物語はフィクションです。違法薬物の試用、犯罪行為を助長するものでは一切ございません。

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