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映画解説 トップガン マーベリックを観て思ったこと その3

マーベリックの訓練を受けたトップガンたちはついに作戦決行すべく
戦地に赴くのだった
目標は核兵器の製造施設
山間に作られている為そこに辿り着くには峡谷を飛びぬけていく必要がある
そこには無人のミサイル兵器が配置されている為、レーダーに引っかからないように低空飛行しなければならない
マーベリックを先頭にトップガンたちが編隊を組んで敵地に向かって飛んで行く
援護のために戦艦からミサイルを発射して敵飛行場を攻撃して混乱させる
だが偵察のため周辺を飛行している最新鋭戦闘機がすぐに戻ってくる
マーベリックたちの乗る戦闘機は地上を攻撃するための機体であるFー18、とてもかなわない
その前に作戦遂行せねばならない
まさに時間との勝負だった

ここでも息子が遅れをとってしまうな
映画を盛り上げるためだから当然だけどな
しかしこのままでは作戦は失敗しかねない、これをどう解決するのか?
マーベリックは考え過ぎず感覚に従えと訴える
いわゆる天才タイプか
昔プロ野球の長嶋監督が言葉ではなく動作で指導してたと言うが
それもそのはず
どの分野でも天才は自分がなぜ天才なのかわからない
どうして他人より秀でてるのかわからない
だから自分の能力を言葉で他人に伝えることが出来ない
しかし
この息子はサポートタイプであり言葉で考えるタイプだ
火薬と消化液のような正反対の性格、分かり合えるはずがない
だが
もうあとがない状態に追い込まれると不発弾にも火が付き何とか作戦は成功する
残る問題は生きて帰ることだ

崖を越えるために急上昇したマーベリックたち戦闘機を無人兵器から放たれるミサイル群が襲う
すごいミサイルの数だ
何とか回避を続けるがついに息子の乗る機体が捉えられてしまう
このままでは直撃しちまう
もう助からねえ
その窮地を救ったのがマーベリックだった
自らを盾にしてだけどな
マーベリックの機体は墜落してしまうが、本人は何とか生き延びたぜ
雪の大地、そこに現れたのはロシアの攻撃ヘリだった
こいつ見たことあるぞ、MGSのゲームによく出てくるヤツ
この敵国ってどこだ?と思ってたが
イランなんかの中東か?
雪が降ってるから北朝鮮か?
と思ってたら
ロシアだったか
いつの時代になってもアメリカの仮想敵国はロシア
中国はハリウッド映画界に多額の資金提供して乗っ取ってるみたいだからな
当然と言えば当然か
日本を含めて中国を悪者に描くことは許されない、これが大人の世界ってヤツだ
まさかとは思うが
プーチンがウクライナ攻撃を決行したのはこの映画に怒ってのことじゃないよな?
「こいつらまだロシアを悪者にしやがって
 許せねえ」
みたいな、な
まあ、ありえねえことじゃないか?

話が反れてちまったが
そして
このマーベリックの危機を救ったのが息子だった
攻撃ヘリに戦闘機ごと体当たりしてだ
体当たりする必要があったのか?わからねえ
ミサイルも機銃も弾切れだったか
撃っても外したらヤベエ
最悪流れ弾がマーベリックに当たったかもな
何にしても
これによってマーベリックは助かり脱出した息子と再会を果たす
正直言うが
俺はここまでこの息子には映画のキャラクターとして何の魅力も感じてなかったんだがな
このシーンで初めておもしろいと思ったぜ
今まで距離のあった二人が初めて本音でぶつかったと言うか
人間らしさに魅力を感じた
これで二人はめでたく分かり合うことになるんだが
演出的に言うと
過去に戻るように飛ばし続けるマーベリックと
過去を大事にして飛ばせない息子と
この違う時間を生きる二人のスピードがぶつかって同じ時間を共有するようになったんだ
感動的なシーンだぜ

あとは帰還するだけ
敵の飛行場に侵入して、捕まっていたFー15に乗り込む
マーベリックの相棒だ
こいつは翼を広げて短距離でも飛び立てるようだな
この特徴を活かし瓦礫だらけの滑走路からみごと離陸して無事に帰還
ハッピーエンドだ

まとめだが
全体的におもしろかったと思うぜ
プロが作った映画だから当然だけどな
だが世紀を越えてのリメイク的な続編だからか優等生的なおもしろさではあったか?
印象に残ったのは
マーベリックの命を守ることへの執着心
それは親友を事故死させた過去を描くという映画のテーマでもあることだが
上官の
作戦遂行のためにはパイロットの犠牲はやむを得ない
って何だ?
まるで
第二次世界大戦の日本の特攻だぜ
現在になってもまだ批判の対象になってるようだが
アメリカもやってることは同じだ

映画製作者の痛烈な批判に感じたぜ
ハリウッド映画と言うと単純な戦意高揚映画ばかりだと思われてるようだが
そんなことはねえ
どの映画を見ても昔のは特にテンプレートかと思えるぐれえ
反戦メッセージばかりが込められちまってるな
この流れを作ったのは
間違いなく俺たちの黒澤明
黒澤映画には必ず社会批判が込められてた
それなのにエンターテイメントとしてもおもしろい
みんなが真似するはずだ
誇っていいと思うぜ

<終わる>


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