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相談できる場所。発達障害の診断を受ける意味を知った

子どもの言動や学校・学童でのトラブルがますますひどくなり、外部に支援を求めることになりました。

とはいえ、どこに行けばよいのかわからず困りました。

学校のスクールカウンセラーさんに教えてもらった自治体の子ども医療センターは「診断を受けるまでに数年待つのもめずらしくない」とのことなので、どこかほかのところを探そうと思いました。

相談先探しに時間がかかる


インターネットで情報を集め始めたものの、あまりよい情報がありませんでした。

まず、「子ども・家庭センター」が家の近くにあることがわかり、そちらに相談に行ってみました。

女性と男性の相談員2人が対応してくれました。
とても親切で、私の話にゆっくりと耳を傾けてくださいました。
そして、
「同じ小学校区にすごく知識のあるBさんという方がいますよ。
そのようなお子さんの特性や言動について、
その方に相談するといい情報が得られると思います。
ただ、その方に承諾をとらなければならないので、希望されるのであれば言ってください。連絡先を伝えてよいか聞きますので。」
と言われました。

いったいどんな人なんだろう?と思いつつ、
「わかりました。考えてみます」
と答えてから、次のように聞きました。

「このセンターに電話をかけたとき、なかなかつながらなかったのですが、相談の電話、多いんですか?」

すると、相談員の方は、ちょっと顔を曇らせて次のように言いました。

「いま虐待のケースが増えていましてね。
実はかなり深刻なケースが多くて、うちもてんてこまいなんですよ」

その言葉を聞いて、なんとなくですが、
忙しい相談員さんを、虐待とくらべると取るに足らない我が家のようなケースで手をわずらわせたら申し訳ない、という気持ちになりました。

「また連絡します。ありがとうございました」と丁重にお礼を言って、センターを後にしました。
それ以降、そのセンターには連絡をとりませんでした。

(後で判明したことですが、「すごく知識のあるBさん」はうちと似たような強い特性があるお子さんをもつお母さんでした。
その後、親の会で一緒になって直接お話しすることができました!)

やっと相談できる場所を見つける


その後も相談先探しは続けました。
インターネットで見つけたのは、県の発達障害センターというところでした。
発達障害の診断を受けていないうちの子どものケースを受けつけてもらえるのか、
どんな支援が受けられるのか、
などわからないことばかりでしたが、電話をしてみることにしました。

するとすぐに予約がとれ、私1人で相談に行くことになりました。

相談員はやや年配の男性でした。
まず、発達障害の診断の有無は、相談の可否と関係ないと言われ、安心しました。

そして、たー君の家での様子、学校での様子、これまでのトラブルについて話しました。

相談員さんは、細かくメモをとりながら、真剣に耳を傾けてくださいました。

「発達障害の可能性があるでしょうか?」
とたずねると、
「強い特性はありそうですね。
発達障害の可能性ありですね」
とのことでした。

「とても自尊心が強い子どもなので、発達障害の診断を受けるために病院に連れて行くのはハードルが高いです。
私も診断を受けるのは抵抗感があります。
そもそも発達障害の診断って、受ける必要があるんでしょうか?」
とたずねました。

するとその相談員は言われました。

「発達障害の診断を受けることには多くのメリットがありますよ。
診断を受ければ、適切な公的サービスを受けられますし、障害者手帳の申請も可能になります。それで大人になったら障害者雇用枠で就職もできます」

そうなんだ・・・

たー君が発達障害だと言われるのが怖くて、診断を受けるのは抵抗があるけど、いいこともあるんだ。
少し前向きに考えることができました。

そして、ここなら今後もたー君のあれこれを相談できるかもしれないとぼんやり思いました。

暗く沈んでいた心に小さな明かりがぽっと灯った気がしました。

ここにはその後、8年間も相談に通うことになったのです。


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