幼なじみの咲月#4【我慢しないで】
咲:いらっしゃいませ
・・・・・・
咲:ご注文は、さちゅきですか?
・・・・・・
〇:えっと・・・なに?
咲:なにって、分かるでしょっ!!
〇:いや、全然分かんない
咲:さちゅきウェイトレスだよっ!!
・・・・・・・
咲:どう?
咲:可愛いでしょ
咲:可愛いよね?
咲:分かる分かる、ほんと可愛いのよこれ
咲:文化祭でこれ着るんだー
〇:はあ・・・
なるほどそういう事か・・・
休日に近くで昼食を済ませた帰り道に部屋に戻ったらサプライズがあると予告をされていた。
洗面所でごそごそやってから出てきたのはウェイトレス姿の咲月だった。
咲:本当は文化祭来てもらいたいけど、〇〇はそーいうの恥ずかしいでしょ
咲:でも絶対見てもらいたかったからサプライズで持ってきたの///
こーいうのはサプライズって言うんだろうか・・・
それにしてもこれはちょっと・・・
・・・・・・
・・・・・・
咲:ねえ・・・
・・・・・・
咲:あんまりだった?
一転して不安そうな表情にはっとして応える。
〇:いや;;;いいと思うよ
咲:ほんと?
〇:ああ;;;
咲:もしかしてさちゅきポリスの方がよかった?
ポリスか・・・
・・・・・・
確かに個人的にはそっちの方が・・・って違う違う;;;
〇:いや、そうじゃなくってさ;;;
咲:ん?
ウェイトレス姿の咲月は正直言ってめちゃくちゃ可愛い;;
めちゃくちゃ可愛いんだけど;;;
〇:あのさ・・・
〇:それ丈短すぎないか?
咲:あっ///やっぱ短いよね///
咲月の細くて白くて造形の整った両脚が生で視界に飛び込んできて・・・
いけないと何度視線を逸らしても照準が合ってしまう。
咲:えっと;;普段からガチでコスプレの衣装作成とかしてる子達がメインでやってるんだけどさ
咲:なんかお辞儀をした時に後ろからギリギリ見えるか、見えないかのラインに徹底的にこだわったみたい
咲:丈の短さは作り手の情熱に比例するんだって
咲:ってことで短めのスカートになりましたとさ////
〇:とさって、見えたらダメだろ;;
あれこれ口を出せる立場にない事はわかっているが、
こんな格好の咲月が色んなやつに見られると思うとなんとも落ち着かない。
咲:下着になって全身の採寸したから全部ピッタリでしょ
下着で採寸だと!!
咲:本気でやるとほんとに色んなとこ測るんだぁーって思ったよ////
色んなとこって;;
聞き捨てならない台詞が咲月の口から次々と・・・
咲:あ、女の子だからね///
〇:いや、そーだろうけど;;;
あらためて衣装を見てみると普通の文化祭レベルを超えていることが素人目にもわかる。
〇:こーいうの作るってお金も時間も相当かかるんじゃないか?
咲:あ、その辺は心配ないみたい
咲:手伝ってくれるコミュニティがあって、全部0から作るっていうよりはも元々あるやつを借りて直してるんだって
咲:同級生にいろんなの着せられるって喜んでるし
咲:ちょっと写真だけ撮らせてくれれば資金回収も余裕だって。逞しいよねぇー
〇:写真って;;;大丈夫なんだろうなそれ
咲:うんうん、プライバシーに十分配慮してマネタイズするって。よくわかんないけど・・・
実に怪しい・・・
咲:一応学校のチェックも入るみたいだし、心配しないで
〇:そー言われてもな
やりとりの間中、少し視線を下にむけると極短の布から伸びる細い脚がちらつく。
咲:心配?
〇:心配っていうか・・・お金の話は置いといてさ、学校的にどーなんだそれは
咲:それって?
〇:だからそのスカートの丈///
咲:それなら大丈夫、本番は見えてもいいやつ中にはくから
〇:まあ、そうか////
・・・・・・
・・・・・・
よく考えれば当たり前の話なのかもしれないが
見えてもいいやつって言ったって男はそれでも見たいもんだし・・・
ん・・・本番は?
・・・・・・
・・・・・・
言葉の引っかかりに気づいて顔を上げると同じようにはっとした咲月と目が合う。
咲:あぁ///
咲:えぇっと////
咲:今は履いてないから、ちょっと見せらんない・・・けど///
〇:いや;;見せなくていいから;;;
咲:う、うん・・・・
・・・・・・
・・・・・・
なんだこの空気は・・・
咲月の顔を見ていられなくなって降下した視線は、再び布と肌の境界線をゆらゆらと漂う。
・・・・・・
・・・・・・
咲:見たい?
ん、幻聴か?
・・・・・・
咲:・・・〇〇が見たいって言うなら////
ん、また聞こえたぞ?
ゆっくり顔を上げるとスカートの端に両手をかけている咲月。
〇:ちょっ、咲月っ;;;
咲:〇〇・・・
とろんとしてどこか焦点の合っていない咲月がじりじりと寄ってくる。
〇:まてまて;;落ち着けって;;;
咲:〇〇・・・
どうやらオレの声は届いていないようだ。
〇:咲月っ!!
咲:へっ;;
事態が事態なので咲月の手を押さえるようにぎゅっと握ると、ようやく焦点が合う。
〇:大丈夫か?
咲:うん、あれ?私・・・
・・・・・・
・・・・・・
咲:あ、あ、あああぁぁっぁぁ;;;;!!!!
正気に戻って数秒前の状況を認識したらしい。
咲:あぁっ;;ごめんね////ちょっと待って;;;今の無しっ///
咲:アぁぁーー、ダメだ今の。ダメだよね///
咲:なんか//////意識が飛んじゃってて
咲:ああ、どーしよ///
咲:〇〇にエッチな子だって思われちゃうぅぅ//////
全身の血液が全力で頂上を目指して登っているんだろう。
顔を覆った両手からはみ出ている耳がみるみる真っ赤になっていく。
〇:落ち着け;;;別に変なふうに思わないし、大丈夫だから///
ー-----
咲:ごめんね。いつも困らせちゃって・・・
ひととおり恥ずかしがってから、しゅんとなってしまったウェイトレスがちょこんと頭を下げてくる。
〇:全然困ってなんかないから
咲:でも・・・
なんでこんな展開になってしまったんだろうか。
咲月はオレの為にわざわざ衣装を持ってきて見せてくれたのに、今咲月にこんな顔させてるのはオレだよな。
今更ながら素直な感想を伝えていなかった事に気づく。
〇:こっちこそ、色々言ってごめん
〇:ちゃんと言ってなかったけどさ
〇:咲月のウェイトレス姿すごく似合ってるし
〇:すごく・・・可愛いよ///////
言いながら耳が燃える感覚を味わう。
おそらくオレの耳も真っ赤になっているんだろう。
咲:えっ///とぅんく、とぅんく///////
〇:なんか口に出てるぞ・・・
咲:へへへ///
咲月にいつもの笑顔が戻って安心する。
咲:丈の長さはちょっと相談してみようかな
咲:スカートの中見ていいのは〇〇だけだもんね//////
〇:うっ;;;
それなんて返したらいいんだよ;;;;
咲:あ、今日もマッサージさせて
そう言ってベッドを背もたれにしているオレの背後に回ろうとする咲月。
〇:待った、今日はいいや;;
咲:えぇ、なんで?
〇:な、なんかここんとこ肩も首も調子よくてさ;;;
咲:そうなの?
正直こんな刺激的な格好の咲月に触れられて正常でいる自信がない。
やむなく申し出をお断りするとお預けをくらったような表情でこっちを見つめる咲月。
そんな顔されてもなぁ・・・
そう思ってたまらず視線を落とすと揺れるスカートから伸びる細い脚に目が持っていかれる。
正面から見てもギリギリのラインじゃないか?
たまらず視線を上げると不満そうに口を膨らませている咲月。
うっ
再び顔を伏せると・・・
・・・・・・
目の前で立たれてると色々都合が悪い。
〇:えっと・・・座ったら・・・
咲:あ、じゃあお隣失礼しまぁーす////
〇:は?
普段は正面に座るんだが、ベッドを背もたれにしているオレの隣にちょんっと並ぶ。
〇:・・・なんか近くないか;;;
咲:えぇー、いいじゃん////
〇:そーいうお店じゃないんだから;;;
咲:お店?
〇:あ、いやなんでもない;;;
さっきよりもずっと近い距離にある白い太腿にピントがオートであってしまう。
座る方がまずかったんじゃ;;;
左隣から漏れ出る年下幼なじみの甘い香りにやられる。
さっきからばちばちに視線を送られているが、ここは気づかない振りでやり過ごすのが吉だろう。
目を合わせてしまってタガが外れてしまったらえらい事だ。
咲:ねえ、ぎゅうってしてもいい?
〇:は?
咲:だから、今日はハンドマッサージ
・・・・・・
咲:するよ?
すっと細い手が伸びてオレの左手を握る。
これはマッサージと言うんだろうか。
さっきからにぎにぎと両手でオレの左手を弄ぶ。
咲:ふふふ
咲:へへへ
咲:ほほほ
よく分からないが機嫌は悪く無さそうだ。
咲:知ってる?〇〇
咲:手ってツボがいっぱいあるんだよ
〇:へえ、そういうの知ってるのか?意外だな
咲:ううん、全然知らない
清々しい返事っ!!
咲:いっぱいニギニギしてたらいい感じにいいとこ押せてるんじゃない?
咲月っぽい発想っ!!
咲:気持ちいい?
〇:あぁ・・・
正直マッサージされてる感じはしないし、たとえマッサージがちゃんとしていても今はそれどころではない。
いつもと変わらない声のトーンと
いつもより近い距離////
いつもより多い肌の面積////
要するに全部咲月のせいだ////////
〇:ありがとな、もう大丈夫だ;;;
咲:え、もうちょっと;;
そう言ってオレの手をスカートに乗せて上からぎゅーっと押し付ける。
咲:うんっしょ、うんっしょ
謎の掛け声と共にスカート越しの太腿に沈んでいく左手。
咲:うんっしょ、うんっしょ
・・・・・・
咲:うんっしょ、うんっしょ
・・・・・・
これはまずい、色々と///////
・・・・・・
〇:咲月;;気持よかったよ、ありがとな///
我慢も限界なので手を引き抜いて強制終了させると不満気に顔を近づける。
咲:もぉ、まだ途中なのに・・・
うぅっ////近いな;;;
顔の近さも気になるが一瞬触れてしまった咲月の太腿の冷たさが気になる。
〇:なあ、そんだけ足出てたら寒いだろ
咲:うん、寒いよ
〇:じゃあ着替えた方がいいんじゃないか?
咲:寒いけど可愛いは我慢と等価交換だから
なんだそれは;;よく分からないがこういうのも年齢のギャップなんだろうか・・・
咲:〇〇に可愛いって思ってもらう為にはこれくらい我慢しないと
我慢なんかしなくたって咲月はずっと可愛いんだが・・・
脳内では言える台詞が口からはなかなか出てこない。
〇:そういう我慢は身体に悪いだろ。風邪ひくぞ
咲:もうテスト終わったしいいもーん
〇:長引いたら来週来れなくなるぞ
咲:えー、それはやだ・・・
・・・・・・
・・・・・・
〇:えっと・・・
・・・・・
〇:あのさ・・・
・・・・・
〇:咲月が来れなくなるのはオレも困るしさ///
咲:えぇっ!!
〇:な、なんだよ;;;
咲:ふふふ////
咲:ふふふふ////
咲:〇〇も私に会いたいんだぁ///
〇:あ、ああぁ///
咲:ははは////
咲:ひひひ////
咲:ふふふ////
〇:やめとけっ;;;
咲:〇〇がそう言うなら着替えてくるね
咲:〇〇大好き////んうぅー、さつきっちゅ////
〇:はいはい;;;
だから近いんだって////
目をパッチンパッチンしながら立ち上る咲月。
咲:覗いてもいいからねっ////////
〇:覗くかっ!!
咲:ええぇぇ、我慢しないでよぉ////
舌をチロっと出してなんだか嬉しそうに文句を言ってくる咲月。
まったく何言ってんだ////
でも・・・
言うなら今だよなぁ・・・
〇:あ、あのさ;;;
〇:ちょっと咲月に着てもらいたいやつがあって;;;
咲:え?
【続く】
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