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いじめサバイバーの僕が、涙で走った駒沢公園で今は笑える理由

中学生の頃、泣きながら独りで走っていた駒沢公園。あれから約10年後、初めて教会の牧師とサッカーをしたのも駒沢公園だったーーー。いつも人一倍元気で明るい、そんな姿からは想像できない過去を乗り越えてきたストーリー。


東京に来て2年目、楽しかった中学校が一変した

ーーいつから東京に?

生後半年から8年間、香港に住んでいて、帰国後は名古屋で数年間過ごし、中学入学と同時に東京に引っ越してきました。

中学生になって最初はクラスメイトと仲良く過ごしていましたが、僕が通っていた中学校には、いじめのルーティーンがあったんです。僕の番が回って来たとき、意固地になって抗っていたらいじめが広がり、学年全体からいじめられるようになってしまいました。

いじめのきっかけは、些細なことでした。みんながAKBを推している中、僕が推していなかったりとか、mixiが流行っているのに、僕がやっていなかったりとか。1年生の頃は仲が良かったのに、皆と違うことをしていたらターゲットになっていました。

特に女子達からの悪口がきっかけでいじめに発展したトラウマもあり、何年もの間、女性と話す際に声が高くなってしまっていました。ぶりっこと言いますか…防衛本能が出てしまいます。

いじめは、殴る蹴るといった暴力よりは、言葉の暴力でした。「死ねよ」とか「なんで生きてんだ」とか。机の上にお花が置いてあったこともありました。当時は、死ぬほど辛かった。それでも親には心配をかけたくなかったので、話していませんでした。部活も続けていて、サッカー部の帰りによく駒沢公園で涙を流しながら走っていました。

ーーそれでも学校に通い続けられたのはなぜ?

2つあって、1つは ”希望” 。今は辛いけど、小学校は楽しかったから未来は絶対楽しくなるはず、タイミング的に今が辛い時期なだけかもなと。未来に希望しか抱いていなかったんです。

希望を持てたのは、漫画の主人公たちに影響を受けていたのが大きいです。ジャンプ、マガジン、サンデー等、少年漫画を良く読んでいました。たとえば、『NARUTO -ナルト』に出てくるロック・リーは、他の登場人物とは違い1人だけ忍術が使えません。みんな忍術が使えるのに体術という格闘技しかできないんです。それでも主人公のナルトをはじめ作中の最強キャラたちとも互角に渡り合う姿に力を受けていました。

それから実は、1番影響を受けたのは進研ゼミの漫画なんです(笑)。進研ゼミって辞めると漫画を送ってきますよね。主人公が勉強ができるようになるにつれて、部活も恋愛も学校生活全てがキラキラしていくんです。「え~楽しい!絶対こんな素敵な青春ストーリーを送ってみたい!」って、希望を持てました。高校大学は、こんな風に絶対楽しくなるんだって。

もう1つは、”意地” でした。転校することもできたのですが、僕は、また仲直りできると思って、最後まで諦めたくなかった。そこは意地でしたね。「なんで来んだよ」と言われても、最後まで学校に通って卒業しました。

過酷な状況で夢見た、理想の自分

ーー高校生活はどうでしたか?

漫画のようなキラキラ学校生活を期待して進学したものの、高校3年間は自分を抑え込むというか、ぶっちゃけ渋い時も多かったです。仲の良い友達もいたのですが、同じ中学の子が1人いたため「やばい、ばれちゃう、いじめられてたのがばれちゃう」と思って、ひっそりと生きていました。

僕だったら盛り上げられるかもしれない…!という場面でも、グッとこらえ目立ちすぎないようにしました。だから僕は、中学2年から高校3年までずっと、自分の成りたいビジョンが膨れ上がっていたんです。

天真爛漫で、みんなを明るくできる、盛り上げられる人になりたい、という思いがめちゃくちゃありました。いじめられている子がいたら守りたいし、1人でいる子がいたら支えたい。そう思っていました。

高校を卒業してやっと、いじめと無関係の世界へ抜け出しました。大学は凄く楽しかった。中高時代に渋いことも多かったので、大学は楽しいところがいいなと思って選びました。イベントが多くて充実した大学生活でした。

学生の楽しさを満喫した大学時代

本当に教員でいいのか?模索する中で出会った聖書

小学校の先生になりたくて、大学では心理学や教育学を学びました。いじめを受けていた中学時代に、教員を目指すようになったんです。小学校でどういう人格に育つのかによって中学高校が変わってくるから、小学校のときにちゃんと、人格を含め、色々育てるのが大事だなと。

ところが、教育実習に行くようになった大学3年の冬くらいから、本当に先生でいいのか?と思うようになりました。ぶっちゃけ、授業の講義案を作るのって相当大変ですし、小学生だとほぼ全教科教えるので、僕に本当にできるのだろうかと。

子ども達と接するのは良いけど、なんかずっとってキツイな、この道でいいのかなと。弱腰になったのがきっかけではあったのですが、人生で初めて、先生を目指すことに対して疑問符が出たんです。とはいえ、周りは基本教員志望なので、他の選択肢を知る機会はあまりありませんでした。教授たちも、先生を目指すことを前提に指導をしてくださる方が多かったので。

そこで、進路を見つけるために、教育実習を終えたら留年しようと決めました。空いた1年間で、多くの社会人に会ってみようと。親やその友達のツテも使って、ヨガやデトックスなど、様々な分野の師匠と呼べるような方とも出会うようになりました。

知らなかった世界は刺激的でした。どうせだったら世界で活躍したい、空港のVIPラウンジで新聞広げながら優雅にコーヒーを飲みながら佇む系になりないな、コーヒー飲めないけど、なんて思ったりもしました。グローバルエグゼクティブになりたいなと。

そんな中、国際系CAの方に、海外で活躍するためには語学も大事だけど、内面を作ることも大事だよね、と言われました。それまでは表面人間で、深く考えることってあまり無かったのですが、確かに…仰る通りや…と納得しました。そこで内面を磨こうと、色々試した中のひとつが聖書でした。ヨーロッパをはじめ海外に行く機会も何度かあったのですが、特に英語圏のホテルに宿泊するときに聖書ってよく見かけるので、気になってはいたんですよね。

『花より男子』の道明寺のように!真っ直ぐな愛への挑戦 

ーー色んな考えに出会った中で、なぜ教会に通うように?

1番好きな漫画『花より男子』の登場人物、道明寺がきっかけなんです。花男は高校生の時に読むようになって、3読はしました。道明寺が、超絶お金持ちでイケメンで、ハイパー格好よい。美女も女優も寄ってくるのに、ぼんびーだけどまっすぐな心を持った牧野を好きになって、結局自分の地位とか家柄とか捨ててでも牧野を選ぶほどに、牧野を愛したんです。クールでかっこいい花沢類派が多いけど、最後まで愛したのが道明寺。

清い愛、純愛だなって。

聖書は「神様の愛」について教えてくれるのですが、自分がそのように愛するのは難しいと感じたんですよね。ハードルたけぇ…無理や…って思いました。そしたら聖書を教えてくれた教会の人に、
「道明寺が牧野1人を愛したように、孝明も神様を愛することに挑戦してみるんだ…!」
って言われたんです(笑)。それで「おおおおお…!!!」ってすごく心にくる衝撃があって、神様の愛に挑戦しようと、教会にも行くようになりました(笑)。

ーー聖書を学んで変化したことは?

1つ目は、肯定的に見られるようになったこと。いじめの経緯も、ゴミ箱に蓋をするように見たくなかった過去だったし、掘り起こしたくはなかった。けれど、その経験があったからこそ高慢にならずに人に寄り添えるようになったと考えられるようになりました。

イエス・キリストの路程には艱難困難があまりにも多くて大変だったけど、だからこそ貧しい人の気持ちが分かるし、全ての人の救い主になったんです。ダビデとか、ヨブとか、聖書に出てくる人物は皆、困難を経ています。それらを通して、僕も錬達を受けたから、今はいじめられた人の心情が分かるし、辛い過去があったから今の自分があるなと。思い出すのも嫌だった記憶がむしろ希望になったんです。

聖書に、艱難が忍耐を生み、忍耐が錬達を生み、錬達が希望を生むとあるように、辛いことがあっても、天が与えてくださった錬達の機会だから、もっと大きく成長しようと思えるようになりました。

それだけではなく、患難をも喜んでいる。なぜなら、患難は忍耐を生み出し、 忍耐は錬達を生み出し、錬達は希望を生み出すことを、知っているからである。

ローマ人への手紙 5/3-4

2つ目が、神様の視点で考えられるようになったこと。先日、ラーメン屋さんでブチギレるお客さんがいたんですけど、以前だったら嫌な人だなと思うだけだったのが、今は、神様から見たらどうかなと考えながら、その人のために祈れるようになりました。なんでそうなっちゃったんだろう?家庭環境で愛を受けられなかった?過去に何かあったかもしれない。40代ぐらいかな、今後もそんな行動が続いたら本人にとっても良くないから、神様、その人が気付くように教えてくださいね、アーメンと祈りました。

渋谷で広めな道を歩いてる際に、いきなり胸にエルボーされたこともありました。満員電車とかなら分からなくもないですが全然広い道だったので、え、なんで?僕何かしました??教えてください(涙)!って感じですけど、あの人も何かあったのかな、うん、祈ろう(涙)、という風に視点を変えられるようになったんですよね。神様が愛して創造した、1人の命だからと。

ーー希望光教会の好きなところは?

ファミリーのようなあたたかい雰囲気ですね。

ほんとうに色んな人がいて、DJとか漫画家とかフィットネストレーナーの方とか、書道家とか社長とか、ファーストフードの料理選手権?の東京代表に選ばれた子とか(笑)。

色んな職業に就いていたり個性も様々だったりしますが、みんな本当に距離が近くて、お互いを助け合ってます。まさにファミリー。

同い年が多く、社会人になってからも辛い時には話しながら華金にご飯に行ったり、休日にはBBQに行ったりサッカーをしたり、山や川に遊びに行ったりと、たくさん遊んでいます。

教会での思い出。ゴスペルライブ・鎌倉旅行・サッカー大会

ーーこれからについて教えてください!

神様から、イエス様から、無条件の愛を聖書を通して学びました。真実な愛を学び、受けたからこそ、その愛をたくさんの人に伝えたいです。その愛を伝えるための人生を、生きていきます。

東京ライフスタイルマガジン
by 希望光教会(キリスト教福音宣教会)

進学や就職で多くの若者が集まり、出会いも娯楽も溢れる東京。忙しい現代を生きながら、なぜ2000年も前の出来事が書かれた聖書に惹かれ、人生のバイブルとするのか。東京というキーワードが切り口のインタビュー企画。

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