浅野浩二

30年以上小説を書いてきました。現在2022年、180作以上、HPに小説をアップしてい…

浅野浩二

30年以上小説を書いてきました。現在2022年、180作以上、HPに小説をアップしています。死ぬまで小説を書き続けます。小説を書くためだけに生きています。医師で空手家でもあります。http://www5f.biglobe.ne.jp/~asanokouji/40.html

最近の記事

からかい上手のエリート税理士の佐藤さん(浅野浩二の小説)

佐藤京子は税理士である。 彼女は子供の頃から頭がよく東大法学部を卒業した。 大学を卒業して大手銀行に就職した。 彼女はバリバリに仕事をこなした。 上司の評価もよく出世は間違いなかった。 しかし転勤が多く彼女は地元に密着した仕事がしたく2年で会社を辞めた。 そして地元の神奈川県で税理士になった。 はじめは税理士法人クラリスに所属した。 税理士の資格は大学卒業後に銀行勤務の傍ら勉強し1年で税理士国家試験に通った。 彼女の頭の良さといったらそれはそれはズバ抜けて凄く税理士国家試験の

    • ごはん島に来る女(浅野浩二の小説)

      日本の近海に小さな離れ島がある。 その島は、ごはん島といって日本に属さない独立国だった。 そこには人口100人程度の人が住んで村社会を営んでいた。 無名の小さな島なので日本では、あまり知られていない。 いつから、この離れ島の村社会が出来たか、その起源はわかっていない。 しかし、一説によると、平家の落人が源氏の追手に殺されないように逃げて来たのが由来という説もある。 ここの村社会では、皆が農耕を営んで自給自足の生活をしていた。 しかし、この村社会には、昔から一つの風習があった。

      • 走れ上松メロス(浅野浩二の小説)「走れメロスのような小説です」

        植松聖は在日朝鮮人である。 彼は朝鮮学校を出て私設汲み取り屋になった。 日本には、まだトイレが水洗式でない地域があり上松聖はバキュームカーで、そういう地域を回って便壺の糞尿をバキュームカーで汲み取った。 彼は発達障害なので朝鮮学校の発達障害児クラスに入った。 上松は下手糞な小説を書いていたが将来は芥川賞をとって小説家になれると確信していた。 上松は小説を書くと、それをクラスの皆に読ませた。 上松の書く小説は、つまらなく内容のないものなので誰も褒めなかったが上松は極度の誇大妄想

        • 野球小説(浅野浩二の小説)

          山野哲也は子供の頃から野球が好きだった。 小学生の時からリトルリーグで湘南パイレーツというチームに入って投手として活躍した。 同じチームに田中健二という少年が所属していた。 山野哲也と田中健二は親しい友達だった。 二人はともに投手になりたがった。言うまでもなく野球で一番、目立って格好いいのはピッチャーだからである。 しかし哲也は、才能があるのか、運動神経がいいのか、頑張り屋なのか、コントロールが抜群で、しかも、ストレートも速かった。 なので対抗試合では勝つために哲也がピッチャ

        からかい上手のエリート税理士の佐藤さん(浅野浩二の小説)

          給湯器(浅野浩二の小説)「アパートの隣に引っ越してきた女との恋愛小説です」

          僕が今の賃貸アパートに引っ越してきたのは3年前である。 僕は医学部を卒業した後、千葉県の研修指定病院で2年研修した。 その後、藤沢市の藤沢北部病院に就職が決まり藤沢市に引っ越して来た。 どこのアパートを選ぶかは迷ったが図書館を使いたいため図書館に近い所にあって賃貸料も比較的、安い所ということで細井ハイツというアパートに決めた。 そして僕は生活し始めた。 月曜日から木曜日まで、四日、病院で勤務して金土日は図書館で小説を書いた。 最寄りの駅は湘南台駅で、ここは横浜市営地下鉄ブルー

          給湯器(浅野浩二の小説)「アパートの隣に引っ越してきた女との恋愛小説です」

          車輪の一歩「車椅子の少女と野球少年の恋愛小説です」

          これは1970年代の話である。 1970年代にはまだ今のようなバリアフリーはなかった。 ・・・・・・・・・・・・ 「さあ。いよいよ第××回、××オリンピック、女子バレーボールの決勝戦です。日本対アメリカ。泣いても笑ってもこれが最後の試合です。日本は強敵アメリカに勝つことが出来るでしようか?」 アナウンサーの声は緊張していた。 「木村さんはこの試合をどう予測しますか?」 アナウンサーが解説者の元オリンピックの木村香織に聞いた。 「そうですねー。技術ではアメリカが有利ですが、日本

          車輪の一歩「車椅子の少女と野球少年の恋愛小説です」

          ごはん島物語「無医村の離島に医師が行く小説です」

          日本の近海に小さな離れ島がある。 その島は、ごはん島といって日本に属さない独立国だった。 そこには人口100人程度の人が住んで村社会を営んでいた。 無名の小さな島なので日本では、あまり知られていない。 いつから、この離れ島の村社会が出来たか、その起源はわかっていない。 しかし、一説によると、平家の落人が源氏の追手に殺されないように逃げて来たのが由来という説もある。 ここの村社会では、皆が農耕を営んで自給自足の生活をしていた。 しかし、この村社会には、昔から一つの風習があった。

          ごはん島物語「無医村の離島に医師が行く小説です」

          タコ星人(浅野浩二の小説)

          ある日のことである。 僕は妹と家の裏山に登った。 早朝で誰もいない。 すると驚いたことに、山の頂上に大きな円盤があった。 まるでマンガで見るようなUFOのようだった。 円盤の回りでは、何匹もの赤いタコが地上の様子をカメラで撮っていた。 あるタコは、地面の土を採集したり、別のタコは雑草を取ったりしていた。 タコは手が八本あるので、その八本の手を器用に使っていた。 僕と妹は、身を伏せて、タコ達に見つからないようにして彼らの行動を観察した。 「うーむ。地球は我々の惑星より、はるかに

          タコ星人(浅野浩二の小説)

          小説・倉橋敦司(浅野浩二の小説)

          名古屋市に10億円かけて作られた大豪邸がある。 この家の主人は倉橋敦司といって児童文学・ラブコメミステリー小説、の日本で第一人者の倉橋敦司という男である。 分筆活動だけではなく倉橋敦司は絵も描けた。 一時は漫画家になろうと思ったこともあるほどなので倉橋敦司の絵は上手かった。 その絵は、子供の頃から描いていただけあって、輪郭がはっきりしていて、そして現実感があって、そして健全そのものだった。 倉橋敦司は子供の頃から読書が好きで、日本の純文学や外国の作品も多読していた。 倉橋敦司

          小説・倉橋敦司(浅野浩二の小説)

          浅野浩二の自分史②(浅野浩二の小説)

          「終戦の詔勅下る。多数殉忠の将士の跡を追い、特攻の精神に生きんとするに於いて考慮の余地なし」(最後の特攻隊員)  子供の頃から不安だった。自分は何のために生きているんだろう。寄りすがれるものがない、拷問のような恐怖感。生来、体が弱く、一日というものが、まるで人生の一生のように感じられた。夕方になると、一日の疲労が出てくる。夜は死を予想させた。明日、生きてられるという保障はない。いや、明日が必ず来ることは分かっている。しかし、明日何をすればいいというのだ。今日、何をすればいい

          浅野浩二の自分史②(浅野浩二の小説)

          浅野浩二の「性欲」自分史(浅野浩二の小説)

          「余計な前書き・・・前から性欲に焦点を当てて自分史を書きたいと思っていた。以前に何回か書いてみたが、あれもこれも書きたいと欲張って収束がつかなくなって書けなかくなってしまった。私のような異常きわまる性欲の精神史の人生を送ってきた人間は、まずこの世に二人といないと自負している。そして、それは単なる私の属性の一つとしての性欲史ではなく、私の持って生まれた宿命、感性、意志、決断、人生に対する私のスタンス、など私の全てを規定しているものだと思っている。今回、簡潔に纏められて書けたこと

          浅野浩二の「性欲」自分史(浅野浩二の小説)

          イエス・キリスト物語・第6話(浅野浩二の小説)

          イエスは、パレスチナのヨルダン川西岸地区南部のベツレヘムという所の馬小屋で生まれました。 父親は、ヨセフという大工で、母親は、マリア、という女性です。 人間は、男と女の、セックスによって生まれてくるはずですが、イエスは、なぜか、セックスによらずに生まれました。 このことはユダヤ人の王であるヘロデ王の耳にも届きました。 ヘロデ王は、イエスがユダヤ人の王となって、自分は王の座を奪われることを、おそれました。 そのため、ヘロデ王はベツレヘムに住む2歳以下の子供を皆殺しにしました。

          イエス・キリスト物語・第6話(浅野浩二の小説)

          うらしま太郎と桃太郎(浅野浩二の小説)

          うらしま太郎、と、桃太郎、は、大学時代の同級生である。 二人は、慶応大学の経済学部で、ゼミも、一緒にやったりして、また部活も、同じテニス部、で、非常に仲のいい友達だった。 二人は、いつも、 「教授の金子勝先生の授業は、安倍政権の批判ばかりで、経済学、は、全然、教えてくれないからなー。やんなっちゃうよなー。せっかく、経済学、を、しっかり勉強しようと思って入学したのに」 「まあ、先生も、今年で、定年退官だからな。次の教授は、きっと、真面目に、経済学を教えてくれるだろう。それまでの

          うらしま太郎と桃太郎(浅野浩二の小説)

          憲法改正(浅野浩二の小説)

          ついに地球は、西暦2000年を、向かえた。 西暦2000年は、日本では、小泉純一郎政権から始まった、と言ってもいい。 (正確には、小泉政権が始まったのは、2001年4月26日、からであるが) その前の、森喜朗総理は、「日本は神の国」、発言の失言で、自民党の支持率は18.4%まで、急落した。 野党は内閣不信任決議案を提出した。 自民党で、森喜朗に代わる総裁選が行われた。 小泉純一郎は、自民党を派閥の構造を嫌い、「自民党を変える。変わらなかったら、自民党を、ぶっ壊す」、と、派手な

          憲法改正(浅野浩二の小説)

          羅生門(浅野浩二の小説)

          ある日の暮方の事である。 一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。下人は、永年、使われていた主人から、解雇されて、行くあてが無く途方に暮れていたのである。 広い門の下には、この男のほかに誰もいない。何故かと云うと、この二三年、京都では、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云う災いがつづいて起こり、洛中はさびれ、羅生門もボロボロにさびれてしまっていた。するとその荒れ果てたのをよい事にして、羅生門には、狐狸が棲すみ、盗人が棲み、とうとうしまいには、引取り手のない死人を、この門へ

          羅生門(浅野浩二の小説)

          復讐の彼方に(浅野浩二の小説)

          ある日のことである。 坂本哲也は図書館で小説を書いていた。 図書館は午後5時で閉まる。 坂本哲也は大抵、午後5時まで図書館にいる。 図書館では午後4時30分に、「図書館はあと、30分で閉館になります。貸し出しの方は、お急ぎ下さい」という館内放送が流れる。 それでも坂本哲也は、ねばる。 体調のいい時は30分でも、かなり書ける時も多いからである。 その日もそうだった。 午後4時50分つまり閉館10分前になって、「本日は、あと10分で閉館になります。ご利用ありがとうございました。ま

          復讐の彼方に(浅野浩二の小説)