司法省民事局

好きな言葉「私はベイルートにいる」 尊敬する人「カルロス・ゴーン」

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最近の記事

法制審議会家族法制部会は子どもの視点に立った検討が出来ているのか

 令和3年(2021年)3月10日の第204回国会・衆議院法務委員会において、公明党の大口議員の質問に答える形で、上川法相は、法制審議会の子どもの視点に立った検討に資するため、父母の離婚を経験した男女、合計1000人を対象にアンケート調査を実施し、公表に向けて結果を分析中であると発言しました。  この調査結果は、令和3年3月12日に公表されましたが、法制審議会家族法制部会の議事録を読む限り、この調査結果を踏まえた議論をしているようには思えません。寧ろ、自分たちの主張を通すため

    • 一律単独親権制度下で公的機関の養育費履行確保は実現できるのか

       今日、日本のひとり親家庭の多くが貧困に喘いでいる。その要因の1つとして、養育費受給率が低位であることが挙げられる。養育費支払が低調な理由には、離婚時点で別居親と子どもとの関係を清算する一律単独親権制度とその制度に基づいた養育費政策にある。  欧米諸国では、婚姻状況の如何に拘らず、父母は子どもの養育に責任を持つという理念が確立しており、「親権」という用語も「親責任」に改め、離婚後も親責任を継続する、所謂「原則共同親権制度」に移行、養育費支払と親子交流を義務付けた。そして、その

      • 家庭裁判所のリソースは不足しているか

        この記事は、平成6年(2023年)11月16日 第212回国会(臨時会)参議院法務委員会における、伊藤孝江議員(公明党)・質問答弁を文字起こししたものです。 佐々木委員長:伊藤孝江さん。 伊藤議員:公明党の伊藤孝江です。今日も宜しくお願いします。裁判官の人員について、まずお聞きしたいと思います。あの、裁判官の人員につきましては、判事、判事補をあわせて令和3年度は増減なく、令和4年度、令和5年度と減らしてきている。で、また令和6年度に向けても増員をしないという方針をお聞きして

        • 家族法制の見直しに関する要望案の取りまとめに向けたたたき台⑵に関する意見

           法制審議会家族法制部会第32回会議にて法務省が提示した「家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台⑵」(以下、「たたき台⑵」)について、意見を述べる。  たたき台⑵は、たたき台⑴の修正版であるが、たたき台⑴の骨格が維持されているため、個々の試案毎に意見を述べても前回の意見の繰り返しになる。  そこで、今回は、たたき台⑴からの主な変更点とたたき台の骨格について意見を述べることにした。 1 たたき台⑴からの主な変更点と変更点に対する意見⑴ 親子関係に関する基

        法制審議会家族法制部会は子どもの視点に立った検討が出来ているのか

          Problems with parent-child interaction procedures currently under consideration in Japan (English version)

          This article introduces comments received from Dr. Ken Lewis, a prominent American custody evaluator, in response to the "basis for compiling Draft Outline" presented by the Ministry of Justice to the Family Law Subcommittee of the Legislat

          Problems with parent-child interaction procedures currently under consideration in Japan (English version)

          現在日本で検討されている親子交流手続きの問題点(日本語版)

           この記事は、法務省が法制審議会家族法制部会に提示した「要綱案たたき台」に対してアメリカの著名な監護評価者であるケン・ルイス博士から頂いたコメントを紹介するものです。  ケン・ルイス博士のプロフィールは以下の通りです。 立法の流れ諮問の目的(上川法務大臣の発言要旨)  近年,父母の離婚に伴い,養育費の不払いや親子の交流の断絶といった,子の養育への深刻な影響が指摘されている。また,女性の社会進出や父親の育児への関与の高まり等から,子の養育の在り方も多様化している。  このよ

          現在日本で検討されている親子交流手続きの問題点(日本語版)

          「家族法制の見直しに関する中間試案」に関する意見の提出

          Catherine Henderson氏より公開された、オーストラリアがパブコメに提出した意見をノートに転載しました。  オーストラリア政府外務貿易省及び司法省は、共同親権案の検討を含む、法制審議会家族法制部会による家族法制の改革に向けた取り組みを歓迎する。オーストラリア政府は「家族法制の見直しに関する中間試案」に意見を述べると共に、両親の離別後、子に対する親の責任を共有するオーストラリアの原則について情報を共有する機会を歓迎する。 子の権利と最善の利益についての根本的原

          「家族法制の見直しに関する中間試案」に関する意見の提出

          家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台⑴に関する意見

          令和5年(2023年)9月3日  令和5年(2023年)8月29日に法務省ホームページの「法制審議会家族法制部会第30回会議(令和5年8月29日開催)」に掲載された部会資料30-1「家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台⑴」(以下、たたき台)に関し,以下に意見を述べる。 1.たたき台に対する評価 部会資料30-2「家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台⑴ (補足説明付き)」(以下、補足説明)は、検討の視点として⑴子の利益、⑵DV等に

          家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台⑴に関する意見

          家族法制の見直しに関する中間試案に関する意見

          家族法制の見直しに関する中間試案に関する意見 令和5年(2023年)1月7日  令和4年(2022年)12月6日に公示された「家族法制の見直しに関する中間試案に関する意見募集」に関し、以下に中間試案の考え方、各項目に対する意見を述べる。 1.考え方に関する意見 法務省民事局参事官室「家族法制の見直しに関する中間試案の補足説明」(以下、「補足説明」と記載)に「児童の権利に関する条約の批准後の状況等を背景に、国内外から様々な指摘がされており」 と記載されていることから分かる

          家族法制の見直しに関する中間試案に関する意見