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「肋骨異常を伴う先天性側弯症」と「心房中隔欠損症」が判明した経緯②

↓の続きだよ!

救急外来に到着すると、すぐに小児科医や看護師によって処置が始まった。と同時に、娘の容態と事の経緯を確認された。
努めて冷静に答えたあと、「今から検査のために採血するので、お母さんは待合室で待っていてください」と指示され、看護師に待合室へ案内された。

待合室に向かう途中、処置室から娘の叫び声にも似た泣き声が聞こえてきた。
熱で朦朧としている中、突然注射針を刺されてびっくりしたんだろう。
側にいてやれないもどかしさで、涙ぐんでしまった。

何分かして、看護師がパタパタとこちらに駆け寄ってきた。
何かあったのかと下ろしていた腰を上げると、「お子さん、気管支炎か肺炎の疑いがあるので、どちらか判断するためにレントゲン撮影を許可していただけますか」と質問された。

熱性痙攣で救急車を呼んだのに、そしてその直前に単なる風邪と聞いていたのに、気管支炎もしくは肺炎になってるかもしれない…!?
「え、あの、でも、放射線とか、小さい子って…」と、予想していなかった質問とレントゲンと聞いて反射的に思い浮かんだ被爆の心配に、まとまらない返答をしてしまった。
そんな私に「10分ほど待つので、その間によく考えてご返答ください」と言い残し、看護師は再び処置室に戻っていった。

すぐに夫に電話をして、「それぞれレントゲンの安全性について調べて、10分後までに意見をまとめよう」と方針を決めた。
その結果、「被爆量よりも適切な治療を受けられない方がリスクが高い」と同意見だったため、撮影をお願いしたいと看護師に伝えた。

準備が整うまで娘のそばについていてよいとの許可が出たので、処置室に戻った。
解熱剤が効いたようで、娘はストレッチャーの上ですやすやと眠っていた。
風邪じゃなかったなんて…痰が絡み始めたときに病院に行くべきだった…近所のクリニックじゃなくて小児専門の病院に行けばよかったかも…と娘の頭を撫でながらぐるぐると考えていると、簡易的なレントゲンの機械がゴロゴロと近寄ってきて「お母さん、少し離れてください」と看護師に促された。
てっきり撮影室に移動するものだと思っていたので少し呆気に取られているうちに、技師が手際よく1枚撮影した。

その直後だった。
小児科医がレントゲン写真を見ながら私に一言、「お子さんの骨、ちょっと変ですね…」と告げ、私にも写真が見えるようモニターの向きを変えてくれた。

娘の背骨が、胸のあたりでくの字に曲がっている。
胸のあたりの右の肋骨が数本、歪な形をしている。
医学的な知識が皆無の私から見ても、明らかに異常とわかる形態をしている。

一帯の空気から何か感じ取ったのか、救急外来の周辺にいた他の医師や看護師たちも集まってきていた。
「…とりあえず、気管支炎と判断できました。数日間の入院が必要なので、病室の手配をしますね。骨の件については、整形外科に連携します。」と小児科医が神妙な面持ちで話す傍らで、私は落ち着きを取り戻していた。

さっきまで、熱性痙攣や気管支炎で苦しそうにしている娘を前におろおろとするばかりだった。
でも、そのような一過性の病気ではない、もっと大がかりで長期的な治療が必要になりそうな異常を前に、私がしっかりしなければ、と静かに気持ちの舵を切っていた。

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③に続くよ!

今のところ、一週間に一記事アップが精一杯のペースかなぁ。
夫婦ともにフルタイム共働きで子育て中なので、なかなか記事を書く時間が取れず。
書きたいことはたくさんあるのだけど。


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