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並列計算できない頭

たくさんのことを同時に考えたり、こなしたりするのが苦手だと痛感したのは、いつだっただろうか。


初めて痛感したのは、車の教習所に通っていた時だ。マニュアル車の免許を取ろうとしていたんだけど、運転が苦手すぎて、教官からオートマ車に変えることを打診された。

マニュアル車は、クラッチペダルを踏む行程が増える分、注意力がそちらにもってかれる。外からの情報を処理して、速度を変えたり、進路を変えたりするだけでもいっぱいいっぱいなのに、ここでクラッチぺダルを踏む作業が増えるなんて、そりゃあ頭がパンクする。

余裕がなさすぎて、教官が雑談をしても、「そうですね」と適当にあいづちをうっていた覚えがある。安全第一だと、教習所の座学で習ったもんね。



もうひとつは、学食でバイトをしていた時だ。大学の学食には麺・丼物コーナーがあり、そこの担当をやる日は、もうそれはそれは大変だった。

ラーメン・うどん・そばといった麺類を茹でながら、それを待っている間は、カツ丼・親子丼といった丼物を同時並行で作る。お客様の注文を聞いて、それをひたすらこなしていかないといけない。

長蛇の列ができた時は、さばききれなくて、カツ丼の卵とじカツが少し焦げてしまうことがあり、お客様に「申し訳ありません」とよく謝っていた。麺類の方も、具材の乗せ方が雑になってしまい、見栄えが悪くなったこともよくあった。煮卵が変なところに、置いてあるよ。


学食のパートで入っていたおばちゃんにも、「もう世話が焼ける子ねぇ」なんてイジられながら、なぜか麺類・丼物コーナーによく回された。もっと適性がある人がいたと思うんだけどなぁ。

学食よりもせわしなく動き回る飲食店があるので、それを想像すると、ゾッとする。居酒屋とかをバイトでやったら、たぶん数日で戦力外通告を受けるだろう。



これらの経験があって、自分は同時に何かを考えたり、何かをすることが苦手なんだと、思い知らされた。

今年の春から新卒で働く会社の業務は、どうなんだろう。じっくり考える時間がある仕事であることを、願うばかりだ。

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