2023年映画備忘録メモ

2023年に見た映画の備忘録メモ
当時の感想サルベージしました。時間かかった……。


・フラッグデイ

ショーン・ペンの演技力というか見た目の変化が凄い。
流石に、幼少期の頃の父親像としては年老いている感じはあったものの、40後半〜70前半になったであろう、という一人の人物の年齢の差が分かるのはすごい。演技としても、メイクにしても。
ストーリーは正直よくわからない。一本筋の通った何かではなく父が死ぬまでの回顧録。
人が生きていくうえで、一本としての筋の通ったところを、生き方を変えられない人間も、変えられる人間もいて。それが親だとして、子は子で、親の選んだ生き方を選ぶか、自分の選んだものを選ぶか、そのどちらに行くかはとどのつまりその人次第で。親子であったとしても、人は人。私は私、ってところですが、親に振り回される子はたまったもんじゃないよな~~~~と主人公の荒れた時代とかを見ちゃうと思う。子供が荒れる原因は家庭環境が大きいのでね……。

・タイタニック 3Dリマスター版

3Dになる際に、字幕の表記も微妙に画面から浮いて見えるので少し酔うかも?と思ったけど意外と慣れた。タイタニック号でっけーーケイト・ウィンスレット美美美美美カメラワークに何か特徴があるとかでもないのに、見やすい画作り徹底してるジェームズ・キャメロンのセンス怖怖怖怖となった。視線誘導が完璧ですね。
ジェームズ・キャメロン作品の良いところは、映画としてとても見やすいし、今の何?みたいなシーンが一つも出てこないところ。
それがこえーよ……。この……何……徹底した無駄のなさ。この辺りのバランス感覚がすごすぎるし恐怖すら感じる。見ていてここ必要? と思ったシーンも、後からちゃんとスパイスとして効いてくる。タイタニックは上映時間が長いですが、その長尺のなかで全く何一つ過不足がないところが怖い。洗練されている。お手本のような作りですね改めて見て思うと。

・イミテーション・ゲーム

エニグマ解析の偉業を成し遂げたアラン・チューリングの映画。コンピュータの始祖の話。 ベネディクトカンバーバッチ演じるアラン・チューリングはASDであることが示唆されていて 映画だとまぁ分かりやすく描かれている THE イギリス!って感じだね。
第二次世界大戦のMI6なので前線には出ないし、戦争物あるあるの、露骨に精神的に分かりやすくしんどいなあ、となる描写はないけど。命の選定をしなければならない側、大局を取るための判断をせざるを得ない側の、その中の末端の人達って、絞首刑実行するときのボタン押す係と似通うな〜 とぼんやり思った。

・ブレードランナー

多分昔見た気がするんだけど、と思いつつ見た。設定された舞台が2019年であることに冒頭に驚く。今更ながら、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?が原作だったと気付きもした。本当に今更。あと日本語の登場率高い割に、いやこれ香港だな?と思うような町並みで面白いですね。西洋人視点のエセジャパン・エセアジア。
作品制作当時の80年代のから40年近く経った2020年代の今でさえ、ブレットトレインとか、予告見るだけでわかるレベルのエセジャパンを、エンタメの形として出してくるあたり、なんかこう…… 西洋人から見た日本含め、アジアの描き方ってブレードランナーで構築されたイメージから進化してないんだなーと思ってしまった。いや映画の本筋はここじゃないんだけども。
SF映画に出てくる近未来タウンの町並みのビジョンのベースになっているのがこの映画か〜! と感じたし(アジアのネオン街がサイバーになった感じね)
じゃあちゃんと、今の日本を舞台にした映画を作ったのなら、日本の風景に即しなよ……と思考が飛んだのであった。

・劇場版銀河鉄道999

私は実は冒頭しか漫画を読んだことがないのですが、鉄郎が旅に出る冒頭部分が漫画と違っていてそうなるんだ!?ってストーリー展開だった。
キャプテンハーロックを履修していたおかげで、ハーロックのあれそれってそうなの!??となることが多かった。映画版は青春ジュブナイルなんだな〜。
改めて思うけど野沢雅子の演技が上手すぎてびっくりする。正直展開が割と急展開で結構前後の説明なしにぶつ切りな感じで続くので、場面が展開するたびにえ、ええー!?って流れに付いていくことに戸惑うことが多かったんだけど。鉄郎の感情が伝わってくるので、お、おぉ……じゃあ次行くか……。となる。鉄郎が良いなら良いか、みたいな。そういう風に視聴者側の感情を引っ張り上げてくれる演技でした。すごいね。

・ビルマの竪琴(1956年版)

本作のこと、カラー版しか知らなかったので、あれ?白黒映画だったっけ?と思ったけど 85年にセリフリメイクしていた、という背景を初めて知りました。
終戦が1945年で、その11年後に撮られた映画なわけだけど。戦後10年ちょっとだから記憶や記録は鮮明に残っていて だからこそ、生々しさのある映画だった。
音声が一部聞き取りにくくて でもそこが、映像の世紀で見るような質感を伴っていて。そうだ、軍人はこんな喋り方をするんだった……と思って見ていた。現代において、WW2をテーマにした戦争映画を作ろうとしても、あの話し方をする役者も、そうディレクション出来る作り手もいないな、と感じました。
ミャンマーの人たちの気持ちはあくまで日本人からみた描写になっていて、実際のミャンマーの人々がどう思っていたかは想像に過ぎないし、作品のために切り取った部分だけかもしれないけど。水島を諭す僧侶の、「ビルマはビルマなのだ」の一言にハッとさせられた。 水島の葛藤は、そんなビルマの土地を一人で歩いて見てきたからこそ生じたもので、あの土地に残るという選択をしたのも無理からぬものだなぁと思った。
アカデミー外国映画賞を獲った作品ですが、この質感はたしかに 西洋文化では出せない味だな……と思って見ていた。私がキリスト教・イスラム教・ヒンズー教圏の空気とか文化を上層では分かるけど本質では理解出来ていないように、日本で生まれ育った人には根付いている仏教感を内包し、本筋とする映画だった。
(追記)
日本に帰らないという選択をした水島の姿が、当時、戦争後に戻らない人たちを思う人たちの投影になっているのだな、とも思っていて。戦死したのだとはきっと分かっているけれど骨も何も帰って来なくて。そんな中でこの映画を見て、ああ、あの人もきっとこの水島のようにその土地に残るのを決めたのだろうな、とそう投影できるカウンセリング的作品でもあったのだろうな、と思います。

・Everything everywhere all at once

Twitterであらすじを見てからずっと気になっていた映画で、今年(2023年)のアカデミー取ったこともあり期待していた本作。うっかり泣いてしまった。でも、これで泣けるかどうかはその人のバックボーンによるので、なんで泣いたんだろう?と思う人はそのままでいてください。
SFあり!アクションあり!夫婦の愛あり!親子の軋轢あり!で、ラストいきつくところに行き着いて良かった。私はあまり母と反りが合わない……というか……。うちは、兄弟3人とも、幼少期から母親から精神的・身体的虐待を受けたりしていて。それを乗り越えるのに結構苦労していたこともあり、エブエブには泣いてしまいましたね……。
ちゃんと色んな視点が混ざって構築されている映画で良かった。何処か一つだけに注視して、そこに沿って作っているのではなくて。ちゃんと、エヴリンに関係する人物にスポットライトが当たっていて、それがとても良かったと思う。主人公はエヴリンなので彼女の視点が主にはなるのだけど、映画としての作りと、人生の主役はその人だから、というメッセージがうまく両立していて良かった。
映像の作り方とか結構斬新だったので、これでアカデミー賞取ったのは正直意外でした。とはいえ、これだけのたくさんの要素を盛り込んで破綻のないストーリーとして仕上がっているのは本当に映画としての完成度が高いので、これに何らかの賞をあげないのは不思議だし、逆に言うとアジア系の俳優が主役であったとしても、賞を与えることが出来る土壌が育っていると思います。それが与えられるだけの傑作ですよ。

・テーラー

ギリシャ(アテネかな?)の紳士服の仕立て屋さんが主人公の映画。最初舞台はイタリアかと思っていたけど、荒れている銀行の様子とか見て、いやこれはイタリアじゃないな、と気付き、地名が出てようやくギリシャと認識できた。財政破綻するとこうなるのか、ギリシャのお国柄か分からないけど、どこの国であっても、銀行といえばきちきち、としているというか……きれいな印象があるので、それがまるっと違っていて面白い。
出てくる街並みも、都会から田舎の方まで様々で。世界各国、住宅地ってどうしてか「こういう」雰囲気なんだよなぁ、と思ったり。安易なロマンス方向に振らないで欲しかったなぁ、と思う。結末はそれでいいと思っていますが、その間に差し込まれたものは個人的には不要だったなぁと思う。
人と人との関係で、同じサークル内(所属する環境という意味です)にいると、そういうことが往々にしてあるのだろうけど。現実から離れて見ていたのに急に俗っぽくなって萎えた、みたいな、そういう感じだな。

・ダンジョンズ&ドラゴンズ

正直に言うとね、面白い。面白い作品ではあるんだけど……。なんだろう、BTTFとかインディージョーンズレベルの面白さを期待して見ちゃったら出てきたのがゴーストバスターズだった、みたいな。
いや面白いよ、 面白いんだけど〜〜〜〜! 星5ではない面白さみたいな感じ。
これは私がハードル上げすぎましたね完全に。ストーリーとかにストレスはないし、見ていて気になった疑問がすぐ解消されるので、テンポも良いし、良作ではある。
良作であるがゆえに、意図せぬ形で出逢えてたらもっと評価高かっただろうな〜!!!と思った。勝手にこちらがハードルを上げすぎましたね……。
最近、ザファとかRRRとかエブエブとか前評判良くて臨んで見たものがやっぱり良かった!ってパターンばかり経験していたので……。
良い意味で、あーーうん。良作。良作ではある。と、思いつつもこう……跳ねきれない何かがある。なんだろうな〜。全体として良いのだけど、何かが不足してる感がある……。なんだろうな。
面白いしオススメはできるんだけど、うーんなんだろう……。この手のファンタジー系のもので、人に勧めるときに一本目に出てくるか?と言われると、出てこないラインなんだよな……。
グレイテスト・ショーマン、キングスマン辺りと同じくらいなんだよな〜。個人的に入ってる枠が。
(追記)
ミュージカル映画やスパイ映画とかで真っ先におススメするものとして、雨に唄えばやロシュフォールの恋人たち(本当はオズの魔法使いも入れたいけど児童虐待の背景とか知ると……ね)007のドクター・ノオ、M:Iの人間なので、そういう人間が評価するとこれはその枠って感じです。

・岸辺露伴ルーブルへ行く

原作だと曖昧になっていた部分が確定することでジョジョ主人公みたいな血筋故のあれそれのストーリーラインに乗るのが完全にジョジョだった〜。木村文乃のあの怪しい美しさは若い露伴ちゃん惹かれちゃうよね分かる〜となる一方で、木村文乃のメンタルが不安定な美しい女の演技できるのすげえや!となった。
ジョジョあるあるメンタルのギア急にどうした?ぶっ壊れたか? みたいならしさのラインを維持しつつ美しいのには恐れ入りました。泉くんは色んな意味で強いのでそのままの泉くんでいてくれ。フランス語当然のようにお喋りするので語学力たっけぇなオイとなる。
バックがルーブルなのに、あのジョジョ特融の奇抜なデザインの衣装とかが全く浮いていないのが凄い。……だからこそ、今回割と重要なシーンでほつれた糸がぴょこんと出てるのに気付いてしまって、あーーあー!!これはカメラテスト気付かなくてゴーサイン出したやつだ……!となった。円盤になる時の修正点ですね。
原作のコンパクトさを2時間の尺にするに当たって、なるほどそこを詰めたのね、となったのですが。ルーブル周りのアレそれもうちょい尺使っても良かったんじゃない!?と思いました。
人によって感想変わるだろうけど、私はミステリ好きなのでここに厚みあるほうが好きだけどジャンルとしてミステリか?と言われるとそうではないから……。
総じてTVシリーズと同じクオリティのものが映画としてちゃんと出てきたので満足。映画版だから過剰に〇〇盛っておいたよ!みたいな空気に合わない作品だと思っているので そこが無くて良かったです。
良かったけど最後に一つだけ。絵画の取り扱いもうちょっとなんとかならんかった?????

・怪物

やはり映画の2時間尺と坂元裕二脚本相性悪いな〜って感じました。でも坂元裕二独特の台詞で見せるものにはなっているので、もう少しタイトに詰めて良かったんじゃないかな〜感はある。あとですね、全体的に学校教育現場の取材が甘い。時代設定をいつとして想定しているのか……。
スマートフォンを小学生が持てるほど、というのを鑑みると2010年代後半以降であることは確実とは思われますが、身内に小学校教諭がおり、かつ私自身教員免許を持っていて、学校教育についてある程度アンテナ張っている身としては、いやーーそれは……その対応は現場としては確実にやらんやろ……。今は令和5年ぞ…………というラインを踏み抜きまくっていて……。
星先生とか校長とか、教員としての素質をまじで疑うね。そりゃあ今でもああいう学校現場があるのかもしれないけど、現代を設定していて、平成中期頃くらいの学校現場っぽい環境を想定している、そこの温度差が気になったわ……。だったら現代設定辞めたらよかったのに。
ここは確実に保護者連絡入れるライン、ってところで学校側から何一つ対応ないの、オイオイオイオイって感じなんすよ……。ここに関しては悪いけど、んー?ファンタジーかな?って感じだった。もう少し……こう……現場によったリアル感を出してほしかったわね……。テーマがテーマなだけに。
リアルにしなきゃいけないところをエアプで描いた結果、そりゃこういう結果になるのは仕方なくね?みたいな帰結になるのがもやっとするというか……。
そこはエアプじゃなくてしっかり描いた上で、それでもこうなってしまった、を描くかは説得力に違いが出ると思っていて、そういう意味で説得力のない展開になっていたのがね〜。
予告とかトレーナー映像で出ていたシーンどこなんだろ、と思ったらそこに持ってくるんだ!?という驚きはありました。
あとは展開が読めるというか まぁ今までこうだからそらそうなるわな、みたいな……。

・インディ・ジョーンズと運命のダイアル

字幕で見るつもりが間違って吹き替えで見ちゃった。そしたらですね……タイトルロゴがダサすぎて……(ディズニー特有の翻訳配慮のアレね)。
思わず は?ダッサって呟きが溢れてしまったレベル。こういうのがあるからやはり映画は字幕に限るわ。内容はちゃんとインディ・ジョーンズ!(ただし終盤を除く)
それまではちゃんとインディ・ジョーンズしていたと思いまうす。インディ・ジョーンズ見に行ってインディ・ジョーンズが出てくるのはほんまうれしい。終盤は除くが。じゃあインディ・ジョーンズとちゃうやん!ってなるんですけど……中盤まではインディ・ジョーンズだったよ……。
スピルバーグならああはせんな……って選択だったと思う。ナチスには何やっても良いの風潮酷いわね。VFXの技術すごくてビビる。ハリソン・フォードの皺取りの加工が自然すぎる……。
アクションシーンはほぼおそらくスタント代替だけど 歩くシーンとかはほぼ本人なのが分かる。その分アクションはインディでなく、ヘレナとテディに分散していたのは良かったですね。

・君たちはどう生きるか

見てきた。ふつーーーーーーに面白かった。確かにストーリーは不明瞭だし、どういうこと?とはなる部分多かったけど。
これは直接的で明快なストーリーを作らなくなっていって、それが顕著に出ているハウル、ポニョ系統の宮崎駿作品だし、だから賛否分かれている気がする。原液と言われる所以。
ストーリーとして動かす物語よりも、登場人物の心情を描写から浮き上がらせる方向の物語の作りをしているのが2000年代以降の宮崎駿作品だと個人的に思っていて、純文学とかに近いんですよね。作品の構造が。
だから難解だし分からない、正直一発で分からせる気もない。そんな印象を受けたな〜。
冒頭のVFXの効果がジブリっぽくなくて、え〜なにこれ新しいと思ったら制作にufotable入っていて納得だった。
個人的に好きなシーンは、螺鈿のような美しいキラキラの反射が出ているところ。アレはIMAXで見たら色調また違って美しく見えるんだろうな~。今回は本当にキラキラした色の描写が美しかった。
父親と真人さんの間のディスコミュニケーション由来の真人さんの自傷行為なわけですが 父親の帰宅した時の靴を揃えない描写だったり、車の運転が荒いところだったり、自分の財力を誇示するようなところとか。そういうところの積み重ねに成金というか、旧家の出ではないんだろうな、というのが察せられる描写になっていて、こういうところも 多分 真人さんは「嫌」なんだろうけど、嫌とは言わないんだろうなぁとか。
ていうか昔の家では良くあることだけどやっぱ姉妹を宛てがうところとか……そういう複雑な家庭環境と、真人さんの年代だからこそ起こる自分の感情をうまく表出できない描写の説得力強すぎてびっくりよ……。
時代設定は駿の趣味といえばそうなんだろうけど、多分この手のうわー……みたいな家庭環境の設定を納得させるために、この時代に敢えてしたんだろうな、と思う。
君生き、率直な感想としては マーニーを駿が味付けするとこんな味なのね、かも。そんでもってマーニーより遥かに面白い出来にしてくるところが駿の才能マンなところ。
個人的には割と好き寄りの映画だけど、ハウルタイプで何回も見て考察深めて、あぁあそこのセリフここに掛ってきてんのか……とか噛み砕くタイプのやつっすね。
私はそういう意味ではやっぱ、ナウシカ・紅の豚・風立ちぬのラインがストーリーとして完成度高くかつ美しくて好きだな〜と再認識しました。終わり
終わりといったが、わらわらたちめちゃくちゃ可愛かった。展開すべきグッズはわらわらですわよ。青鷺なんかじゃなくて。情報出せなかったから仕方ないとは思うけど、わらわらでグッズ売ってたら天下取れてるよ。

・ファーザー

見たいな〜と思いつつ今まで見られてなかった。認知症ってこういう世界を生きているのか……を追体験出来る映画。相貌失認の症状を追体験出来る映画フェイシズと似ていて 巧妙に仕掛けがなされている。確か監督自身が舞台用に書いた脚本を、映画にリメイクしているのだけども、介護の経験があるんだろうな、というリアルさがある。子育てと介護どちらもしんどいけれど、出来ることが増えていく子育てと違って、介護では出来なくなっていくことを介助しなければいけなくて。周りの人間のストレスはそちらのほうがかかる、というところが有り有りと描き出されていた。
良い映画だったし、これだけ少ない登場人物でこの爪痕残せるのは役者の演技あってこそなので、2021年のアカデミー主演男優賞と助演女優賞を獲ったのは納得。アンソニーホプキンスは受賞に驚いていたけれど、本当に主演である彼の演技力あってこそ、「認知症」とはこういうことなのだ、が成り立つ作品なので……。

・地獄の花園

バカリ脚本のコメディはそうはならんやろ、が絶妙なレベルでなっとるやろがい!で形作られることが多いわけですが、そこに地に足の付いたシーンを絶妙にちょこちょこ入れてくるのが面白くて笑ったしまう。ラストシーン秀逸すぎてめちゃくちゃ笑ったわ。
広瀬アリス運動神経良いんだな〜ってのと、眉毛全剃りしてあの美しさを保ってる小池栄子すげーーーなってのと、エンケン脚細〜が全部成立するカオスさ。
アホらしいコメディなので頭空っぽで見られるし良い暇つぶしにはなる。永野芽郁ちゃんがもうちょいアクション上手いともっと画面映えていただろうけど、逆にあの感じが良いのかも?

・バグダッド・カフェ ディレクターズカット版

すごい不思議な映画だった。感想が、良い悪いじゃなくて不思議な映画。マイ・プライベート・アイダホを見た時のような、多分きっとこの先も覚えていると思うんだけど、どんな映画なの?と言われるとまとめるのが難しい。内容が無い…と言えばそう。不思議。主題歌が強すぎる気がする
ヤスミンのこと、最初はなんだこのおばさん?って思っていたのにだんだん美人に見えてくるのだから不思議。ヤスミンのおかげでモーテルの皆も変わっていったけど、ヤスミン自身も彼女の険しい表情がだんだん和らいでいったのが印象的だった。
(追記)
2024年の今は配信とかで見られないのかな……見られる内に見といてよかったし、今後もどこかで見たい映画だな……。

・パルプ・フィクション

まーじで、ボスの嫁が薬物でトンでエライことになる以外の内容ほぼ覚えてなくて。見返そうかな〜と思いつつも見た当時あんまおもんなかったな、という記憶があり、中々配信とかでも見る気しなかったんだけど、劇場で再上映するなら見とくか〜って見に行ったらさ……めちゃくちゃおもろかった……。
内容は正直ないのだけど、冒頭の演出とか。え!?こんなだったっけ〜!?の連続で、センスの高さにビビった。そらみんなタランティーノ、タランティーノ言うわな〜。
キャスト陣今となっては豪華すぎてびっくり。ブルース・ウィリス出てたっけ!?と思ったらボクサーの人であーーーーーあったなこれ……………となった。記憶から飛んでた。
エゼキエル章第25章17節。私はこれは 因果応報のことを指しているのかな、と思っていて、神への信仰を認めたから、ジュールスは(多分)生きたまま足を洗えて、信仰をもたなかったからヴィンセントは死んでしまったのかなーと。
しかし、にがー をずっと使っているのがやっぱり引っ掛かっていていて。あーー、うんだから私タランティーノあんま好きじゃないんだよな……となった。94年当時ですらその言葉は使わないわけで、わざとこういう言葉を使う人達なんですよ、って印象付けたいのかもしれないけど。なんだろうな……そのカジュアルな言葉の使い方に、そういう配慮が出来ない作り手なんだな、というのが透けて見えてうわーーーーーーとなる……。
ジミー役でこんながっつりタランティーノ出てました!?という驚きもあった。映画館で見ると、他の観客の笑い声が聞こえてきておもろいな、と思うことあるんだけど、今日いたお兄さん声でかすぎてメチャビビった。一人でその笑い声出せるのメンタル強すぎねえか?終始気になっていた。映画の感想ではないが。
因果応報のことで言うと、ブッチが多分あそこでボスを助けなかったら彼は地の果てまで追われて殺されていたわけで 最初の殺人は彼自身も知らなかったことで 次の殺人は己の身を守るために退けたもの、最後の殺人は己を脅かすものを助けるために行っているのがジュールスの悟りをよりわかりやすくしている。
そういう意味でヴィンセントはなんの罪もない少年を暴発で殺し、それに対してなにか別の禊をやってないので なのでブッチに殺されることになったんだな。第二の殺人として。 うーん、こうやって思い返してみると良く出来ている筋書きだな。
グロ苦手なわけじゃないけどタランティーノが苦手だったの、死ぬべき人が死なない筋書きが多くて、そんでもって唐突に差し込まれる暴力シーンが、いやそれ尺の都合で入れてね?と感じることが多くて。なんだかなーという感じだったのですが、パルプ・フィクションはおもしれえなって思えたわ。
今見たらジャンゴとか面白く感じるんやろか……。高校生の時見てうーーーんとなったが。
(追記)
タランティーノがイスラエル支持を表明したのを見て、あーーーーー……となった。言葉の表現とかでうっすら感じ取っていたところが当たってしまった。

・オオカミの家

前情報としてインプットしたのはTwitter(Xか)でとある映画館の宣伝文句を見た程度のみ 完全教祖マニュアルを少し読み返して復習した程度。で、見たので コロニア・ディグニダのプロパガンダを構想したもの、と思って見てみたら意外と拍子抜けする感じだった。とはいえ、メタファーは多く、あーーこれ自分一人だけだと答え出ないからパンフとかみて答え合わせしなあかんタイプ、という感じだった。パンフは売り切れで買えなかったけど、今回は友人と一緒に行けたので、あれってさぁ……みたいな話ができて良かった。多分これから色々ネット見て感想とか考察漁ると なるほどね〜ってなると思う。
ストップモーション アニメーションという枠で見ると、ぎょっとする作り。
今日はトークショー有りの回で見たので、その辺りの手法についても制作陣側の背景などを交えて知れたので、なるほどね〜と納得することが多かった。完全に意味はわからないけど音聞いただけで、あっこれドイツ語(スペイン語)だ、と(一時期両方の言語を勉強していたから)分かったのだけど、そのおかげで、その辺りの言語の切り替えとメタファーの表現は理論的に組み立てられているのは察せられたし。
そういうヒントも散らばっているので、表層の意味は終えるけど、その裏に隠された第二義はなんだろう?って気になる作りだった。2回目見たくなる、というのは多分こういうところだと思う。
正直パンフほしいな〜と思ったのは久々。逆に言うとこういうのを楽しめないと、んん?となるし、中弛みは結構あるので眠くなるのもさもありなん、って感じ。とはいえ、作りとしては割と斬新ではあり、冒頭から惹きつけられる何かがあるのは確か。
オオカミの家、感想に入れ忘れていたし、友人にも言い忘れていたことがあったんですけど
学習机に貼ってあったシール、趣有りました。平成~~~~~って感じ。アチャモ良いね。

・骨

同時上映で見た10分程の短編映画 正直オオカミの家の作り手の癖というか傾向を知るにはピッタリのものだと思う。同時上映のものが本編より先に来るの珍しいな〜と思ってたけど、今思うと あれ、ワンクッション置いて 慣れろよってことなのかもしれん (知らんけど)
骨は骨で少し複雑で分かりにくいけど、音楽の感じとか。へーーーーそうするんだ……みたいな驚きがある。あの不協和音ばかり奏でているのに、不快感はなく、あまり嫌だな、不吉だな、と思わせない音を選んでいるのが不思議だった。画面はおどろおどろしいのに、さらっと見られちゃう感じが不思議。
チリはスペインの入植を経てるので、カトリック圏(だったはず)で だからこそ火葬は最も忌むべき物と見做されるはずだが、それを選ぶのはすごく、やったったぞ、感が出ていて良かった。婚約の際の逆再生。アレは無に帰したことを意味するのだろうか?

・グッド・ウィル・ハンティング

見たけど備忘録上げるの忘れていたので。マット・デイモンとベン・アフレックの共同脚本物。
最後の決闘裁判を見ているので、あの作品をもって、今作を見ると荒削りではあるんだけど 若い頃にしか描けなかったものが詰め込まれていて、かつその完成度の高さに驚く。
脚本を書いた彼らインテリ側で、そういう人間によって書かれたものなんだけど、マッド・デイモンやベン・アフレックの演技を見ていると、全くインテリ特有の品の良さとか、育ちの良さみたいなのが感じられなくて。
脚本を本当にこの人たちが書いたの?と思わせる。そういう意味でちゃんと役者としての演技ができている。流石といえばそうなんだけど、逆に言うとどこで、あのスラム育ちの育ちの悪い雰囲気を体得したんだろう、と疑問思うほど自然。とても良い演技監督に指導してもらったんだと思うし。あとはやはり脇を固めるロビン・ウィリアムズとかウォレスト・テイカーみたいな良いお手本が近くにいるからだろうな、と察せられる。
私は治安の悪いところ育ちなので、こういうクソガキをよく見てきたけど、まーじで雰囲気まんまコレで。再現力たっけーーとなった。だからこそ、彼がカウンセリングを経て心を開いていく過程の説得力がある。とはいえ終盤の、エイヤって感じは否めない。前半から丁寧に描いていたから余計に浮いた感じ。
でも総じて良い映画だったな 久々にラストがちゃんと希望のあるハッピーな終わりの物語を見た気がする。

・誰も知らない

育児放棄がテーマの映画なので見るとカロリー要るんだろうなと思って見てなかった。是枝作品は淡々と進めていくので、思ったより、ではあるのだけれども。これからもあの生活が彼らには続いていくのかと思うとげんなりしてしまう。大人になりきれなかった大人が子供を産んではいけないというのを、突き付けられる。
私の幸せ追い求めちゃいけないの!?って発言はさ、母親の責務に追い詰められて言ったのだとしたら真摯に響く言葉なんだろうけど。母親の責務を全うとしていない人間が言うにはあまりにも身勝手だし、わがままだろう、と思う。
子供を置いていける人間って結局、子供が出来たとしても人生の主役は自分のままで。だから置き去りにした子供本人に、こういうこと言っちゃうんだろうな〜。あと日本国民は子供に教育を受けさせる義務があるわけですが、義務を放棄した人間から繰り出される、「学校なんて行ってどうするの」がキツすぎる。
ところで元ネタになった育児放棄の事件ちょっと調べてみたんですよ。現実のほうがよっぽど、救いがなかった。作り手が当事者でない限り、事実をすべては知りえないし、膨らませるしかなかったから、なんだけど。現実のほうがよっぽど、を突きつけてくるなぁ。これも。
というか 是枝監督が多分そういう 現実の方に目を向けるのじゃなくて 現実は横たわっているけど、その中でどう生きているかを映すことに興味があるからこの作りなのかもしれん。怪物然り。そういう意味で、現実の厳しさに引きずられすぎないように、淡々と進んでいくけど、メッセージ性は失われない。

・スーパーマリオ 魔界帝国の女神

邦キチで作品の存在を知ってから見てみたいな、デニス・ホッパー出てるし。と思ってみたら、レナ役の女優さんがフィオナ・ショウだった。絶対知ってる顔の役者さんだ!だけど何の役他にやってたっけ?ってずっと思いながら見ていて。エンドロールで、ペチュニア叔母さん!!!となりました。
よくもまぁここまでマリオを元にマリオじゃないスーパーマリオブラザーズが作れたな……と脚本家の発想力に脱帽するストーリーだった。お金は全体的に掛かっているし映画として見られるものにはなっている。マリオではないが。いやでもマリオとルイージの兄弟の絆はあるねん。ほな、マリオやな? いやそれがな、って一生ミルクボーイ出来る。
紹介するわ、これが私のお父さん→現れるネトネトの塊。これ邦キチで見た!ってなった。
リアルすぎて怖いヨッシー。でもヨッシー要素があるから可愛げはある。めっちゃ牙生えてるけど。
クッパの名残で移動する時常に手が前に出てるデニス・ホッパークッパがなんか可愛い。2つの世界は隕石で融合する!とかまじでパンチ効いてて良かったよ。コマンドーを見た時の感覚を味わえたわ。

・エクストリームジョブ

韓国行く前だし見とくか!って見た。映画の出来が良い。
カタルシスあり、ギャグあり、アクションあり。頭空っぽに見られる〜。
80年代ジャッキー映画の系譜で私はすごく好き。ただ韓国出身の監督が撮るアクションシーンってなんで流血が多いんやろ? タランティーノの影響?
2010年代後半頃からとくに顕著に感じているが、西洋人の監督の撮る映画は画面が暗くて。個人的にはやっぱアジア系の監督が撮っている映画のほうが画面の色味がちょうど良いな〜と、思っており、その辺りの塩梅も非常に見やすかった。映画の感想として見やすいが出てくるのは良いのか悪いのかというところあるけど、画面が見やすいというだけで、内容追いかけるのめちゃくちゃ楽だな〜〜〜〜〜って感じた。
見たあとのぐったり、目が疲れた、みたいな感じが一切なくて。ラスト、大団円で終わった、というカタルシス効果があるのも起因してるだろうけど、本当に見終わったあと体が軽かった。

・世界で一番美しい少年

削られる精神的に。子供って大人が守らなきゃいけないはずの存在なんだけど。美しかったが故に、蹂躙され、一方的に嬲られ、弄ばれ、そして捨てられた少年がどうなったのか、が淡々とドキュメンタリーで現在の彼と当時の彼と、関わった人たちのインタビューで構成されていてキツかった。
加害性をこう……淡々と見せられるのはきつい。事実だし、フィクションじゃないから。自分の加害性にとことん無頓着でそれを知らない、それがありありと出ていて。
しんどかったな。人間であることそのものが嫌になる感じだったけど、でもミッドサマー撮影時に、彼に笑顔があったのは良かった。
それと同時にやっぱりフィルムの中のタジオは息を呑むほど美しかったし、ヴィスコンティが悪意を持って言った「今は世界一ではないけどね」のところ。
確かに、その美貌への翳りがあって、ハッとさせられてしまい。こういう加害性を私も持っていると認識させられた。なるべく振りまかないようにしたい。

・キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

令和5年にあのクラシカルなポスターというだけで惹かれて一切前情報入れずに見た。 Killers of the flowermoonのタイトル通りですね。石油が出たばかりに、白人たちのエゴに飲み込まれたオセージ。そのコミュニティの19世紀から20世紀にかけての移り変わり。
正直にいうと 物語のストーリー的にディカプリオを主役に据えるのはどうなの?とは思いましたが。それが成り立ったのは演技力あってこそというか。ちゃんと言葉遣いを役柄に応じて変えるのを徹底しているので 粗野で考え無しでインディアン達を軽んじて、でも愛した女だけはその属性の中にいるのに、見て見ぬ振りをするのが出来る。でもやはり感情に振り回されてしまう……という、一本軸がなくて、ブレブレでエゴを振りまくのがお上手 という役どころの説得力がすごくてですね……。(インディアンの呼称については作中に準拠)
とはいえ3時間半の大作に見合うストーリーラインだったか?というと少し物足りなさはある。前半〜中盤が丁寧だっただけに終盤駆け足だったのがな~~。長尺なのだからもう少し配分は考慮できただろうに。
オセージの文化についてはめちゃくちゃ配慮していて、かなり正確に描かれているんだろうな、と感じたけど エンドロールで出てきた監修関係者の方の多さに あ、やっぱり?となった。実はこの映画を見て、オセージのことを知ったので、描写の正確性の判断はつかないのだけど、監修の手を抜いてないな、って分かる。そんな作りだった。
原作小説読みたいな。読むと当時の白人たちのムーブに嫌気が差すのだろうけど。
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンは 2023年だから、少数部族への差別の歴史をちゃんと少数部族側から描くことが必要とされている動きがこれだけ台頭してきた時代だから。出てきた映画だな〜とつくづく思う。
グッド・フェローズを思い出すと両作の差異が浮かび上がりますね。

・ナポレオン

世界史やってないのと、完全にこの時代のフランスの歴史詳しくないので後で色々読んで補完するとして。おもろかったけどイマイチ跳ねきれてないな〜感はある。が、画作りがひとつひとつ素晴らしくて。なんというか映画として見やすい、ただそれだけで加点をあげたくなる。
合戦の様子が目玉だとは思うのだけど、個人的にはレッドクリフと戦火の馬の描写がめちゃくちゃ良いと思っているので……。あれと比較すると魅力としては落ちるなあ、と思うところはあるものの、負け戦と、勝ち戦との差が見ていて明確で。その辺はうまく撮ってるんだな~と思います。
徹底して軍人としてのナポレオンと愛したジョセフィーヌにばかりフォーカスが当てられているので、政治家としての彼の手腕についての描写は僅かばかり。随所に弁が立つところを見せていて示唆はしているけどこの映画の本題ではないよ、って程度に抑えている。こういうところが歴史家からは批判された由縁かな。
戴冠式のシーンはまんま絵画で見たそのままだったので、ナポレオンの戴冠式の絵画が好きならあのシーンのために見てもいいと思う。あぁ、だからホアキン・フェニックスを起用したのね、って思うくらいだった。天王寺の美術館でかつて開催された展覧会(ルーブル美術館展だったかな)でナポレオンの彫像を見たことがあるんだけど、ホアキン・フェニックスの演じるナポレオンの顔が本当にあの彫像の顔とダブって、お、おお……と驚くことが数回あった。
あ、そうそう。Killers of the flower moonでも思ったけど、Apple Studiosの躍進がすごい。 というかAppleって会社の運営方針かなりSONYを踏襲しているんだなって最近感じる。コロンビア配給映画で(コロンビアはSONY Picture Entertainment の傘下に入ったわけだけど)制作にAppleが入っていることに驚き。映画の感想とはまた別ですけど。

・ゴジラ-1.0

ラストは個人的には、えーーーそこはさぁ……となりましたが、それ以外は概ね面白かったな、と思う。サバイバーズ・ギルトを扱った映画として、そりゃこういう「解」があると救われるよな、という点で、アメリカで受けてるのは凄く分かる。VFXめちゃくちゃ良かった。白組すげえな。ミリアニもありがとう。
個人的には作戦のために立ち上がる実働員の数が少なすぎて、そこは正直VFXの迫力に対する現実味という点で欠けるな……と思った。CGが良すぎるだけに、いや……あの……その物量で勝てるわけなくない???みたいな。そういう意味で実働員の数は水増ししてほしかったな、と思います。説得力のためにね。
戦犯裁判中だったから、なのかもしれないけど その割にそれなりの役職の方出てるの見ると……いや……もっと集められるのでは………となったのでこればっかりはちょっと迫力が足りないという点でね〜。
BGMそれ画面の雰囲気と合ってなくない?みたいなのも一部合ったのですが、ゴジラのテーマの使い方は流石に良くて。というかゴジラ詳しくない私でも欲しいタイミングで欲しかったものが来て、それだけで評価爆上げまで持っていける感じだった。大画面とあの音響で見るゴジラ良かったわ~。
ゴジラ-1.0はランボーのオマージュですよね?っていうシーンが多いので サバイバーズ・ギルトに対して補完するのであればランボー(処作)を推します。
ゴジラ-1.0は ゴジラである以上 戦争の終焉はサブにしかなりえないし、その作劇で良いと思う。メインにしたらランボーの焼き直しでしかないので。

・鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

めちゃくちゃ人気なので見た。なるほどな〜〜〜〜PG12なるほどな~~~という感じ。鬼太郎誕生の漫画の話だけ読んでいて、鬼太郎はアニメも漫画もほぼ触れて無くてこれがファースト鬼太郎なので、猫娘でかくね!?とか色々衝撃があったのですが、それはさておき。良き因果応報でしたね。
いや、単に因果応報と一言で片付けるには罪のない犠牲と巻き込まれが多分にはあるのですが……(知ってか知らずかは関係なく)誰かを犠牲にした豊かさを享受していた側が受けるべき罪を等しく平等に受けたという点で因果応報としては百点なんですよ。現実でそれは出来ないから。
格差は日本の中でもあるよ。あるけれども。日本に生まれたというそれだけで、世界的に見て一方的な搾取の元に成り立つ豊かさの、豊かさ側を享受している側なわけで。ラストの目玉親父の台詞とか考えさせられる と世界情勢とリンクして考えてしまうな。
一方的な搾取の自覚があって、それを止める意識が孝三さんにあったのかは分からない。ただ恋情の勢いで走ったのかもしれない。だけど孝三さんの時点で止められたかもしれない負の連鎖が止められなかったが故に、さよさんとか時ちゃんといった次世代が犠牲になる構図とかもさぁ……今の日本社会と被るというか意識的に被せてきたのかな。
水木が乙米の台詞をかつての上官とダブらせるシーンとかも意図的だろうし。未来がある先が長いはずの、けれどもなんの権力も力ももってない若い人ほどその上の人たちの利権のために犠牲になっていく醜悪さ。龍賀家だけじゃなくて、そういう体質はどこにもあることを突きつけてくる。
この村には茶屋もないという台詞はあるが、トンネルを抜けた向こう側の村一体には、電線も電灯も張り巡らされていて。駄菓子屋でアイスが買えちゃう(=冷蔵庫がある)し、展望台のような洋風の建物にはエレベーターも付いていた、ということを鑑みると、本当にあの村の豊かさの異質さが浮き彫りになりましてよ。


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