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【MDC山口サミット】ファジアーノ岡山vs.レノファ山口(J2第18節)



梅雨真っ盛りですがご機嫌いかがでしょうか。今回は昨年パクさんをおいかけた際*に滞在する時間があまりとれなくて後悔した山口観戦を無事リベンジいたしましたというおはなしです。わっほい。


*このとき





山口の霜田監督はザッケローニ~アギーレ~ハリルホジッチを招聘し日本代表の強化に携わっていた方で、その時の想いが今話題の『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の巻末で詳細に語られています。読んだよ。

その想いはザッケローニのころから一貫しており、「W杯で対戦する相手が日常じゃないチームはナイーブ」「W杯を日常にするためには今のJリーグはフィジカルもメンタリティも足りない」ということ。

そして今回の旅の総括を先にしておくと、「Jリーグのレベルアップとは具体的にどういうことなのか」というヴィジョンをレノファ山口で見せてもらったような気がしました。勝負の相手ではありますが、というより相手だからこそ、「あ、すげえよく見て研究してくれてる」という恐怖の伴ったぞくぞくとした快感がありました。ハリルホジッチ監督が見せてくれたかもしれないものを霜田監督が見せていくのかもしれません。そうだったらいいな。




話が長くなってしまいましたが宇部空港着です。




今回もバスがないことは知っていたのでのんびり鈍行電車の旅。空港の向かい側にあるJR草江駅がなんかアーティスティックになっとる




アーティスティックだ…(美術の評定は2でした)





ゆらりと1時間半ほど乗ってレノファのホーム湯田温泉へ。地元とまったく同じ型のオレンジぬりたくり電車なので旅情と日常がまざりあうヘンな気持ちになります。宇部線は無人駅が多くチンチン電車仕様ですし。




故事モティーフの白狐君で無事旅情が勝りました。湯田温泉よ私は帰ってきた。ちょうど一年ぶりです、そういえば。





宿までの道中にナチュラルに史跡がゴロゴロしているのが恐ろしいところです。井上馨、中原中也の生家があり、種田山頭火(防府出身)も常宿にしていたそうな。ちょうど見ごろを迎えていた紫陽花が詩情を誘います(美術の評定は2でした)




ひとっぷろの後スタジアムへ。30度真夏日の熱気をさらに熱くするような盛況でした。しかし維新みらいふスタジアムはこのワイヤー?がかっちょいい。変形ロボになってほしい。




入場券はQRチケットで購入できますが、入場にはメイン入り口隣の総合案内書で物理チケットに印刷しなければならないので気を付けましょう。撃沈しました。自由席だったので並びなおしにはだいぶ焦りましたが、無事席が取れて良かった。レノ丸君のイラストが超かわいいのでおっけー。





レノファのスタグルは今季からリニューアルしたようで、メニューの見易さ、列の整理などとても快適でした。




数をさばききれず生ビールが遠かったので今回はハイボールおじさんです。地酒を長州夏みかんサイダーで割ってあり暑い盛りにばっちりの爽やかさ。ラベルを見るに今季からの新メニューの様です。これはいいものだ。





謎の腹痛で席とトイレを行ったり来たりしながら一応腹に入れた焼き鳥。長州地鶏の焼き鳥は歯応えがあり旨味が凝縮していました。ねぎまが一番おいしかったです。お互いの旨味を吸い合っており塩コショウのアクセントがナイスでした。

生ビール大好きおじさんとしてはスタジアム内でも生ビールを買えるように頑張っていただきたいところ…J1にあがったらそうなるでしょうか…待っています





日が落ちてくるとちょうどよい気温になってきました。一番近いアウェーということで岡山側も良く入っていました




そして山口側もすごい。上位を争っているからか、雰囲気も明らかに昨年の対戦時よりも盛り上がっていました。

後半ATの伊藤大介さんのFKでのレノファコールはしびれましたね。久しぶりに声が本当に身体を押しているような感覚に襲われました。




というわけでキックオフ。むっくんの生ルーティン確認。マッチアップする山口の左WG高木大輔さんも円陣からいち早く抜けてルーティンしててキックオフ前から対決感が出ており微笑ましかったです。高木大輔さんのルーティンは元気玉ポーズでした。カメラの欲しい人生。

その対決ですが、いささか分の悪い結果になってしまいました。レノファの逆三角形の中盤に岡山の2+インサイドハーフのプレスがかみ合わず、三幸のロングフィードに高木がダイアゴナルに裏を取るという場面が頻出していきます。左サイドはインサイドの山下、CFのオナイウと高木が入れ替わる形が多くみられ、そこに左SBの鳥飼もやってくるのですから、マグ増田とむっくんの2人ではサイドの守備は追いつきませんという状態が繰り返されてしまいました。どのタイミングでボールに行けばいいか分からずファウルが増えてしまいます。多分PKだったむっくんですが、直後にしれっと早いスローインでコーナーキックとってて安心しました。この図太さ。

山口はサイドを突破できなければ逆サイドの選手をバイタルエリアに入りましょう、という右SB前のポジショニングとボールをもらった後の巧さが特に印象的でした。たぶんクロスよりシュートの方が上手いし(失礼)、最後尾でボールを奪った際も失わない視野とテクニックがあります。たまに規則うんぬんではなく多分ノリで最前線に顔を出して決定機に絡んでいて笑った。特にセットプレーで許容されていそうですね。ノビノビやってて敵ながら楽しかったです。

インサイドハーフの池上(負傷交代してしまい残念)と山下もそれぞれ自陣と敵陣での中継役としてかき回しており「アッレグリの8番と10番や」と勝手に興奮したのですが、二人とも大卒新人で、しかも山口が手を上げるまでプロ入りが決まってなかったというのですから驚きというほかないです。





山口の話が長くなってしまった。閑話休題。ということで試合中から話し込むシーンが目立っていましたDFライン。いくらか前線守備からエラーを狙うことは出来ており、そうなると山口は中盤がすっからかんなので優勢にもっていけそうだったのですが、山下のポジション移動に誰も対応できず失点を許してしまいました。ビルドアップもダイレクト志向であるので赤嶺が勝たないと始まらないのですが、始まらせてくれなかった…w 

3トップのチェイスは良いボールは蹴らせんと徹底していましたし、岡山にはそれを潜り抜ける方策が具体性に欠けていたような印象を持ちます。それでも塚川君が激突して仲間がこねくり回していく左サイドはそれでも幾分か可能性はありましたが、フィニッシュはカウンターに限られたので、もうちょいうまく守備のやり方を直せればというところでした。こういう失点が増えてしまっているのですよね…




「良さを出させない」「痛いところを突く」という山口の在り方のインパクトは後半より強烈になりました。斎藤さんと仲間を中盤に落として(343になります)彼らの個のデュエルで敵陣でボールを持つ機会を増やす通称”斎藤さんだぞ"現象は今節もまた功を奏して、立て続けのクロス攻勢、セットプレー攻勢に持って行けたわけですが、ここの守備が徹底していましたし、岡山のCKは全てオナイケー!カウンターに繋げていたのは結構な衝撃。おそらくめっちゃ準備してます。中二日なのに…w

むっくんチャンスも結構増えたのですが、縦を取らせないコース取りとファーサイドまで下がってケアする徹底したブロックにクロスもなかなかハマらず、守備でチームが下がりきってもオナイウが広いスペースで活きるから逆に歓迎状態になっていましたし見事に設計されていました。

4人に囲まれても奪われない仲間(HENTAIすぎる)、サイドに開けばデュエルで圧勝する斎藤さんがすごいので岡山も押すことが出来たのですが、佐藤健太郎で守備の圧力を高めた采配も見事。4231(4222)の形で541の守備陣形を崩して盛り返したのもそうですが、サトケン氏個人の切り替えの強さが秀逸であっと言う間に中盤を取り返され本当に困りました。三幸も前でプレーできますしね。"斎藤さんだぞ"現象の対策としてばっちりで「ああなんて岡山のことをよく見ているんだ…」と逆に感動してしまいました。




リカルド氏を放り込んでマグ増田も前線にあげてスクランブルを起こしにかかりますが、決死の守備とそれに応えた大声援に跳ね返され残念ながら試合終了。スコアは最小点差ですが、もう数点決められてとどめが刺されていてもおかしくありませんでした。サンキューイッチ…




流石の完敗にしょんぼり。挨拶もそこそこにすぐにひきあげてしまったむっくん。そりゃね。完敗でしたね。順位も6位までずるずると落ちてきました。プレーオフ圏外との差もほぼなくなりました。

夏場に我慢して勝ちきれるかが上位の分かれ目となってくるという経験則があるのでここは耐え忍ぶ形を見出したいところです。幸い応援も逆に鼓舞せねばという雰囲気だったので良かったです。イヨンジェもそうですが、3バックやインサイドの守備にもうまいテコ入れが入れば。





試合後は山口サポーターと岡山サポーターのみなさんの会に紛れ込み山口のジェイソン・ステイサムさんと岡山の0から始めるファジアーノさんの首脳的会談を拝聴することが出来ました。鉄は熱いうちに両者の視点で試合の感想を頂いたり、地方クラブとしてここまで来る苦労や喜びだったり。ブログちょうたいへんみたいなアレだったり。間で聴けたのはめちゃ豪華でした。ポッドキャストにして儲けたい人生だった。いやその権利はお誘いいただいたさしみさんにあるんですけれども。みなさん本当にありがとうございました。




会談は深夜まで続いたので余裕で寝坊してしまい、朝食も朝風呂も抜きになりました。狐君に慰めてもらいました。




起き抜けの飲泉。深酒した身体に沁みる。





流石に朝飯が温泉はつらいのでgoogleに泣きついたところ踏切をちょっと渡ったパン屋さんをサジェストしてくれました。






サクサクでバターの風味豊かなクロワッサン。クロワッサンってこんなうまかったっけとびっくりしました。空腹のスパイスと飲泉が汚れた舌を洗ってくれたおかげかもしれませんが、チーズと干しブドウの入ったパンもふわふわですごかったので単純にすごいパン屋だったのでしょう。寝坊してよかったのかもしれない。




朝湯できなかった分はこちらでリベンジ。






去年も来たけどここの足湯wifi飛んでるんですよね。足も極楽だし、上も極楽です。一日中居たいくらいですが、のぼせるのでやめましょう。




これね、おじさんの夢だったんです。ちょうど上階の催事スペースで地酒展を開催中でその地酒を飲み比べができました。温泉、紫陽花、そして酒。完璧でした。ありがとうございました。




るんるん気分だったので土産もちょっと多めになってしまった。来年はお互いJ1でまた浸かりにいけたらなと願っています。


それでは。