【読書】恩田陸「ねじの回転(上)」

恩田陸さんの「ねじの回転(上)」を読んだ。下巻を読んでいないので何とも言えないが、現状面白いように思われる。自分は歴史物があまり得意ではないのだが、この小説は2・26事件を扱っているにもかかわらず面白く読んでいる。

歴史改変のお話なのだが、一部を改変しようとしたら他の部分の辻褄を合わせる必要が出てきて、一貫性のある形で歴史を改変することは難しい。本作を読めば、その難しさも伝わってくる。

この小説は歴史改変であるが、嘘についても同様であるだろう。少しでも嘘をついたら、他の諸々もその嘘に辻褄を合わせなければならない。矛盾が起きてしまうと、嘘がバレてしまうのである。今の時代は1億総ツッコミ時代とか言われているので、嘘がバレやすい社会なのだろう。

但し、歴史については生き証人がいない限りは突っ込まれないはず。その点、今でも嘘を付きやすいのかもしれない(そんなことはない)。


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