【本】ファクトフルネス 読書メモ

みなさんこんばんはLonです。
今日は昨日読み終えた「ファクトフルネス」の読書メモとその学びを共有したいと思います。


TL;DR

  • 自分がどれだけバイアスがかかった世界の見方をしているかを実感した

  • 前提としてデータ・客観的な事実に基づいている上で、著者自身が世界の様々な場所を見た経験談(ここが本書のミソだと思います)に基づいて書かれており、非常に納得感がある

    • 巷のビジネス書には「それってあなたの感想ですよね?」とツッコミたくなる自分語りの本も多いが本書は明らかに違います。データを基に、事実に真摯に向き合っています。

    • 一方で無味乾燥なデータだけでなく、著者だからこそ語れるリアルな話が含まれており、メッセージがすんなり入ってきました

  • 現代のように情報が溢れる時代において、事実に基づいて「ファクトフル」に考え・生きる習慣を築くことの重要性を説き、その第一歩となるヒントを与えてくれる

  • 総じて、Amazonで高評価が多いのも頷ける良著

要約

著者は世界各地で公演をする中で、人々が世界のことについて全然知らないことに気づいたと言います。
具体的には世界の状態についてのクイズを出題し、その正答率を計ってみたところ、なんと世界の人々の(たとえ高学歴な人や教養があるとされる専門家の人であっても)正答率はランダムに答えた場合よりも低かったと言います。

そして著者はその原因は人々の世界の見方にあるとの結論に辿り着きます。

あなたは、次のような先入観を持っていないだろうか。「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」少なくとも西洋諸国においてはそれがメディアでよく聞く話だし、人々に染みついた考え方なのではないか。わたしはこれを「ドラマチックすぎる世界の見方」と呼んでいる。精神衛生上よくないし、そもそも正しくない。

ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド. FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 (Japanese Edition) (p.26). Kindle 版

この「ドラマティックすぎる世界の見方」こそが我々の世界の見方を歪め、それが誤った考えにつながっていると指摘しています。
ではそもそもなぜ我々はドラマティックすぎる世界の見方をしてしまうのでしょうか?
本書ではその背後には人間が持つ10の本能があるとし、その本能は具体的にどのように影響を及ぼすのか、そしてどのようにしてその本能を抑えることで「ファクトフルに」生きていくことができるかを述べています。

面白かったポイント

まず冒頭で出題されるクイズの自分の正答率が低いことに驚きました。
最近よくビジネス書は読んでいますし、世界のことについてもそれなりに勉強しているつもりでしたが、自分があまりに世界について正しく理解できていないことを知りました。

そして本書で取り上げられる10の本能の中で自分が印象に残ったのは、2.ネガティブ本能 と 10.焦り本能 でした。
ネガティブ本能とは、「世界はどんどん悪くなっている」と思い込んでしまう本能です。世界が少しずつ良くなっていることはニュースになりませんが、広まりやすい悪い出来事はニュースになります。そうするとどうしても世界がネガティブな方向に進んでいると思いがちですが、実際にデータに目を向けると貧困や児童労働・電気の利用状況などの多くの指標で世界は良くなっていることを著者は指摘しています。

ガティブなニュースに気づくこと。そして、ネガティブなニュースのほうが、圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。物事が良くなったとしても、そのことについて知る機会は少ない。すると世界について、実際より悪いイメージを抱くようになり、暗い気持ちになってしまう。ネガティブ本能を抑えるには、「悪いニュースのほうが広まりやすい」ことに気づくこと。

ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド. FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 (Japanese Edition) (p.119)

ネガティブなニュースばかりに目を向けず、世界が良くなっていることを確認できる事実にも目を向けていきたいものです。

また、もう一つ印象に残ったのが10番目の焦り本能です。
本書で言う焦り本能とは、「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込むことを指します。人間は焦ってしまうと冷静な判断ができなくなります。
その例として著者自身が挙げていた例がとても印象的でした。
私自身も著者ほどのものではなくとも、焦りから判断を誤ってしまった痛い経験はたくさんあります。自分自身、もともとパニクってしまいがちな性分であることは自覚しているので、ドラマティックな世界の見方をしすぎず、対処すべき問題に冷静に対策していきたいです。

深呼吸しよう。焦り本能が顔を出すと、ほかの本能も引き出されて冷静に分析できなくなる。そんな時には時間をかけて、情報をもっと手に入れよう。いまやらなければ二度とできないなんてことはめったにないし、答えは二者択一ではない

ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド. FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 (Japanese Edition) (p.373)

今後のアクション

本書の良い点として、「具体的にどのようにすればファクトフルに生きていくことができるか」の指針を示してくれている点があります。
10個の本能全てに対していきなり取り組むのは難しいと思うので、自分が特にバイアスがかかりがちな本能についてからまずは始めたいと思います。
具体的には以下のことから始めたいです。

  • ネガティブ本能への対処

    • 悪いニュースを見た時は、「悪いニュースは広まりやすい」事実を思い出す

    • ニュースと反対に世界が良い方向になっていることを示すデータがないかを探してみる

    • 過去は美化されがちなことに気をつける。なんでも過去を良かったものとして考えない。

  • 恐怖本能への対処

    • 不安になっているリスクを「危険度」と「頻度(可能性)」を考える。恐ろしさそれ自体はリスクとは関係がない

    • 行動する前に落ち着く。何をリスクととらえているのかを紙に書き出してみる

  • 焦り本能への対処

    • 「いますぐに決めなければならない」と感じたら、自分は焦っていることを自覚する。そして深呼吸をする。

    • 緊急なことへ対処するときはきちんとデータを確認する。

書き出してみると多くなりましたが、少しずつ始めていきたいと思います。

長くなりましたが非常に勉強になる本でしたので興味を持った方はぜひ読んでみてください。
また、質問や感想などあればコメントいただけると嬉しいです。
最後までお読みくださりありがとうございました!!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?