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おすすめの書籍6選

 本日は、自分が読んだ書籍の中でお勧めしたいと思うものを9冊ご紹介したいと思います。小説が1冊含まれます。高校生による紹介ですが、本記事は全年齢向けとなっています。全ての年代の人が、学び、感じ取ることができる書籍を紹介していきますので、ご覧ください。

1. 「物の本質について」ルクレーティウス 著

物の本質について

 最初にご紹介させて頂くのは、「物の本質について」です。ローマの詩人ルクレーティウスによって書かれました。この本は、物の在り方や人間の生き方について語った、所謂物理の教本や人生論を合わせた様な科学的啓蒙書です。内容としては、以下の様なものです。

即ち、君のために天体に関し、また神々に関する最高の理論を、わたくしは始めようとし、万物を形成する原子を説きあかそうとしているのだから。
(岩波文庫「物の本質について」より)

 アインシュタインが原子の存在を数学的に示した「奇跡の年」1905年、ジョン・ドルトンが近代的な原子論の原型を唱えたのが1802年ですが、この本が著されたのは凡そ紀元前1世紀くらいの頃です。これだけで、この本がどれだけ先進的で在ったかを理解できるでしょう。

2. 「三日間の幸福」三秋縋 著

三日間の幸福

 この本は小説です。初期はげんふうけいという名前でWEB掲示板2ちゃんねるに幾つかの小説を掲載し、2019年3月、「君の話」で第40回吉川英治文学新人賞候補となった三秋縋先生の著作です。敢えて本作の内容については一切語りません。ただ、僕がこれまで読んできた多くの小説の中で、最も素晴らしいもののひとつで在ることは確かです。

ただ、僕が思うに、そうした「馬鹿は治ったが、もう手遅れの彼」の目を通してみる世界は、たぶん、すべてがどうでもよくなってしまうくらいに、美しいのです。「俺は、こんなにも美しい世界に住んでいたのに」、「今の俺には、すべてを受け入れて生きることができるのに」といった後悔や嘆きが深ければ深いほど、世界はかえって、残酷なくらいに美しくなるのではないでしょうか。
(メディアワークス文庫「三日間の幸福」あとがき より)

3. 「自由論」ジョン・ミル 著

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 3番目に紹介するのは、「自由論」です。かなり有名な書籍ですね。イギリスの哲学者、政治哲学者、経済思想家で在るジョン・ステュアート・ミルの著作です。内容としては、「人は人を害しない限り自由」「人間には自分だけの自由な領域が有り、他人の幸福を奪ったり妨害しない限り、自分自身の幸福を自分なりの方法で追及する自由が有る」といった、自由に関する原理を細かく述べたものとなっています。

4. 「道徳の系譜」ニーチェ 著

道徳の系譜

 この書籍は、ニーチェの道徳批判や価値思想を学ぶ上で、最も重要な書籍です。「よい(Gut)」とは何か、「わるい(schlecht)」とは何かを著しています。道徳的で在るということはどういうことか、思考を巡らせられる一書です。

むしろ、「利己的」・「非利己的」というあの対立全体が人間の良心をますます強く圧(お)しつけるようになるのは、貴族的価値判断の没落によって初めて起こることなのである。——あの対立によってついに語として(更には語句として)表れるものは、私の言葉を用いるならば、畜群本能である。
(岩波文庫「道徳の系譜」より)

 この本について仔細に述べるとなると、僕の思想が混入する恐れが有り、それは書籍の紹介ということに不適当で在るように思えるので、それは已めておきます。

5. 「資本論」カール・マルクス 著

資本論

 ドイツ古典哲学の集大成とされるヘーゲルの弁証法を批判的に継承した上で、それまでの経済学の批判と再構成によって、資本主義的生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則を明らかにした書籍です。

1867年に第1部が初めて刊行され、1885年に第2部が、1894年に第3部が公刊された。第1部は、マルクス自身によって発行されたが、第2部と第3部は、マルクスの死後、マルクスの遺稿をもとに、フリードリヒ・エンゲルスの献身的な尽力によって編集・刊行された。
「第4部」となる予定だった古典派経済学の学説批判に関する部分は、エンゲルスの死後、カール・カウツキーによって公刊されたが、『資本論』という表題に関する版権の問題、カウツキーの「独自の見解」などにより、『資本論』第4部としてではなく『剰余価値学説史』(3巻4分冊)の表題で刊行された。その後、ソビエト連邦のマルクス・レーニン主義研究所によって新たな編集による版(アカデミー版)が刊行された。これはさらに修訂されてMarx-Engels-Werkeの第26巻Ⅰ~Ⅲ(ヴェルケ版または全集版)として刊行された。現在の日本語訳の多くはこれにもとづいている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 資本主義的生産様式とは、資本家が生産手段の全てを独占し、労働者は自分の労働力を売ることによってのみ生活を買うことができる様式を指す。この様式に於ける労働者は、プロレタリアート(古代ローマの時代に、パンとサーカスに没頭して労働を放棄し、自分の子供以外に富を生み出す財産を持っていなかった階層を指してラテン語でprōlētāriusと呼んだことが語源)と呼ばれます。勘違いをしている人もいるかもしれませんが、プロレタリアートをそのような意味で最初に使ったのはドイツの法学者、ローレンツ・フォン・シュタインです。
 1日の疲れを取り、再び労働できる様にする為の費用を労働力の再生産費と呼び、資本家はプロレタリアートに対して、この再生産費ギリギリのみを支払い、プロレタリアートの利益を搾取するというのが、この「資本論」で述べられている資本主義社会の概要です。

6. 「共産党宣言」マルクス、エンゲルス 著

共産党宣言

 1848年にカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって書かれた書籍です。マルクス主義者による国際秘密結社「共産主義者同盟」の綱領であり、共産主義の目的と見解を初めて明らかにした文書でも在ります。UNESCOの世界の記憶に草稿が登録されています。
 エンゲルスによると、本書の根本思想は「経済が社会の土台であること」「すべての歴史は階級闘争の歴史であること」「プロレタリア革命は一階級の解放でなく人類全体の解放であること」の3つです。

これまでのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である。
(光文社「共産党宣言」より)

 「共産党宣言」という名称について。

19世紀のマルクスの生きた時代の文脈においては、様々な思想的傾向の人々で構成される労働者党は存在したが、共産主義者だけで構成されるいわゆる“共産党”という政党は存在しなかった。(中略)このため、現在ではこの文書を『共産党宣言』(ドイツ語: Manifest der Kommunistischen Partei)ではなく『共産主義者宣言』(ドイツ語: Das Kommunistische Manifest)と呼ぶべきとする見解がある(石塚正英、篠原敏昭、大藪龍介、金塚貞文他)。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 この「共産党宣言」という本は、共産主義について素晴らしく仔細に述べられていて、それを学ぶ上では非常に重要な文書です。批判的に見るにしろ、肯定的に見るにしろ、この本を読むことは必須だと言っても過言ではないでしょう。


以上、高校生が勧める、「おすすめの書籍6選」でした!

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