モネ

千葉から直島へ飛び出し、その後金沢へ移住。土地、歴史、芸術を愛しながら旅をして生きてる。

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最近の記事

時間を巡る旅

ありがたいことにインスタ映えする宿として紹介いただくことが多い香林居ですが、ただ映えだけを狙った薄っぺらい空間だったらここまで愛されなかったと個人的に思うのです。キラキラした目で写真を撮ってくれる皆様は、言語化せずとも、無意識的にデザインに関わった職人たちの大きな思い・願いを感じていただいてるんじゃないかって思います。 香林居はたくさんの職人たちが意見を練りあいまくってできた、ひとつの作品だと出勤するたびに感じています。香林居をつくった職人のひとり、ひとともりの長坂氏の香林

    • 桃源郷に誘う門

      初めて香林居の入り口を通った時の「現実ではないところに来てしまった感」はとても心に残るもので、私にとってそこが非現実から職場になった今でもあの時の気持ちを忘れずゲストに接したいなといつも思っています。 香林居の象徴とも言えるこのアーチはどうしてこんなに心を惹きつけられるのだろう?と疑問に思っていたのですが、昨年2022年に国立新美術館で開催された李禹煥展で少しだけアーチの魅力がわかった気がしました。 展示作品の中に、「無限門」というその名の通り大きな門の作品があり、高さ3

      • 黄昏時の器

        グレーベースの部屋の中で唯一色がついているように見えるほど存在感を放つ器がある。 淡いグラデーションに薄藤色の色をまとった「浮世」の器は小松市、錦山窯の吉田るみこ氏の作。 訪れるお客様の中には、この器がどうしても忘れられず、同じの風合いのグラデーションネイルを施して再来館してくれた方がいるほど、人を引き付ける魅力を持っている。 私は研修時に「雨上がりの夕焼け空をイメージしている」とだけ教えているが、「浮世」と名付けられた意味にもぜひ注目してほしい。 浮世とは、常世(とこ

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