統失の友達

立場的に精神医療が身近にあり、精神病院を身近に出入りする方だと思う。

わたしの通っている病院は精神障害者の就労支援をしています。

主に2023年にそちらへ通っていたのですが、そこでは友達がたくさん出来ました。
もともと内向的で交友関係の閉じていた私にとってよい社交場で、そこで知り合った人は様々な精神病を抱えていました。

皆様病気という接点があるからか、立場の弱い人に優しく、思いやりのある方が多いように思いました。

通い始めた頃にある20代後半の男性に出会いました。
彼は私と同じ統合失調症の方で、措置入院の経験があるとのことでした。

(措置入院とは行政の法の下に執行される強制入院で、警察が関与している特殊なパターン)

前提として
精神障害者というのは、とても労務の機会が制限され、面接などで精神障害者であることを伝えると普通に落とされることがあるということで、社会から結構露骨に差別されることがあります。

そんな中で精神障害者の就労支援をやってくださっている病院にはシンプルに頭が下がらないのですが、職を得るためにとても面倒なことをたくさんやらなければなりません。
履歴書などの書類作成はもちろん、体調管理、ストレス対処、など企業に対してアピールするための事柄について深堀りしていく必要性があります。

わたしのような精神障害者が雇用される際は、大体障害者雇用といって、障害事項に対して一定の配慮がしていただける場合が多いのですが
大抵賃金が安く、独り暮らしでは障害年金なしでは生活できないほどです。

そんな中で彼は、元の職種に戻るという選択をえらびました。
所謂クローズ就労です。

彼のいた業種はとてもブラックというか、お世辞にも労働環境がよいとは言えません。

それでも彼はそのような選択を選んで、就労支援から旅立っていきました。

2023年の3月にいなくなって、6月頃にLINEが届いたと思いきや、11月頃にはLINEのアカウントがなくなってしまいました。

もう彼には二度と会えないのだろうか?なんてことを考えて少しさみしい思いがありました。



わたしは今日、体調不良につき仕事を休み、臨時受診ということで病院にいきました。


すると、彼がいたのです。
やせ細り、何故かスーツを着用していて、何を言っているのかわからない彼がいました。
目つきはするどく、何かに怯えていて、とてもではないけれど2023年の彼ではありませんでした。

ひと目見て、再発していると思いました。
様々な妄想が彼を支配していることもわかりました。

このような状態になったら然るべき医療につなげて、入院などをさせたほうが良いように思います。

そんな彼と今日は昼食を食べ、異様な光景だったように思いますが、わたしはなるべく影響を受けないように、それでいて彼を刺激しないように細心の注意を払いました。

そして病院へ戻り、生活支援担当のスタッフに彼の現状を伝えました。


ちなみに就労支援のあまりの煩わしさに、わたしも一瞬クローズ就労を考えたのですが、面接に落ちまくりました。結果的に今の障害者雇用で雇ってもらえたことが、なんだか幸運なことのように思えたのです。

無理してクローズ就労していたら、彼のようにまた再発していたかもしれない。
そう考えると、彼はifの世界の私のように思うのです。

今後彼は就労支援に通うようです。
なので少なからず縁が復活したのは私としてかなり嬉しいことです。

LINEもまた交換できましたが、ひとことの文章があまりに異様で、病気なんだなということがわかります。

この一件で、私ができることは遂行したように思います。

統合失調症は100人に一人と結構ありふれた病気です。
皆様も健康が一番ですので、どうかご自愛くださいね。

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