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「共感力」より「受け入れ力」というお話

「仕事や人間関係では【共感すること】が大切 だ」

最近、よく耳にする言葉です。共感力に関する書籍も多数出版されています。

私自身も、【共感】の心は大切だと信じているのですが、

その一方で、ふと「共感することだけが人に寄り添うことなのか?」と感じることがあります。

今日は、「共感」の定義を私なりに本質化し、そこから本来の「人に寄り添う」ことにより近づけると考える「受け入れ力」について書いてみます。

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共感という言葉を国語辞典(旺文社)で調べてみました。

他人の考えや感情に対して、自分も全く同じように感じること。同感。

つまり、「あなたの気持ち、わかります」と
相手に寄り添う力が必要であるということです。

一見、とても綺麗で美しい。でも、人間は全てにおいて共感することは難しい。

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同じ会社や組織にいても、例えば商品1つで
「全国、世界へ売り出したい!」という意欲の人と、「地に足をつけて、地元で売り込むんだ」というビジョンを持つ人など、様々な理論・思想を持っているはずです。
同じ認識をしていても、その手法・手段でも意見が食い違うことがあるでしょう。

そんなとき、誰に対しても
「わかります」
と共感の言葉をかけていれば、「この人はどれが本音なのか?」と相手に捉えられかねないし、自分の核がズレてしまう可能性があります。

結果的に、どちらにとってもストレスフルになってしまうのです。

何より、全てに共感しはじめると、思っている以上にパワーを要することになります。

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では、相手を攻撃するではなく、かといって寄り添いすぎて自分をなくさない為には、何が必要なのか。

私は、


相手の思想を理解すること

だと思います。
「共感」までするパワーはなくて良くて、ひとまず「なるほど」と受け入れる姿勢を持つということです。

否定や共感というパワー消費をするのではなく、一度自分の中に受け入れてみるという作業をすることで、まず自分自身がストレスを感じることが減ります。

そして、「そういう考えの人がいるんだ」と客観的に捉えられることで、相手に対する自分の発言が変わってくるはずです。

攻撃的でも表面的でもなく、相手を思いやりながら主張をするようになることで、コミュニーケーションは格段に変わってくると思います。

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「共感」という言葉が一人歩きすることで、他者に寄り添うことばかりに目を向けられがちな世の中で、自分にも他者にもやさしくなれる力が「受け入れる力」なのかな、と感じる日々です。

#コラム #共感 #受け入れ力 #仕事 #人間関係 #思想

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