コスプレリバース

ワシは疲れたので、少し早めだが忘年会を開催することにした。

この指止まれで参加者を募ったが、最初は誰も見向きもしてくれなかったので、

「参加しないと死ぬぞ!」

と言ったらみんな駆けつけてくれた。

会場はマクドナルドナを押さえたので現地集合するよう伝えると、みんな曇った顔つきをしていた。

「え、何かい?みなさんのスマイルは0円じゃないよってか?お高いスマイルだこと!」

と言って冗談を飛ばしてあげた。


会場にみんなが集合した。

忘年会ということで、一発芸を発表してあげることにした。

「はい!みなさん、注目注目!盛り上がってるところすみませんが、今から一発芸大会を始めます!」

みんなの視線がワシに集まる。

マクドナルドナにはちょうどいいステージが無いため、机をくっつけて、そこに上がった。

「はい!今からアンパンマンナのモノマネをするので、コスプレに着替えます!」

ワシはステージ上で一旦服を全部脱ぎ捨て、コスプレに着替えた。

会場が盛り上がる。

「それではいきます、アンパンマンナのモノマネ!
『アンパンを、ゲッツ!アンド、リバース!…オエーッ!ゥオエッ…』」

体を張ったワシのモノマネに会場はさらに盛り上がる。

ワシは嘔吐により涙ぐんだ目でその様子を見ていた。

自分でも気づかなかったが、ワシは存外にも他人が喜ぶ姿を見るのが好きらしい。

非常に満足した気持ちになったが、一発芸の反動で少し苦しいので、化粧直しに行った。

一時、宴の喧騒から離れる。

顔を洗って、鏡を見つめる。

こんな日もたまにはいいか、と、鏡の中の自分に微笑みかける。

決して整った顔ではないが、100万ドルのスマイルだ。

ワシは、ふう、とため息を一つしてからウォータークローゼットを後にしようと扉を開けた。

そのとき、不思議なことに会場が静かなことに気付いた。

戻ると、誰もいなくなっているではないか!

慌てて店の外に目をやると、夜の景色の中に赤いランプがいくつか光っているのが見える。

ワシは少しポンポンが痛い気がしてトイレに戻った。

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ワシのことを超一流であり続けさせてくださる読者の皆様に、いつも心からありがとうと言いたいです。