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4回穴が開くと、人は爆笑する

前回のあらすじ....

 私は大学生の頃にとある薬局でバイトをしていた。イオン系列のお店だ。名前は伏せたがイオンと書いてあるとほぼ特定されるだろう。それでもかまわない。個人的ブラック企業で、もう10年以上も昔の話なので関係ない。あくまでも今回は不満を書きたい訳ではないので。しかし、当然不満に思っていた事を思い出したので次回のネタとして執筆しようと思う。

 このエッセイを書いたという事は、何度目かの気胸になったという事だ。肺に穴が開くという事は、普通の人が聞くと衝撃の話に聞こえるらしい。当然だ。気胸になる私が毎回衝撃を受けるのだから。あ、また開いた?開いちゃった?今回もまた同じ場所?みたいな。3回目、4回目にもなると医者の方も説明を一切せず、普通に麻酔を打って処置をしてくる。

 ちなみに4回目はこのバイトをしている最中に穴が開いてしまった。そこからはしゃがむ事も出来なかったし、走ることが出来なくなった。しかし、案外動けるもので、ある程度考えれば体をかばいながら動くことが可能であった。決して良い状況ではないのだけれども。

 問題は、それで早退をさせてくれなかったのだ。人って自分がその状況にならないと、深刻な状況というものは理解してくれないのだ。特に私の場合はそうだろう。肺に穴が開いているというのに、辛い状況を理解してもらえないのだから、風邪とかインフルエンザで苦しそうにしている程度では仮病と疑われるのがオチだ。思い返せば子供の頃から病気の症状を訴えると、周りの人はまっさきに仮病を疑った。肺に穴が開いても理解に届かないぐらいなのだから、そりゃ病気の一つ二つを理解してもらえる訳がない。人望にことごとく恵まれない環境に生きていた。

 結局私は動くことが出来ないので、どうやって休んだのかは忘れたが、結局穴の開いている時期は仕事を休んだ。代わりの人を入れれないようなシフトを組むのが悪い。

 また、4,5回肺に穴が開くと、周りの人も深刻に捉えなくなり、最後の方は大爆笑をされたことがある。そう、肺に穴が開くと、人は大爆笑をするようになるのだ。しかし、それは自力で動けるレベルの相手ならいいが、忘れてはいけないのがあくまでもこの病気は、突然倒れて身動きが取れず、即効救急車で運ばれてしまうぐらいには危険な病気だという事。むしろ、肺に穴があいた状態で仕事をしている方が異常だという事を忘れてはいけない。今でも恨んでるからね。イオン系列の薬局さん。

 今回もドレーンの処置をするのだが、医者というのは本当に当たりハズレがあるなと思った。もう慣れている処置なので、何をされるのか分かるのだが、手際の悪い医者にぶち当たると、痛みは麻酔でないものの、その処置時間が長くなってしまうので、それが辛くなる。贅沢は言えないのだけれども、処置の下手くそな医者にぶち当たると、やはり処置後の状態が全然違い、傷口も痛みやすいし、息苦しさも強いしで、何が原因か分からないのだが、とにかく空気を逃がす為の処置次第で、その後の生活が変わってしまう。

 もう一つ学んだことは、病状とは医者が診察をするものではあるが、自分が感じている事に関しては全てにおいて正直に話す事。問診で聴かれていないこと以外は答えなくてもいいものではあるが、聞かれていない事に答えないといけない違和感(どういう時に痛むとか、どういう時が辛いとか)は伝えておかないと、必要な処置が変わる。本当に身動きが取れる程度の処置なのか、治すまで寝たきりの状況を強いられるかが変わるぐらいには違ってくる。

 どういう事かというと、処置の時につけられるドレーンが携帯型のものか、ガッツリした装置のほうを装着されてしまうかというぐらいの違いが出てきてしまう。

 症状や状況はしっかり伝えましょう。

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