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【SS】噛ませ犬ごはん②|#毎週ショートショートnote

「井上、今度のお題は『噛ませ犬ごはん』だそうだ」

植物学者の木下は、新聞の投書コーナーの話を助手の井上にも振ってみた。

「タデ科イヌタデ属のイヌタデみたいな、犬が付いた植物のご飯の話を書けば良いんじゃないですか?博士」

「しかし、イヌタデもイヌゴマとかも『犬も食わないくらい不味い』という意味の犬だからなぁ。噛ませ犬のごはんだとしても、美味しくないのはかわいそうだと思ってな…」

博士は意外と心優しい。それに、甥っ子の友だちが、この投書コーナーを読んでいるそうだ。どうせなら楽しいお話にしてみたい。

 ここには、たくさんの動物が集まる。
 噛ませ犬、負け犬、当て馬、野次馬、
 古狸、一匹狼、風見鶏、閑古鳥…など
 寂しいようなイメージの動物たち。
 でも、みんなと一緒にごはんを食べると
 とっても楽しい。
 ご飯は、給食当番みたいに順番で作る。
 今日は、噛ませ犬ごはんだ。

木下投喜知老(博士の投稿名)


[410字]

全然楽しくもなんともない話で、かえって「当て馬って何?」とか、質問攻めになりそうなお話になりました。博士のショートショート王への道は、かなり厳しいみたいです。

#毎週ショートショートnote
#ショートショート
#噛ませ犬ごはん

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