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壁を壊す旅の結末とアルフェンの結婚前夜 (テイルズオブアライズ DLC追加ストーリー Beyond the Dawnを遊び終えて トロコンプレイレビュー【画像あり】)



はじめに

こんにちは、ご無沙汰しております。
今回は2023年11月9日に配信開始されたテイルズオブアライズ(Tales of Arise)のDLC追加ストーリー「Beyond the Dawn」をトロフィーコンプリートまで遊んだ上で抱いた感想をレビューとしてまとめます。

タイトル画面
本編で全クエスト制覇をしていたり、レベルMAX(100)まで上げているとボーナスあり
やり込み具合をきちんと形で評価してくれる開発に感謝。

はじめに、毎度のことながら当サイトの記事は全てゲーム紹介や普及を目的とした記事でございません。あくまで個人で楽しみ、遊び終わった際にその時抱いていた思いを形として残すことを目的としています。
「こんなところが楽しいからおススメ!」「こういった流れのゲームです」といった記事はお金をもらっているライターさんが様々なところで書かれていると思うのでそちらをご覧下さい。

また、追加ストーリーから本編を振り返る内容の為、本編のネタバレ前提での記事となりますのでご覧いただく際はゲームを遊び終えるか、あらかじめご了承いただいた上での閲覧をお願いいたします。

1年ぶりに全員集合(ユーザーは2年ぶりのDLC)

プレイ概要

総プレイ時間は約30時間

以下の画像では30時間を少し越えていますが、これはアクセサリー作成で頭を悩ませたり、ちょっとした用事で退席していた時間を含むのでおおよそ30時間という表現がしっくりきます。
なお、トロフィーやクエストなどを意識せずに真っすぐストーリーだけを進めると10時間もあれば遊び終わると思います。

遊んだハードはプレイステーション5(PS5)

基本的にトロフィーや実績といった開発が遊んでほしいという思いを込めたであろうシステムがあるハードを選択しています。
実際にPS5で遊んだ際の設定は4K60fps、パフォーマンス優先になります。

究極のゲーム体験が今ここに!

達成内容はストーリークリアにトロフィーコンプリート+α

今回はトロフィー内容も含めて達成した内容を箇条書きで記載します。

  • 追加ストーリー「Beyond the Dawn」ストーリークリア

  • トロフィーコンプリート(11個)

DLCだからかすごく内容は簡単です。
もちろん本編もトロコンしています。
DLCはプラチナがないので少し残念。
  • 全サブクエストクリア(40個) ※1個でも逃すとトロフィーを得られません。

美食おじさんも健在
  • 全キャラクタークエストクリア(12個) ※1キャラクターにつき2クエストずつ計6キャラクター12クエスト。1個でも逃すと以下同文。

  • *追加ストーリーにおける最終武器と呪われし魔装備を全キャラクター分入手。

呪われし魔装備はこちらにずらっと勢ぞろい。
全て開封した際の光景もなかなかに圧巻。
  • *全ての似顔絵を発見

トロフィー対象はこれの個別版です。
メンバーは皆よく見て描けてると言ってたけど顔は…?
  • 修練場で集団戦の最上級をクリア ※集団戦は全てクリア

  • 全キャラクター全スキル取得

明らかにSPあまるよね、うん。
  • 星霊花全入手(31)

  • *ギガントモンスター全撃破(9種)

「*」マークが付いているものは探索で見落とさなければ達成可能です。
とはいえ、ギガントモンスターは全種倒すとなると見逃しがちで筆者も1体だけ探しました。
それ故に全箇所の記載をしてもよかったのですが、執筆時点で攻略サイトにまとめられていない点から無断転載されても嫌なのでやめておきます。
個人的に気になる方がおられましたらX(旧Twitter)までご連絡下さい。

とはいえせっかく見に来ていただいたので名前だけでもと掲載。

思い出せる範囲で書き出すとこんな感じでしょうか。
他にもレベルMAXやら釣りやら宝箱やらプレイレコードとして何かしらやれることはありますが、配信者でもない一個人で遊ぶ要素としては自己満足かつ作業でしかないのでそこまでは遊んでいません。

また、同じ理由でギガントモンスター挑戦時の難易度もノーマル(アイテム使用なし、修練場と同じ条件)にしています。
ハード以上の難易度に配信者でもない一個人で挑むほど価値が見出せなかったのでやめました。

以下におまけとしてストーリークリア時の装備を載せておきます。
せっかくのDLC追加ストーリーなので普段遊ばないキャラクターで遊ぼうとのことで操作キャラクターは終始テュオハリムにしました。
※DLCではない本編プレイ時はロウが中心、ときどきアルフェンでした。

貫通力極振りルナータフラッシュで敵を完封スタイル
Q. 貫通力ならヒットリングでも良いのでは。A. ピーキーで扱い怖いです。
詠唱時間短縮特化スタイル
メイン構成にキサラがいるのでヘイト管理用に1枠使用。
詠唱時間短縮と消費CP減少のハーフスタイル
ベースがミスティシンボルなのは消費CP減少の方がコスパが悪いから。
耐久力をベースにヘイト管理、属性防御を意識した基礎ステータススタイル
ごめんなさい、自身で使わないので深く考えていないです。
ここから二人は控えなので完全なブーストアタック特化スタイル
この特化アルフェンとリンウェルがいればナザミルは完封できます。
ロウももれなくブーストアタック特化スタイル

ちなみに今回のDLCは特典コードに衣装が付属していたので、せっかくならと本編でやらなかった全キャラクターをDLC衣装でまとめてみました。
個人的に一番かっこいいor可愛らしいをコンセプトとして予算を抑えながら衣装を選択しています。
付属特典コードの衣装はリンウェルとテュオハリムの着ているもので、他のキャラクターはもれなく別売り1,650円のコスチュームプレミアムパックのものとなっています。
この衣装、ストーリー中のムービーにも反映されるので終始この衣装で冒険できることが満足感が高かったです。

なお、お気に入りは衣装で言えばアルフェンとシオンのペアルックかつ中二病なまさにテイルズらしい衣装。
本編時の基本衣装よりも豪華でカラーリングも揃っているので二人のエピソードの没入感が高まります。
衣装以外の点で言えば髪型という点でテュオハリムとキサラ、アルフェンあたりが好きです。
天然パーマのテュオハリムはらしいといえばらしいですが、復興に向けてきちんと整えたこの髪型は決まるなぁと。
アルフェンも真ん中分けだとオタク感が強かったのでオールバックになるとさわやかで素敵だと思います。
また、キサラはセミロングヘアーに性格が出ていて素敵ですが個人的にはこちらのショートポニーテールがフレッシュさが出て好きです。
本来ポニーテールであったシオンはロングポニーテールに変更することで差別化しています。
ロウとリンウェルは微笑ましいよね。それ以上に語ることはありません。

遊んでいて印象に残ったポイント

ここが良かったと感じた素敵ポイント

ここが良かったなぁと感じたポイントを箇条書きにしてみました。

  • 日本らしさの光るアニメーショングラフィック

  • テイルズらしさの光るちょっと痛い楽曲と盛り上げBGM(好きな人は好きだろうけどひいき目抜きにすると少し痛い。でもこの痛さがテイルズの魅力らしいのでこちら側の評価)

  • 戦闘や探索でのテンポの良さ(戦闘への移行と終了はノータイムだし、探索時のはしごはダッシュ可能で軽快、マップ内に戻る専用の段差があったりと至れり尽くせり。

  • PS5版ゆえの短いロード時間と軽快な動作

  • シオンの成長 (文字通りトゲトゲしていたシオンが棘がなくなったことで愛情深く魅力的な女性に成長したことが感慨深い。)

ここより街の風景集
なぜアルフェンがメインなのか。
操作キャラクターと表示キャラクターは別です。

ここは残念だったと感じた改善ポイント

逆にここは残念だったと感じたポイントを箇条書きにしました。
テーマそのもので改善できそうにない項目は記載していません。

  • ワンパターンな戦闘システム (コンボ数を稼いでブーストストライクをするだけの戦闘であり、それをしなければ長引く。戦い方の強制を感じさせられ自由がない。オート戦闘?それを利用すればアクションゲームとしての評価は失われると思います。)

  • 味方NPCの思考レベルの低さ (敵の大技が来るタイミングで逃げずNPC全員被弾し操作キャラクターだけが生存することが多々ある。)

  • キャラクターの情緒が明らかにおかしいところ (会話ができていたかと思えばすぐにキレたりとコミュニケーションエラーが多すぎる。)

  • ヴィスキント宮殿の動線の悪さ (全体的に見ればストレスフリーなマップになっているにもかかわらず、なぜか宮殿だけ入り口を経由しないと1階2階の行き来ができず、何度もマップロードを挟む形に。今回ストーリー上行き来する場面もあって印象に残ります。)

  • ズーグルの素材万能説 (クエストでは脳死のようにズーグルの素材をお願いねと言われる。何の素材にでもなるズーグルの存在とは一体…詳しくは印象に残ったポイントにて。)

  • 突発発生会話が連戦ボーナスと絶望的に相性が悪いところ (画面左下に発生するボイスあり突発発生のメンバー会話が早送りや別画面で見ることができない為に会話を聞いていると連戦ボーナスゲージが毎回失われるのは辛い。突発発生会話自体も1度しか見られないものが大半で聞いている間に敵に絡まれると二度と見られない。)

  • 連戦ボーナスを利用しても上がらないレベルシステム (でも利用しないとさらに上げられない鬼畜のレベリングシステム。そこに突発発生の会話を挟むなんて人間のすることじゃないね。)

  • ゲーム開発陣における価値観の押しつけが強い (今回のストーリーでは一人は寂しい、相手がいるから生きていられるというテーマからその関連の言葉が多く発生する。単身者のユーザーを煽りすぎだし、幸せはペアであってこそと訴求するスタイルは価値観の押しつけとしか言えない。それを強く示すのが登場キャラクターが6名かつ全てがペアになっている点。1人のもれもなくペアしか存在しない勇者パーティ、気持ち悪すぎる…)

  • 急な回想によるタイマンバトル

  • 主人公の精神的な成長力のなさ (一応最年長なんだけどね…)

ストーリー中に平気でこんな展開になる。

以上、良かった点と残念だった点を踏まえた上で特に印象に残ったポイントを少し掘り下げて語っていきたいなと思います。

良し悪しがはっきり分かれた戦闘システム

このゲームはアクションRPG(ロールプレイングゲーム)をうたっているのもあって、まずはじめに語る項目として外せないのがこの戦闘システムです。
この戦闘システムにおいては、関連した項目を含めて良かったと感じたポイントと残念だったと感じたポイントが同居しています。

良かったと感じたポイントで言えば、なんといってもテンポの良さ
これに尽きると思います。
マップで敵にぶつかるとほぼロード時間なく敵との戦闘が開始され、双方がリアルタイムで動く形へ。
主人公達はユーザー操作のキャラクター1名と3名の仲間がNPCとして計4名で戦いに挑みます。敵は1体から6体まで、対策方法がそれぞれ異なるモンスターがごちゃ混ぜとなり、臨機応変な対応が必要に。
自身が組み合わせたスキルでコンボを繋いでいき、敵の体力が低くなったりコンボ数が高くなるとブーストストライクというコマンド入力が発生し大技で敵に止めをさすと、これもまたほぼロード時間なくマップ探索の画面に戻り画面左上に操作不要な戦闘結果画面が出るといった流れになります。
ここまで見て思うのは余計な時間のなさですよね。
非常にスムーズに探索→戦闘→探索へと推移するのでこれを続けるだけでも面白いと感じられるゲーム体験が可能です。
さらにサポートする要素として連戦ボーナスというものがあり、次々と戦うことに対してポジティブになれる良い作りだと思います。

ただし、それに対してネガティブとなる要素が先ほど残念だったポイントで述べた「ワンパターンな戦闘」と「突発発生会話」と「レベルの上がらなさ」です。

戦闘のテンポこそ良いものですが、戦闘のシステムは正解と言われるテンプレートがあってそれを強制される形になります。
※あえて抗った遊び方も良いと思いますがそれは縛りプレイに近いです。

というのも、戦闘では敵の体力を減らし、コンボ数を高めてブーストストライクすることでほぼ100%敵を倒すことができます。
逆に言えばブーストストライクしなければ敵を倒せずコンボが続くことになるので戦闘が長引きます。
その為、スキルやアクセサリーの選択基準は必然的にコンボが繋がりやすく、ダメージが出やすく、敵をブレイクしやすいもので選ぶことになり自由がなくなります。
さらに言えば、キャラクター毎にコンボの繋ぎやすさ、ダメージの出やすさに圧倒的な差があるのでキャラクター選択自体を制限されることにもなります。

結果、このキャラクターと戦闘システムの強弱に対して明確な正解が存在するシステムは好きになれませんでした。
いわゆるテンプレ構成といったものですね。
強いからテンプレと言うんだなんて言いますが、それを利用しないと快適に遊べないようなゲームは調整不足だと思いますけどね。

※今回のDLCではあえてヘイト管理やサポートを意識した構成にして遊んでいましたが、結果からすればコンボ数やダメージに優れたキャラクターで固めた構成のほうが楽に進めることができると感じました。
このあたりはキャラクターの個性にも繋がる部分なので調整が難しいとは思いますが残念な印象であったと言わざるを得ません。

また、その戦闘システムに付随する形でネガティブな要素となるのが「突発発生会話」と「レベルの上がらなさ」でしょう。

連戦ボーナスを狙って探索しようと思えば、急にキャラクター間でボイスありの会話がはじまって左下に表示されます。
この突発発生会話、場面や進行状況に合わせて大事なことを話していたりもします。しかもそれは1度限りで。
話している間に敵とエンカウントしてしまえば二度と聞くことはできません。
となれば足を止めて聞きますが、聞いていると連戦ボーナスが時間切れとなって1からとなってしまう。なんて相性が悪いんだ。

ではそんなに連戦ボーナス*という要素が必要かと問われれば、レベル上げに対して必須だと答えます。
*連戦ボーナスは獲得経験値に対してプラス補正がかかるのです。

それほどにレベルが上がらない。
オンラインゲームほどではないにしろ、コンシューマーゲームとしてはやりすぎなくらいのレベルの上がらなさ。

仮に寄り道せずに真っすぐストーリーを進めた場合、最後のボス敵と自身のパーティのレベル差は10以上あるでしょうね。
※今回のDLC追加ストーリーで言えば、開始時点でレベル70、ラスボスはレベル90、トロフィー対象のギガントモンスターはレベル80-90が中心で修練場の最上級設定レベルは99です。
何も意識せず初見として自由に遊んだ際の最終着地レベルはどのあたりでしょう、おそらくレベル80を超えればいいところだと思います。

結果、レベルをMAXまで上げようとするのなら、当然膨大な回数の戦闘をしなければならないことになります。
あのテンプレ戦闘を、何度も何度も。
行ったことのある場所でロードを挟み敵をリポップさせ、何度も何度も。
この作業に楽しさを見出せるのならば評価は変わるんでしょうね。

ちなみにDLCでは適用できるかわかりませんが、本編では「レベル+5」なんていうエグい課金アイテムを販売していました。
そう、時短アイテムとして出せるくらいレベルが上がらないことは認識しているわけです。なんなら認識ではなく意図的に上がらないようにしているのでしょう。しかも有料として販売を行っているのだから悪質な会社だなぁと感じました。本編のトロフィー内容にレベルMAXもあるので救えません。

この点から見えるのは、この会社はゲームの面白さより金が儲かるかの方が大事だと言う姿勢です。
ゲームはビジネスなので売り上げを考えることは当然で理解できますが、それを表に見せるのはNGだと思います。
このリンゴ、おいしいかなんて知らないけど金が稼ぎたいので買って下さいと売り込まれて購入しますか?
そんな姿勢が見える会社のゲームもまた、正しく評価されないことは自然なことだと思います。

最低と言われても仕方ないお粗末なクオリティ

次に、今回のDLC追加ストーリーを語る上で外せないのはこのDLC追加ストーリーがおざなりな出来だということです。
会話なら適当なゲームだねといった感じになるんでしょうが、適当だと正しいという意味になっちゃいますからね。

本編の発売から2年も経ってからDLC追加ストーリーが発売されること自体が珍しいですが、その2年を感じさせないやっつけ仕事感がすごく感じられます。
大方、賞も受賞したし評判も良かったので新規作品を作るよりこちらを掘り下げておこうといった感じでしょう。

それも表に見せるのはNGです。そうではあるんだろうけど面白さでそれを見せないようにしてね、というのが1ユーザーの本音じゃないでしょうか。

残念ながら今回のDLCはクオリティが高くないのでがっつり見えてしまっています。
それを顕著に感じたのが、使いまわしがベースのマップ構成クエスト内容ですね。

マップは本編で出てきたマップをそのまま使用し、都合の悪い接続部分にはそれっぽい理由をつけたNPCを立たせて封鎖。
都市間の探索マップは数を大幅に減らしてそのまま使用。
DLC追加ストーリーの新規追加マップは外廟だけです。
何なら登場モンスターも新規枠はラスボスだけです。
道中は本編でも登場したモンスターを黒塗りにしただけの別モデル。

追加マップ1
追加マップ2
追加マップ3
えっ、3つだけ…?
これはどこかで見たことある
こっちはないかも
えっ、追加モンスターこれだけ…?

それだけではありません。クエスト内容も散々ですよ。
40個あるクエストの内容はほぼ全てズーグルの素材を集めてきてです。
家を直したい→ズーグルの素材がほしい。
アクセサリーを作りたい→ズーグルの素材がほしい。
祭りをしたい、料理を作りたい、街道を邪魔してる。
ズーグルの素材がほしい、倒してほしい。

アルフェンは自身のことを便利屋だと思っているようですが、実際はハンターですよね。モンスター討伐専用の勇者でしょう。
炎の剣だなんて言われてますけど、それズーグル討伐ですよね。
少なくとも頭で必要だと言われたことはないし、対話で必要だと言われたこともない。お前はズーグル狩る為の便利屋だって感じ。
こんな人物として中身のない狩猟奴隷のような存在にしたのは開発そのものだと思うんですよね…

たしかにクエスト内容としてメインになるのはモンスター討伐でしょう。
他にクエストとして依頼する要素がないのもわかります。
ただこれはない。本当にズーグルしか出てこないし、ズーグルって言っておけば良いまである。こんな中身のないクエストの数を揃えてトロフィーにするくらいならクエストなんて廃止してしまえと思うのは私だけですかね。

…えっ、2年間も経った上でのDLCなのにそれだけなんですか。
わかりますよ、2年間といってもDLCの制作を決定してから開発したのはもっと短い時間なんでしょう。

でもね、ゲームには賞味期限*があるんですよ。
もちろん、遊ぶタイミングはユーザー次第ではありますが、新規タイトルが発売から盛り上がっていられる時間は限られています。
特にRPGの追加ストーリーともなれば、そのストーリーが頭に鮮明に残っている内にリリースしなければ本編のストーリーが忘れられて(記憶が薄れて)しまいます。
*ここでの賞味期限とは、そのゲームをおいしくいただける(話題性に則って最大限楽しめる)期限を表しています。

今回のテイルズオブアライズであれば、既に発売から2年経っています。
発売時点で遊んでいたユーザーからすれば、ストーリーを鮮明に覚えている人ははたして何人いるのでしょうね。
少なくとも私は結末こそ覚えてはいたものの、大部分は完全に忘れていました。

であるならば、不本意でしょうけど本編をダイジェストでまとめたムービーを作成して始める前に見れるようにするしかないでしょうね。
今や任天堂のキラーコンテンツとなったあのRPG作品は2年も経っていないにも関わらずDLC追加ストーリー販売時に上記の対応を行っていましたからね。
結局そこにも出るんですよ、面白さより金を稼ぎたいという気持ちがね。

余談になってしまいますが、このDLCを発売するにあたって販売形態はDLCのみダウンロード販売か、本編ディスク+DLCコードが入ったパッケージ販売でした。
なぜ本編ディスクにDLCの内容を詰め込まないのでしょう。
答えは簡単、DLCを必ずダウンロードという形で定価購入させる為ですよね?さらには遊び終わった後にそれが中古流通して売り上げが落ちない為でしょう。汚いよ、バンダイナムコさん、汚すぎる。
本当に残念にしか見えないことが残念だよ。

キャラクターの後日談という名の本編エンディング後までを描く矛盾

ちょっと表現が難しかったのでそのままタイトルにしてみたら意味不明な感じになってしまったかもしれません。

改めてまとめると、今回のDLC追加ストーリーは本編後の後日談を描くストーリーだと聞かされていました。

が、実際に遊んでみると本編クリア時とエンディング時の間のストーリーであったことがわかりました。
というのも、本編エンディングの際に流れていた映像では、アルフェンとシオンの結婚式の様子が描かれています。

それに対して、今回のストーリーはアルフェンとシオンが結婚式を行うまでの様子が描かれています。
この違い、細かなものでちょっとした齟齬(そご)じゃないかと思われるかもしれませんが個人的には期待していたものが大きく異なります。

私としてはアルフェンとシオンが結婚した後のストーリーが見たかった。
結婚するという事実は2年前の本編エンディング時にわかっていたので、2年後に結婚するまでのストーリーを知りたいとなんて思わないわけですよ。

…何度も言いたくないんですが、やっぱりここもズレてるなと。
結婚前夜のストーリーであれば既に結果を知っているので興味がない。
それよりも、1ユーザーとしては結婚した後にどのようなストーリーがあったかを知りたいし、ロウやリンウェルの進展、テュオハリムとキサラの進展が知りたいわけですよ。
※矛盾しますが実はキャラクターの色恋について個人的には興味がないです。ユーザーとしての意見はこんな感じかなという具合で語っています。

なので、このタイミングで結婚前夜のストーリーは不要だと思います。
純粋に結婚後、ナザミルが登場して復興がどうなったかといったストーリーであればすんなり受け入れることができたと思います。
こういう細かなズレから何を意識してこのゲームがリリースされたかが個人的にわかってしまうのでただただ残念だなぁ…
きっと本編発売時は追加ストーリーを作る気なかったんでしょうね。
でも話のネタとして結婚式がやりやすいので無理やりテーマとして入れたんだろうなぁ。

なお、アルフェンとシオンの結婚前夜についてはEXクエストという形で関わっていくことになります。ご丁寧にシオンの日記というものまで用意されてまるで某有名漫画の映画作品みたいです。
というかそれを丸パクリしたようにしか見えない。

まとめ

ということで、長い間駄文にお付き合い下さりありがとうございました。

私自身、2年ぶりにテイルズオブアライズの追加ストーリーが出るということで楽しみにしていた部分はあります。
実際にリリースされて2年ぶりに起動した際、「いやー、懐かしい!戻ってきた感じがする。」と感じたものです。

ただしそれは、2年という長い期間があってテイルズオブアライズをある程度忘れていたからなんだろうなというのが後になってよくわかりました。
変わらない使いまわしの要素などを見るうちに、安心感がありつつもどこか新鮮味がなくて新作にも関わらず積極的に遊ぼうと思えなかったのが本音なのかなと思います。

元々、テイルズオブアライズ本編では3対3の合コンのような色恋が強すぎる表現は嫌いでした。苦楽を共にする中で自然とそういう気持ちになることは理解できますが、それにしてはお膳立てされすぎている。
なぜこの勇者パーティは男3女3、年代も3世代で男女は同世代で合わせてあるのか。
なぜ誰も彼もペアとなる人間がいるのか。いなくてはならないのか。
それは開発による一方的な幸せの形の押しつけだとしか感じられません。

今回、ナザミルというダナとレナの両親を持つヒロインが登場します。
後にこの両親の形こそが未来の象徴であり、6属性全てを備える新人類の誕生であることがテーマとして語られますが、本来のテーマをおまけのようにしか感じられないほど主人公達の色恋に関するストーリーが多すぎたと思います。

登場時
少し経って
その後
その後2
どうしてこうなった。
どうしてこうなった2
ずいぶん明るくなりました。
守りたいこの笑顔

結果、色恋しか印象に残らないので薄っぺらい作品だなぁとなるわけです。
ナザミルもまた、一人では寂しいと終始悲しんでいた子ではありますが、一人だから寂しいのでしょうか。一人は不幸ですか?
このゲームからは一人に対する答えが不幸であるという回答しか得られなかったのが評価の全てに繋がってくるのだと思います。

その中でシオンの成長に関しては好意的な印象として心に残りました。
本編では物理的にトゲがあって精神的にも他人と触れ合うことができませんでしたが、そのトゲがなくなったことで触れ合うことができるようになったシオンの性格は明らかに良い方へ変わりました。
何も成長していない感情的で一方的なアルフェンに寄り添い、冷静に諭したり自身は決して怒らず一歩引いた立場で彼や仲間を支える姿が一人の女性として立派で素敵だと思いました。

シオン画像集
個人的なベストショット
一歩引いて見守る姿

そんな思いで遊んでいたらエンディングが近づいてきて、急に主人公は「壁を壊す!」と言い出してはじめてそういえばそんなストーリーだったなと気づきました。進撃の巨人で言う「駆逐してやる…!」と同じですね。

私は主人公達の思考レベルを下げることによってストーリー進行を成立させることが嫌いです。
普通考えればわかることを進行の為に急に思考をバカにさせてわからなくさせたり、散々本編で後悔してきたことを繰り返さないよう意識していたのに、DLCでは急に意識が吹っ飛んで過ちを繰り返す。
ストーリーとしてチープすぎるし、そんなものに面白みは感じられません。

ゲームとしてストーリーをどの程度意識して評価するかは人によって分かれるところだと思いますが、私個人として思ったのは今作のストーリーは綺麗事を言う大人そのもので醜いビジネスの色が強く出た作品であったと感じます。そんなストーリーに翻弄された登場人物達もまた不幸なのかもしれませんね。

この方覚えておられますか。

と、色々言ってまいりましたがそろそろ終わりにしたいと思います。

テイルズオブアライズという作品はアクションの面で見れば面白みのある反面、ストーリーや登場人物に目を向ければ心情が薄っぺらく魅力がなかったなと感じました。
何をもって楽しい、面白いと判断するかは人それぞれです。
ただ、その判断要素の中に露骨なお金のにおいをさせることは評価できませんし、大きなマイナスポイントとなったと思います。

この作品1つでテイルズを語ることは当然できませんが、この作品を遊んだ者としては今後のテイルズ作品はもういいかな、遊ぼうと思わないかなというのが率直な感想です。

最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。
より良いゲームライフをお過ごし下さい。

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