お茶とコーヒーと虫歯

モロッコといえばミントティーだろう。むしろミントティーといえばモロッコを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

いやはや、本当に朝からガブガブ飲むし夜寝る前にもおいミントティーといった具合だ。それに初めて見ると目を疑うようなレベルの砂糖の量。ちょっとひく、なんてレベルじゃあない。時々カットされた砂糖でなく、岩塩如き巨大な塊で出されるから、おぉっとなる。(商店などで巨大な三角柱の砂糖が売られているのでぜひ見ていただきたい)それにしても、おそるおそる口を付けてみて役大半の人が美味しいと回答するからこれまた驚きなのだが、事実美味しいのである。かつて砂漠でラクダにゆられ辿り着いた砂丘のキャンプ地にていただいた一杯は格別だった。逆に日本で飲んだろどうなんだろう、、、と時々思い浮かべるがやっぱり乾燥したモロッコの大地で、汗をかきつつたっぷり観光した後なんかはうってつけだと思う。また、寒い時期にはタイム系のフレッシュハーブを入れるのだが、これがまたじんわりと美味しい。寒い時期はミントがあまり出回らなくなる。この時期のミントは高いし美味しくないと地元の人は話していたが、夏にミントたっぷりのミントティーで身体をさます作用があるから、冬は逆に身体をあたためるハーブに切り替えており理にかなっていると思われた。

最近のこじゃれたカフェなんかでは砂糖なしや、冷やしミントティーなどモロッコ人からしたら邪道な飲み方が観光客の定番となっている。美味しいけど、あの砂糖の量はちょっと、、、的ないかにも健康面を気にする人のリクエストだろうが、地元民で飲んでる人はほとんど見ない。確かに身体のことを考えるとう〜む、コップを手に持ち談笑中のおじちゃまがにっと笑えば大抵歯がないので頷ける。それにしても旧市街では、若者でも歯がない若者をよく見かけた。さすがに乳歯とかではないから、生えてこないだろう。喧嘩によるものとも理由は考えられるが。(これまた喧嘩はよく見かけた)逆に新市街で見かける若者の中には歯科矯正をしている人だっている。貧富の差という見解で片付けてしまうのもあれだが、歯磨き指導とかどうなってるんだろうなと思う。今でこそ歯ブラシは当たり前に見かけるが、モロッコ人の間での歯ブラシは木の枝なのである!砂漠出身の30代頃のそこそこ若い人も歯ブラシより断然こっちが良いらしい。歯ブラシだけでなく、糸ようじも天然の乾燥した植物のつぼみのようなものを使う。つぼみから1本1本ちぎり取って使うのだが、なんというかころんとして見た目も可愛い植物なのだ。

今回はミントティーの話だけではなく、実はモロッコではコーヒーも飲まれているという話。

カフェ文化はフランス植民地時代の名残から、至る所にカフェがある。いわゆる地元のおじさまが集うオヤジカフェから、外国人経営のオシャレカフェまで外観も内装も様々。両者の大きな違いといえばカフェのメニューが異なる点だろう。オヤジカフェでのメニューはシンプル。コーヒーを中心に絞り立てのオレンジジュースか、コーラやファンタ系炭酸飲料といったところ。コーヒーメニューではノスノスというのが馴染みが深くフランス語で半分半分という意味だが、つまりコーヒーとミルクを半々という非常に分かりやすい品名となっている。またご丁寧にこうしたコーヒーを1杯頼むとミニサイズのペットボトルの水が付くのだ。ついつい長居してしまうし、その後の散歩のお供にも役立った。時々この水のブランドで、あ〜この店は政府系のコネがあるのだなとか、となんとなく政治状況も垣間見れたりして勝手な想像を繰り広げ暇つぶししたものだった。おじさまに時に人気なのが濃ゆ〜いエスプレッソ。更に体に悪そうな色のガムシロップ付き。私はもっぱら甘くしたカフェラテばかりを頼んでいたが、そんな生活がたたってか帰国後2年半振りの歯科検診にて虫歯が見事13本も見つかった。(うち1本抜歯、2本は神経も取った)そりゃそうなるわなと悔しさより妙に納得したものだった。


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