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凶悪犯

えらい人。例えば、紛争地で医療を施す方々。自分の命をかけてでも命を助ける消防士。そういう人たちから見たら、凶悪犯罪者はどう映るだろうか。
きっと、殴りたくなるような感情や泣きたくなるような感情になると想像する。
そしてこういうかもしれない。「僕たちは、尊い人間の命を救ってきたのに」

でももし、そういう「えらい人」が凶悪犯罪者とまったく同じ環境で育ったとしたら、と想像してみる。
遺伝子によって違いはあれど、彼らもそうなったかもしれない。
それよりマシかもしれないし、もっと凶悪だったかもしなかった。
何かのラッキーで、「えらい人」になった人間が凶悪犯を凶悪だという理由で断罪する。
何かのラッキーをと言うと怒られるかもしれないけれども、「えらい人」を軽蔑したいんじゃない。彼らも彼らで、覚悟を持って、僕が一生かかってもできないような努力をして、自分を律してきたのだろうから。それでも、僕はそれを思えることや表現できることもラッキーだと言いたい。それを思うことも表現することも暴力で制限された人々がいるのだから。

凶悪犯というのはハコだ。社会の歪みを入れるハコ。この社会の不条理、つまり偏見とか差別とか、そういうものたくさんそのハコ一つに入れていくんだ。
僕たちが生み出した歪みのハコ。


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