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人間性を高める経営を考える!

皆さん、こんにちは! 社長の大学主宰、株式会社リンケージM.Iコンサルティングの長谷川博之(はせがわ・ひろゆき)です。
会社には、「科学性」「人間性」「社会性」が求められます。
ドンブリ勘定ではなく科学性に基づいた企業活動をしなければ、世の中に役に立つ商品が開発できず、適正な利益を得ることができません。
結果、税金を納めることもままならないということです。
これでは、社会の役に立っているとは言えません。
また、何でもいいから儲かればいいということではなく、そこには倫理観も人間性も必要です。やはり、人間性の高い人の仕事は素晴らしいと思いますし、そう思わせるひと味違う何かがあります。
そこで今回は、「人間性を高める経営を考える!」というタイトルで、普段仕事の現場で考える機会の少ない「人間性」にフォーカスして、様々な視点から「企業活動や仕事」と「人間性」について考えたいと思います。
これからの企業は、人間性の開発に注力する必要があります。


これからの経営は、いかにして人材を採用するか!

私は仕事柄、数多くの経営者に会います。
経営者と会話をするのが仕事だといっても過言ではありません。
経営者の年代も、30代~80代と幅広くお付き合いがあります。
もちろん、30代の経営者と80代の経営者では、幼少時の社会背景も大きく違いますし、そもそも仕事に対する価値観も大きく異なります。
ですから、経営に対する考え方やスタンスも違って当然です。
コンサルタントをしていると、様々な業界の様々な経営者とお会いできるので、視野が広がります。
様々な経営者がいる中で、共通した話題といえばやはり「人材」です。
特に、ここ数年は人手不足が顕著です。
新しい取り組み、新規事業なども、「人さえいればやりたいが、今は無理です…」という会社が非常に多くあります。
中には、人がいなくても無理をして新しい取り組みを始めたクライアントにいますが、不思議なことに、忙しくなってくると人材の採用がきちんとできていることです。
本当に必要な人は、必要な時にやって来るということです。
何だかスピリチュアルな話しですが、れっきとした事実です。
間違いなくこれからの経営は、優秀な人材をいかにして採用できるかがポイントとなります。
あなたは、人材採用をどのように考えているでしょうか?
「企業は人なり」と言いますが、どれだけ真剣に考えていますか?


採用活動で決まる業績!人材採用戦略を考えましょう!

先日、あるクライアントと話をしていました。
この会社も例に漏れず、人材がいれば新しい取り組みを行うとのことです。
そこで、採用活動を開始しました。
このクライアントとは、かれこれ15年程のお付き合いですが、社員数は15年前の4~5倍になっています。
気がつけば地域ナンバーワン企業です。
この会社の採用の基準は、「人間性」です。
スキルではないのです。
どんなに高度なスキルを持っていようが、人間性が悪かったら(自社の文化に合わなければ)採用しないという考えです。
スキルは、後でいくらでも教えることができるからです。
なかなか、ここまで言い切る経営者も珍しいと思います。
面接も応募者一人に対して3回行うと言っていました。
途中採用でも、相当ハードルが高いのです。
つまり、労働力を重視しての人材採用はないということです。
このように、理想の人材を明確にして、採用活動でハードルを高くしておくと、自社の文化に合わない人、人間性の悪い人は入社しないことになります。
その代わり、なかなか人材が採用できないというデメリットが生じるかもしれませんが、このクライアントに限って、そんなことは感じさせません。
むしろ、いい人材が数多く集まっているような気がします。


二宮尊徳の言葉に学ぶ、企業活動の真理とは?

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二宮尊徳の残した言葉で、「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」というものがあります。
二宮尊徳は、江戸時代後期の経世家、農政家、思想家で、通称「二宮金治郎」として有名です。
二宮尊徳は、「経世済民(けいせいさいみん)」を目指して「報徳思想」を唱えました。
また、「報徳仕法」と呼ばれる農村復興政策を指導したことでも有名です。
「経世済民」とは、世の中をよく治めて、人々を苦しみから救うという意味で、そうした政治のことをいいます。
「経」は治める、統治するという意味で、「済民」は人民の難儀を救済することをいいます。
「経世済民」を略して「経済」という言葉になりました。
「報徳思想」とは、経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく、社会に貢献すればいずれ自らに還元されるという考え方です。
会社には経営理念がありますし、企業倫理というものもあります。
会社にとって、儲け=利益は大切です。
ですが、経営理念がなければ犯罪なのです。
また、経営理念は大切ですが、儲け=利益がなければそれは寝言なのです。
ビジネスですから、経済性と利益の追求は大切です。
なぜならば、利益がなければ倒産するからです。
かといって、楽して儲けるようなことを追求していては、いずれほころびが出て、倫理観のない会社として社会が認めてくれないでしょう。
ですが、経営理念や企業倫理ばかり説いていても利益が出なかったら、同じく社会が認めてはくれませんし、存在できなくなります。
そういった意味では、道徳と経済のバランスが重要だということを改めて二宮尊徳は思い出させてくれます。
私の周りの経営者は、人材の採用や評価の際「人間性」と「スキル」のどちらを重視しますかと質問をすると、「人間性」を重視する人が大変に多くいます。
スキルも重要ですが、仕事は会社という社内のコミュニケーション、顧客や取引先とのコミュニケーションがすべてといっても過言ではありません。
そう考えると、人と人が触れ合うところでことのほか重要なのは、「人間性」や「倫理観」です。


そもそも人間性とは何か?人間性を分解すると…

辞書を調べると、人間性とは…
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人間性とは人間特有の本性であり、人間が生まれつきそなえている性質、人間らしさのことをあらわしています。
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とあります。
人間のあるべき姿を追求した思想は、古代ギリシャやローマ時代に生まれて、宗教や哲学に影響を与えたといわれています。
シンプルに「人間性とは?」と問われたら、一般的には「社会性」に近い意味があります。
太古の人類は、野蛮で動物的でした。その後、進化の過程で共同生活=社会を形成して、組織体として仲良く暮らせるようにルールが作られました。ルールを守ることをベースに、他人に対する思いやりや道徳、倫理観ができたと言われています。
つまり、人間性には「周囲の人々と円滑に付き合える社会性のある性格」という意味があるのです。
また、人間性に似ている「人柄」という言葉がありますが、人柄は本性はどうであれ、他人から見た時にどんな人に見えるのかという、他人からの評価を表しています。


人間性を疑われる行動とは?具体的に何か?

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時々、「人間性を疑われる」という言葉を聞くことがあります。
どのような行動をとると人間性を疑われるのでしょうか?
これに関しては、いろいろな意見があるかとは思いますが3つ程ピックアップしました。
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◆マナーを守らない◆
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どんなに仕事ができても、社会的マナーが守れない人は人間性が疑われます。
たとえば、「路上で唾を吐く」「電車内やバス内で大声で話をする」「人が嫌がること、不快に思うことを平気でおこなう」などです。
私が会社員時代、大手企業から出向してきた取締役がいました。
仕事はできるのでが、頻繁に道路で唾を吐いていました…。
傍から見ていて決して気持ちいいものではありません。
また、約束を守れない人も人間性が疑われます。
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◆人によって態度を変える◆
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人間ですから好きな人も嫌いな人もいます。
ですが、好きな人と嫌いな人で、明らかに態度が違うのは人間性を疑われてもしょうがないでしょう。
相手の役職などによって、態度がコロコロ変わる人は社内に結構いるはずです。
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◆失敗は他人のせいにする◆
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自分の失敗を人のせいにする人がいます。
自己中心的で、自分では責任を取らない人ですし、攻撃的な態度や暴言を吐きます。


人間性の高い人とは?具体的にその特徴とは?

逆に、人間性の高い人の特徴を具体的に紹介します。
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◆人の意見を聞く◆
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人間性の高い人は、自分の意見と対立する反対意見でも素直に聞くことができ、一旦は受け入れます。
このような人は、気持ちに余裕のあります。
そのためなのか、周りの人から尊敬されやすいようです。
自分意見が違うというだけで、もの凄い勢いで反論する人がいますが、これでは人間性を疑われます。
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◆気遣いができる◆
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自然に気遣いのできる人は、周囲を注意深く観察しています。
相手の立場や気持ちを考慮した行動が取れる人は、安心かつ信頼されやすいと言えます。
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◆素直に人を許せる◆
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稀に理不尽なことを言ってくる人がいます。
モンスタークレーマーなどはこれに含まれます。
これではどう考えても人間関係を良好に保つことはできません。
また、争いごとはどちらか一人が一方的に悪いことは稀です。
どちらにも非があることがほとんどです。
人間性の高い人は、自分の非を素直に認めることができますし、相手を許すことができる懐の深い人です。
その結果、幅広い人間関係を築くことができます。
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◆悪いと思ったことには指摘ができる◆
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悪いと思ったことは、見て見ぬ振りをせずに相手に指摘します。
指摘された人は、同じ過ちを繰り返さないよう気をつけて行動ができるようになりますが、逆ギレされることもあります。
道徳や倫理感に沿った行動は大切です。
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◆最後まで諦めない◆
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人間性の高い人は、諦めずに最後まで取り組みます。
途中で投げ出すのは簡単ですが、周囲の人に迷惑がかかります。
最後まで諦めないことが、自分の責任を果たすことになります。
そういった考え方や態度が、多くの人の心をつかみます。


人間性を高めることで得られるメリットとは?

人間性について、わかりやすいようにその要素を分解して紹介しました。
ですが、人間性は数値化できないために、そのレベルがよくわかりません…。
そこで、人間性が高まるとどのようなメリットがあるのかを説明します。
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◆良好な人間関係を築きやすい◆
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人間性が高くなると、自分の意見をしっかりと持った芯のある人になれます。
自分の考えをしっかり持っている人は信頼されるため、良好な人間関係を築きやすくなります。また、人間性の高い人は、気遣いや配慮ができるため周囲から認められます。
結果、良好な人間関係を築くことができます。善循環です。
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◆周囲の人から信頼される◆
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人間性の高い人は、相手の役職などによって態度をコロコロ変えません。
相手によってコロコロ態度を変える人は、何を考えているのかわかりにくいため信頼されません。
また、人間性の高い人は、自分の損得よりも周囲のことを考えた行動を取るので、同性からも異性からも信頼されます。
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◆仕事のプロセスと結果の両面が評価される◆
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人間性の高い人は、向上心があり、前向きで、社会性があります。
たとえば、ミスをした場合でも、自分の責任を真摯に受け止め、同じ間違いを繰り返さないためにも、ミスの原因をひとつひとつ潰していきます。
結果、仕事でもプロセスと成果の両面で評価されます。


人間性の高い企業や人は具体的に何をやっているか?

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48年増収増益、「かんてんぱぱ」でお馴染みの、長野県伊那郡にある「伊那食品工業株式会社」は、社員がイキイキと働く従業員満足度の高い会社としても有名です。
伊那食品工業には、従業員の人間性の高さをあらわす数々のエピソードがあります。
先日、みやざき中央新聞に、こんな記事が紹介されていました。
伊那食品工業の前には道路があります。
会社を背にして右側から自動車で出社してくる従業員は問題ありませんが、左側から自動車で出社してくる従業員は、左折しなくてはいけないため、対向車がいなくなるまで待つことになります。
伊那食品工業には、約500人の従業員がいますから、当然渋滞を引き起こします。
そこで、誰から言われたわけではないのに、左折しなくてはいけない従業員は、左折しなくてもいいように、伊那食品の入口を通り過ぎてしばらく直進して、Uターンします。
そうすると、会社の入口の右側から入ることになり渋滞が起こりません。
また、取引先を自動車で訪問する際も、取引先の玄関から一番遠い駐車スペースに駐車するのだそうです。
このようなことが、無意識のうちにできる社内文化が根づいているのですから、素晴らしいと思います。
そのほかにも、かんてんブームの時、生産が追いつかないため従業員から工場を24時間稼働にしようという意見が出ました。
しばらく24時間稼働にしたのですが、体調不良を訴える従業員が出たので、すぐに24時間営業を撤廃しています。
業績よりも、従業員の健康を優先した、経営陣の素晴らしい決断だと思います。

人間性の話題になると紹介しないわけにはいかない会社があります。
それは、山形県鶴岡市にある秋山鉄工株式会社です。
2018年暮れに社長の秋山周三さんが亡くなりましたが、人間性を重視した経営では間違いなく日本のトップレベルです。
今回は、伝説の社員旅行を紹介します。
通常、社員旅行といえば、旅行代理店に依頼して2~3種類のプランを提案してもらい、その中から旅行先を選びます。
ですが、秋山鉄工では社員が旅行先を決めて、自ら下見に行きます。
そこで、宿泊予定の旅館と交渉します。
「飲み放題は必要ありません」「料理も4割減らしてください」…。この話を聞いた旅館の人は「値引き要求をされるに違いない!」と思います。
ですが「値引きはせず、料金は定価のまま請求してください」と言われるのです。
旅館ににしてみれば、旅行代理店を通していないので、紹介料などのマージンを払う必要もありませんし、飲み放題もなく料理も4割減らして、なおかつ定価のままでいいということになれば、相当な利益が見込めます。
まるで夢のようなお客様だと思ったでしょう。
社員旅行の当日、秋山鉄工の社員約70名が旅館に到着します。
宴会前に温泉に入るのですが、まずやることは、お風呂の入口にある履物を整頓するのです。
大抵このような場合、お風呂を利用しているお客様の履物が散乱しています。
次に宴会ですが、まずは中居さんの紹介からスタートします。
宴会が終わる頃になると、飲みかけのビールは一切ありませんし、料理も魚の骨が残っているだけです。
ですから、残飯整理に労力も時間もかかりません。
翌日の朝は、部屋の掃除です。
そして、布団も浴衣もプロのようなたたみ方をして、最後にチップとお礼状を書いて置いてきます。
これで社員旅行は終わりなのですが、会社に戻ったら、70人の社員一人ひとりがこの旅館の社長にお礼状を書きます。
当然のことながら、この旅館の社長は驚きます。
しばらくすると、秋山鉄工には旅館から請求書が送られてくるのですが、結果的に随分と安い請求額になっているとのことです。
これが伝説の社員旅行です。
秋山社長の考えは、お客様が一流であれば、売り手も一流になるはずだという鏡の法則です。
ですから秋山鉄工は一流のお客様になったのです。


意外と知られていない名優・三船敏郎の人間性とは?

日本が世界に誇る名優「三船敏郎」のエピソードです。
若い人には、三船美佳の父親といった方がわかるかもしれません。
三船敏郎は、黒澤明監督と共に世界のミフネとなった。映画・羅生門は1951年にヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞、1954年には名作「七人の侍」を発表して、その地位を揺るぎないものにしました。
三船敏郎のエピソードとして有名なのは、どんなに夜遅くまで飲んでいてもロケ現場に入るのは一番早く、台本は全部記憶していたと言います。
驚くことに、自分の台詞だけでなく共演者の台詞も記憶していたそうです。
ですから、台本がいらなかったそうです。
それ以来、共演者も三船さんのように台本を記憶するようになったといいます。
また、1962年に三船さんは日本映画産業再興のために「三船プロダクション」を設立します。
社長室は3階にあったそうですが、いちいち3階まで行くのが面倒だということで、従業員が仕事をしている1階に下りてきました。
三船さんのデスクの上は、いつも整理整頓されており、スッキりときれいだったそうです。
それを見た従業員も、三船さんを見習おうということでデスク上の整理整頓を行ったそうです。社長が従業員のお手本になっていたのです。


人間性を高める具体的な7つの方法とは?

実は会社という仕組みには、人間性を高めたり、自分の可能性を試す舞台があります。
たとえば、「資格を取る」「競技会に出場する」「目標を持つ」「明るく元気に挨拶をする」「整理・整頓・清掃」「クレーム対応」など、これらはすべて人間性を高める仕組みです。
最後に、人間性を高める具体的な方法を紹介します。
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①人の立場物事で物事を考える
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人間性が高い人は、相手を思いやります。
そのためには、相手のならどう感じるか、どう思うかを考えて行動してください。
また、相手を優先した行動を心がけることにより、思いやりの心が養えます。
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②ポジティブシンキングの習慣化
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人に信頼されるようになるためには、ポジティブシンキングを心掛け、常に前向きな生活を送ることです。
ポジティブな気持ちがあれば、思いやりが持てたり、人に寛容になれます。
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③自分の思いを素直に表現する
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「周囲から好かれたい」「都合よく物事を進めたい」 などの気持ちから嘘をつくと、最終的に自分が傷つきます。
結局、素直な思いを口に出すことが人間性を高めるためには大切です。
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④自分に厳しく他人には優しく
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人間性を疑れる人は、自分に甘く自己中心的な人が多くいます。
人間性を高めるには、自分に厳しく、他人に優しく接するのが効果的です。
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⑤感謝の気持ちを口にして伝える
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感謝を素直に伝えることで、人間らしさが滲み出ます。
日々の些細なことも、当たり前だと思わずに感謝の気持ちを忘れないでください。
「ありがとう」の一言で、相手からも喜んでもらえるのはもちろん、人間性を高めるには効果的です。
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⑥自分磨きで内面を鍛える
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たとえば、物の考え方を学んだり、態度などを正すことが挙げられます。
ちょっとした態度で人間性を疑われないように、内面から鍛えて人間性を高めましょう。
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⑦読書をする
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読書は視野が広がったり、人の気持ちがわかるようになります。
つまり、追体験ができます。
また、たくさんの知識を得ることで、話題が増えてコミュニケーション能力もアップします。

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