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世界から小さく拒絶される

電車を降りたらまず改札を出ないと、この空間から出られない。
ポケットからICカードを取り出してピッとタッチ!
『ピンポーン!!』

クイズ番組の早押し対決にでも出てきそうな音と共に膝の辺り通行止めの板が当たってくる。赤くランプが光り、後ろを見ると必ず、嫌そうな表情を顔に貼り付けてる人間が1人、2人、3人…

いや、わざとじゃないよ…??

私は小さく拒絶された。


食器洗いをしていると、急に水が止まった。
私は洗い物をしているときの水の音が好きだ。一定のリズムでサーーーとなり続けるから何も考えなくて良い時間がやってきてくれるからだ。

そんな私への至福の音が突然止まった。
あんなに心の中で『え??』と響いたことは久しい。
何が起きたのかと思ったが、単にレバーのようなものに
手が当たって止まっただけだった。

私は私に小さく拒絶された。

アイスを食べていたら
アイスをすくった状態のスプーンをそのまま盛大に服に落とした。
神様、俺なんか悪いことした??

私はアイスに拒絶された。

もう乗りたい電車に間に合わないと思って歩いて駅まで行ったら
乗りたかった電車がたまたま遅延していて、あと30秒早ければ乗れていた。
『あきらめんなよ!!』熱血な神様の幻聴が聞こえてくる。

私は電車に見捨てられた。


今日も何かに拒絶される。

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