見出し画像

「言語化」で腐った組織が浄化していく話

みなさん、こんにちは。もふもふライオン(@mofumofu_LION)です。
私、中小零細企業で働いてるんですが、入社してから👇みたいなことに遭遇すること多いんですよね。

感覚で仕事してることを言葉で見える化することを私は「言語化」と表現してます。
同じくWeblioで検索かけると「言語化=言葉で表現すること。 直感的なものを説明・伝達可能にすること」と出てきます。
顧客と取引する、チームで連携する、など必要不可欠な「言語化」ができないことによるトラブルが後を絶ちません。逆に「言語化」できてない業務をできるようにするだけで成果が出てくることが判明しました。
そんな当たり前のことについて、私の自論をつらつらと書いていきたいと思います。

「言語化」は私に様々なものを与えてくれた

私は嫁の家業である建設業・産業廃棄物中間処理業で働いてて、営業・人事・現場施工管理・事務まで行うオールラウンダーな業務を担当してます。
詳しい経緯は👇

もしかすると「嫁ガチャ当たって、呑気にTwitterしてるヒモ」だと思う人がいるかもしれません。
正直、私もヒモ生活ができると思った日もありました笑
ただ、残念ながらヒモと呼ばれる生活は全くなく、理不尽上等の異常な世界が待ってました
朝から深夜まで馬車馬の如く走らされたり、社長(義父)は気分で数億の重機購入の意思決定するし、古参社員は平気で約束破るし…。
毎日トラブルばかりのアドベンチャー。
その度に何が悪いか「言語化」して、一個一個トラブルの原因をつぶしていく。
潰そうとすると、大きな反発がある。
そんな中にいて、廃人になりかけた時だってある。
ただ、「言語化」し続け、解決しようと常に悩み、もがき続けている毎日のおかげで

「社員が何を困ってて、どうしたいのかを理解できる」
「能動的な社員が増えて、チームで動けるようになる」

ことに繋がりました。
そんな経験を踏まえ、これからも「言語化」に力を入れていきます。
この投稿では私自身の経験を振り返りながら、

私自身がなぜ「言語化」に注力したのか
そして「言語化」することに注力したからこそ見えた景色

について触れてみたいと思います。
自分自身、家業に入るまで「言語化」なんて意識したこともなかったのですが、今回、過去の経験も踏まえて振り返ってみます。

何事もうやむやにしがちな感覚派の社員たち

私は新卒で、日系通信キャリアに入社し、スマホ基地局間のネットワークの設計やベンダー機器の検証を行ってました。
その後、縁が合って、嫁の家業(建設解体業、産業廃棄物中間処理業)に入社するわけですが、現場では私は何の役にも立つこともできませんでした。
(当たり前ですが…ww)

社員「ガスで鉄筋切ってくれない?」
私「すいません。どうやって切ればいいんですか?」
社員「そんなことも知らないのかよ!ボンボンがっ!!!ここらへんをガーッとサクッと切るんだよ(怒)」
私「教えていただき、ありがとうございます(擬音多過ぎて、わからん泣)」

私が所属する建設解体業、産業廃棄物中間処理業というのは「職人」の世界であり、「見て覚えろ」で成り上がってる世界です。
だからなのか、頭よりも体で覚える方が多い印象でした。

そして、入社してから3か月程度経ったある日の夜、帰ろうとしたら、社員複数人が話してる場に立ち会いました。

社員A「現場のコンクリートゴミって、うちの産廃処理場に持っていく予定だっけ?」
社員B「そうですね」
社員C「うちの産廃処理場って、あとどのくらいコンクリートゴミ貯められるんだっけ?」
社員B「うーん、わからないですね」
社員A「誰が決めるかわからないけど、まぁなんとかなるさ」
社員C「まぁおれは知らないけど…」

不穏な匂いがする会話だったので、産業廃棄物処理を行う担当者にすぐ連絡。案の定、情報共有されてないようで、危なく発注者から依頼していた産業廃棄物処理ができず、トラブルになるところでした。

前が見えない濁りきった水の中を泳いでるような組織

毎日会社にいると、同じように「誰がするはずだったの?」「いつする予定だったの?」みたいな情報が全く決まってないまま、起こるトラブルに巻き込まれることが多く、

「なんでこんなアホみたいなトラブルに振り回されるんだ…」

と思うようになりました。
そして、気づいたのが、職人、事務員全ての社員の誰一人として「決める」という行いを明言しないこと。
現場で打ち合わせをしても、事務所で会議をしても誰がボールを持ってるかわからず、うやむやになる。
うやむやな状態で作業して、ミスしたら、責任を押し付ける。そして、責任の押し付け合いが愚痴の言い合いになる。
その結果、会社の雰囲気が悪くなり、現場での事故が増え、若手が採用しにくくなり、営業も取りにくくなる。
負のフィードバックに陥る。
これが会社の中で当たり前になってて、まるで濁った水の中を泳いでいるような気持ち悪さを感じるようになりました。

濁った水の原因を分析する「言語化」

「なんでもうやむやに進めようとする状況をどうにかしないとアホみたいなトラブルに巻き込まれる日々は終わらない。」

そう思った私がまず初めに着手したのが、社員との1on1面談でした。社員が何を困ってて、今抱えてる案件で決めなきゃいけないことなどを、面と向かって、丁寧に紐どくことを徹底しました。

私「社員の皆さんもご存じの通り、トラブル続きの毎日です。各自の状況を知りたいので、現在、抱えてることや苦しいこと、組織として直して欲しいことなど、遠慮なく教えてください。全部は解決できないと思いますが、尽力します。」

こんなことを一人一人に伝えた記憶があります。
最初は「こんなこと言ったらヤバいかも…」と思ってた職人、事務員も徐々に本音で話しても良いと思ったのか、時には私に対する愚痴も含め、ぶっちゃけてました。

「実は現在抱えてる現場、工期守れてるように見えて、ヤバそうなんです….」
「なんで職人は危険作業やってるのに事務員と給与差がほとんどないんだよ…」
「他部署の仕事のやり方に疑問を感じる」

みたいな感じで、粒度もバラバラな話をぶつけてくれました。
普段雑談してる時には話せないようなネタも多く「やっと心を開いてくれた」、そんなポジティブな感覚に満たされました。

そんなこんなで社員一人一人と話していたら、早2か月。この濁った水の原因となる社員の抱えてることを「言語化」することができたのです。

濁った水をキレイな水に浄化する「言語化」

社員との1on1面談が終わりかけ、一息付く間もなく、

  • 各現場のタスク一覧表

  • 社員要望で組織に対して「~してほしい」と言われたことをまとめた課題管理表

を作り、部署の責任者を集め、

「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どうやって」

という5W1Hを決めるのに会議を開きました。
今まで、うやむやにしてたことを言語化して、明確に責任を決める。そして、その進捗を追うこと。当たり前のことを当たり前にやるだけです。
最初は

部門A部長「なんでうちみたいな中小零細企業がここまでしなきゃいけないんだ(怒)」
部門B課長「会議の時間、もったいないよ…」

みたいなことを言ってたんですが、トラブルが見る見る減っていったんですよね。
また、トラブルが起きた時も責任の押し付け合いによる愚痴の言い合いはかなり減ったように感じます。
ここまでは想定通りでしたが、社員からしても明らかにトラブルが減ったため、同じように自分たちで要望をまとめ、課題管理表やタスクを作るようになったんです。

自分から能動的に動いて、仕事をするようになる。そこにかつての何事もうやむやにして責任を押し付ける人間はいませんでした。
また、能動的な人がいるだけで会社の中でポジティブな意見が出やすくなり、雰囲気も徐々に改善されていった気がします。
若手の採用率が上がったり、営業も取りにやすくなるのも時間の問題かな、と思ったりします。

…という状態になって初めて、濁った水がキレイな水になっていく感覚を抱くようになりました。

腐敗した環境を好む社員をどうするか…

…と良いことばかり書きましたがもちろん、ここまでの言語化作業に対して反論も出てきます。
予想はしてましたが、うやむやになってたものを言語化して明確にすることで都合が悪くなる人もでてきました。
そういう方の言い分は

「既に仕事がパンパンなのに、仕事を増やしやがって…」
「なんでお前が会社全体の課題整理するんだよ!立場を考えろ!」
「今までのやり方と違う。むかつく!」

など。そして、完全に無視してくる社員や嫌がらせをしてくる社員も出てきました。
全員が付いてこれるとは思ってませんでしたが、フォローが足りなかったかもしれませんね(反省)
組織として、今後付いてこれない社員をどうするかが課題で、うまく行ってる方は是非DMいただけますと幸いです。

自分に求められてたのは「言語化」だった

振り返りになりますが、私は職人業務がほとんどできません。
解体現場でよく使うガス溶断も満足にできなければ、大型の重機も運転できません。
そんな職人たちの中で自分が組織で役に立つものと言えば「言語化」くらいでした。
私が所属する業界は既に成熟しきってて、既存のビジネスモデルで爆発的な成長は難しいです。
そのため、営業、役所への書類作業、現場に配置する重機や人の管理など、昔から業務の流れは変わらずに残り続けていくと思います。
しかし、各業務が現代の形にそぐわないものも多く、無駄に人手を要したり、無駄に時間がかかるシステムだったりします。
例えば、紙の管理台帳や伝票処理など。
そのため、常に最適な形に更新する改善が必要なのですが、改善すべき現状の見える化もできなければ、実際の行動も検討することすらできないのが今までの弊社でした。
そんな弊社には「言語化」できる人材が必要であり、自分にしかできないことでした。
今後、管理職として、社員がより能動的に動ける環境を作るためにも「言語化」を続けたいと思います。

「言語化」とは何か?

ここまでに書かせてもらった様に、私は今に至るまで、現場で「役立たず!」と言われるところから始まり、毎日うやむやにしてたことによるトラブルに巻き込まれ、常に悩み、迷い、そして壁にぶつかってきました。
そして、そんな中で見つけた武器「言語化」の重要性に気づき、行動することで、困難を乗り越え、その結果として能動的な社員が増えていけてる状況になりつつあります。
どの地域でも弊社と同様な感覚派社員が多い組織はあると思います。そんな中で普通に働いてたら

「感覚で物事進められても困るがな」

と思うに違いないです。
少なくても私はそう思ってました。そして今でも思ってます。
ただ、そのような組織の多くは課題整理ができてなく、うやむやな状態のまま進めてるところも多く見受けられます(私の見る限りですが)。
そして、そういう組織はたいてい従業員満足度が低く、常に負のオーラが流れています。
これを正常化するには「言語化」できる人材が必要だと私の経験から思います。

さて、改めて「言語化」とは一体何なのでしょうか?

それは

「濁った水をキレイな水に浄化していくために必要な能力」

言葉を変えれば

「能動的な組織を作る能力」

言語化することによって、ちょっとだけ前進した経営者見習いより。

※普段、Twitterを徘徊してます。よろしければフォローしてみて下さい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?