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プレゼン資料を自動生成するChatGPTプロンプトエンジニアリング

ChatGPTは、課金してPLUSユーザーになることで様々な機能を使えるようになります。例えば、AIチャットボットの能力を比較評価できる「Chatbot Arena」で1位をマークしているGPT-4や、外部企業が提供する800以上のプラグイン、最近だと自然言語でPythonを操作することができるCode Interpreterも大きな話題になっています。
このように仕事の自動化・効率化に繋がるあらゆる便利機能が存在する一方で、それらを使いこなすためにはChatGPTへの指示文であるプロンプトをいかに適切に作れるか(=プロンプトエンジニアリング)がポイントと言えます。プロンプトエンジニアリングは生成AI時代の新職業とも言われており、OpenAIの競合でLLMや対話型AIを開発するAnthropicは、プロンプトエンジニアを「年収2300万~4500万円+株式」で募集しています。

Anthropic

今回の記事では、仮想の戦略コンサルティングプロジェクトにおいて「ChatGPTのみでどこまでプレゼン資料のアウトラインを作成できるか」を検証した結果をお伝えします。様々な試行錯誤をした上で最もパフォーマンスが高かったプロンプトとその出力結果を紹介し、そこから分かった「分析文章作成におけるChatGPTの現在地と限界」についても触れます。
以下は、今回の検証活動で設定した前提条件になります。

仮想の戦略コンサルティングプロジェクトについて
クライアントは日本の大手新聞社で、新しくポッドキャストへの参入を検討している。ChatGPTはメディア業界専門のコンサルタントとしてその戦略策定プロジェクトへアサインされた。今回のプレゼン資料は、そのプロジェクトのキックオフミーティングで使用する予定。

使用ツール
GPT-4、Webpilot(ChatGPTからウェブ検索できるプラグイン)

結論

ウェブ上のファクト情報をベースにしたアウトライン(記事)であれば、5割は自動化可能。残りの5割を占める、「痒い所の情報収集」「ファクトをベースにした分析と示唆出し」は対応できず人間が対応しなければならない。

制作プロセスは、大きく以下5ステップに分けることができます。
①入れたい内容のブレスト
②全体構成作成
③情報収集
④分析・示唆出し
⑤文章執筆

制作プロセス

このうち、②全体構成作成、③情報収集の半分程度、⑤文章執筆はプロンプトを作りこむことでChatGPTで代替することができると感じました(上記チャートの青部分)。一方、①入れたい内容のブレスト、③情報収集の一部、④分析・示唆出しは今の時点で代替できず、人間が対応する必要があります(グレー部分)。もちろん、今回試した以上のプロンプトエンジニアリングを施すことで対応できる部分もある可能性があります。また、今後LLMの進化はもちろんプロンプティングの手法もどんどん進化していくので、AIが対応可能な範囲は広くなっていくかもしれません。

使用したプロンプトテクニック

プロンプトエンジニアリングを進める上で、既に有効性が検証されているフレームワークを土台として使用しました。今回の目標を実現するためにはこれらをベースに様々な調整が必要ですが、スタート地点として使い易いテクニックになっています。具体的に施した調整については、記事後方のステップ1~3に記載しているポイントをご覧ください。

深津式プロンプト・システム

深津式プロンプト・システムは、noteのCXOでStability AI Japanの顧問を努める深津貴之さんによって考案されたフレームワークで、以下7つのポイントから構成されています。

  • ChatGPTにペルソナを与え役割を明確にする

  • 入力文から出力文を作ることを明確にする

  • 何を出力するのか明確にする

  • マークアップ言語を用いて、本文ではない箇所を明確にする

  • 命令を箇条書きで明確にする

  • 条件を追加することでChatGPTからの出力をコントロールする

  • 「このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は質問をしてください」とプロンプトの最後に加える

メタ認知プロンプティング

メタ認知プロンプティングは、AIに自分の出力を自己評価、反省させる(=メタ認知)ことでより深い理解を促進する枠組みです。

Metacognitive Prompting Improves Understanding in Large Language Models

具体的には、AIに以下5つの思考ステップを踏ませます。

  1. 理解の確認: 与えられたタスクに関する意味や理解は何か?

  2. 予備的判断: タスクに対する初期回答は何で、それはどのような情報や知識に基づいているか?

  3. 批判的評価: 初期回答は正確だと思うか?他の視点や情報を考慮すると、この考えを再評価する必要があるか?

  4. 最終的な判断と正当化: 批判的評価を経て、最終的な考えは何か? それに至った理由や根拠は何か?

  5. 自信の評価: •最終的な考えにどれくらい自信を持っているか? その自信の根拠は何か?

ステップバイステップで考える

これはGPT-3の時代から広く知られているテクニックで、「ステップ・バイ・ステップで考えて下さい」とAIに指示すると回答精度が飛躍的にアップします。AI研究で有名な松尾研究室所属で、東京大学大学院特任研究員の小島武氏が2022年5月に論文で発表した日本発祥のアイデアです(読売新聞オンライン)。

英語で考えて日本語で出力する

このテクニックは、こちらのツイートを見て取り入れました。原理として、GPT-4の学習データの多くは英語であると予想されるため、英語で思考した方が基本的に精度が高い回答が生成されるということではないかと考えられます。出力だけ日本語に翻訳することで、英語による出力精度を保つことができます。


ここからは、実際に使用したプロンプトとそのポイント、出力結果をステップ毎に紹介していきます。ステップは以下の通りです。
ステップ1: 全体構成の生成
ステップ2: 第一章と第二章の生成
ステップ3: 第三章の生成

ステップ1: 全体構成の生成

ここでは、プレゼン資料全体の構成を生成します。深津式プロンプト・システムをベースに構成要素として3C(マーケット情報、オーディエンス情報、競合他社情報)を指定することで、納得感の高いアウトプットを生成することができました。

プロンプト

あなたは優秀なビジネスコンサルタントで、メディア業界における戦略コンサルティングが専門です。
クライアントである日本の新聞社が、新しくポッドキャストへの参入を検討しています。あなたはその戦略策定プロジェクトにアサインされました。

キックオフミーティングに向けて、プレゼン資料を作成します。まず初めに、以下の#[制約条件]を守った上で#[出力形式]に沿って全体の章立てを出力してください。

このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。



 #[制約条件]

・全3章
・ポッドキャスト市場のサイズや成長率など、マーケット情報を入れる

・ポッドキャストを聴いているユーザーのデモグラフィックや特徴など、オーディエンス情報を入れる

・ポッドキャストを配信している新聞社の事例を、国内外から複数入れる


#[出力形式]
第1章 <章のタイトル>
1.1 <節のタイトル>
1.2 <節のタイトル>
1.3 <節のタイトル>
第2章 <章のタイトル>
2.1 <節のタイトル>
2.2 <節のタイトル>
2.3 <節のタイトル>
第3章 <章のタイトル>
3.1 <節のタイトル>
3.2 <節のタイトル>
3.3 <節のタイトル>

Liquid Studio Original Prompt

出力

第1章 ポッドキャスト市場の概観
1.1 市場のサイズと成長率
1.2 主要なプレイヤーとトレンド
1.3 市場の将来展望

第2章 オーディエンスの分析
2.1 ポッドキャストのリスナーのデモグラフィック
2.2 リスナーの消費行動と嗜好
2.3 ターゲット市場の特定とセグメンテーション

第3章 新聞社によるポッドキャスト配信の事例
3.1 国内の新聞社によるポッドキャスト事例
3.2 海外の新聞社によるポッドキャスト事例
3.3 成功事例と教訓の分析

ステップ2: 第一章と第二章の生成

ステップ1で出力した章立てのうち、「第1章 ポッドキャスト市場の概観」と「第2章 オーディエンスの分析」の各節を一つずつ生成していきます。
深津式やメタ認知など上記プロンプトテクニックをベースにプロンプトを作りましたが、求めるアウトプットを出すために様々なカスタマイズをしました。
カスタマイズのポイントとしてまず挙げられるのが、リサーチ規則の指定です。WebpilotはChatGPTからウェブ上の情報を検索できるプラグインですが、使い勝手はそこまで良いわけではありません。何も指定しない状態だと単一のURLしか参照せずリサーチとして不十分だったり、URLを勝手に作り架空の情報を生成してしまいます。今回は、情報に厚みを持たせるために「明示的に3つ検索ワードを使用させる」「URLを勝手に作らず、既に存在するURLを探す」「Googleの検索結果URLではなく、特定のウェブページを調べる」といった規則を指定しています。
別のポイントとして、出力文字数をメタ認知プロセスと制約条件の双方に含めた点が挙げられます。何も指定しない状態だと各節の文字数が200程度となり、情報量としてとして物足りないです。制約条件に文字数を指定したり文字数ではなくトークン数を指定したり様々な方法を試しましたが、中々コントロールができませんでした。最終的に、メタ認知プロセスと制約条件の双方に含めることで最も理想に近づけることができました。
また、アウトプットの出力後に従って欲しい重要ポイントを振り返りさせた点も質の向上に繋がりました。「本文の文字数は最低500文字以上」「本文は3つ以上のURLを組み合わせて作られている」「URLを勝手に作っておらず、既に存在するURLを使っている」などを振り返ってもらうことで、足りていない点を自覚させアウトプットの精度が改善されました。また、自分で出した反省ポイントを元に自動で修正を走らせることもできました。

プロンプト

ありがとうございます。では第1章に取り組みましょう。

あなたは優秀なビジネスコンサルタントで、メディア業界における戦略コンサルティングが専門です。 


以下の#[制約条件]と#[リサーチ規則]を前提に、#[作業プロセス]に沿って#[第1章]の##[1.3]に関する情報をステップバイステップで収集し、日本の新聞社であるクライアントに伝えるべきメッセージを#[出力形式]に沿って作成してください。ただし、メッセージを出力する前に#[思考プロセス]を実行してください。

 メッセージを作成した後、#[振り返り]の内容に沿って指示されたことを確実に実行できたか振り返ってください。

また、このタスクで最高の結果を出すために追加の情報が必要な場合は遠慮なく質問をしてください。



#[制約条件]
・各思考・調査は英語で行い、最終的なメッセージだけを日本語に翻訳する ・##[本文]は最低500文字以上
・使用したURLを併記する






#[リサーチ規則]

・最初に3つの検索ワードを表示する
・表示した3つの検索ワードを使ってWebpilotで検索する
・Googleの検索結果URLではなく、特定のウェブページを調べる
・URLを勝手に作らず、既に存在するURLを探す
・3つ以上のURLを組み合わせてメッセージを作成する




#[作業プロセス] 

1. 各節の内容と意味を理解する 

2. 1での理解に基づき,この節に対する情報をウェブで収集し##[本文]を最低500文字以上で作成する

3. 2で作った##[本文]が十分興味深い内容か検討する

4. 3の検討に基づき、再度情報を収集し##[本文]を最終化する

5. 最終的な##[本文]に対する自己評価を100点満点で述べ、改善余地を示す

#[第1章]

第1章 ポッドキャスト市場の概観

##[1.1 市場のサイズと成長率]

1.2 主要プレイヤーと競合状況

1.3 市場のトレンドと将来展望


#[出力形式]

1.1 市場のサイズと成長率

##[本文]

#[振り返り]
・##[本文]の文字数は最低500文字以上
・##[本文]は3つ以上のURLを組み合わせて作られている
・URLを勝手に作っておらず、既に存在するURLを使っている
・使用したURLはGoogleの検索結果ページではない

Liquid Studio Original Prompt

出力

1.1 市場のサイズと成長率
グローバルなポッドキャスト市場は、急速な成長を遂げており、2022年には約214億ドルの規模でした。この市場は、2023年から2032年の間に年間複合成長率(CAGR)27.8%で成長し、2032年には2339億ドルに達すると予測されています。この成長の背後には、ポッドキャストの便利さ、特定のニッチな聴衆への対応、アクセシビリティなどが挙げられます。

ポッドキャストは、オンデマンドラジオとも呼ばれ、ユーザーがオンラインで購読したり、再生デバイスにダウンロードしたりすることができるデジタルプログラムです。多くの個人や組織が自分たちの専門知識を共有し、聴衆とつながり、ブランドを築くためにポッドキャストを開始しています。教育と学習にも広く使用されており、新しい技術の導入やコンテンツの近代化などが、ポッドキャスト業界の成長を促進しています。

北米は最も支配的な市場で、市場シェアの40.6%を占めており、AIの採用や消費者のマインドセットの違いなどが成長を促進しています。特に、ニュースと政治、インタビューなどの特定のジャンルとフォーマットが市場を形成しています。

しかし、この市場には挑戦も存在します。競合が激化しており、広告収益への依存が高いため、経済の変動によって収益が不安定になる可能性があります。それにもかかわらず、ポッドキャスト産業は表現と創造性を促進し、広告主にとって魅力的なプラットフォームを提供しています。

使用したURL:
Grand View Research
GlobeNewswire

1.2 主要プレイヤーと競合状況
ポッドキャスト市場は急速に成長しており、Apple Podcastsが43%の市場シェアでリーダーとなっています。Spotifyも追随しており、市場は多岐にわたるセグメントに焦点を当て、革新的な戦略によって成功を収めています。アメリカでは、人々の78%がポッドキャストを知っており、57%が聴いています。コメディが最も人気のジャンルで、最も人気のあるポッドキャストは「The Joe Rogan Experience」です。市場の競合状況は激しく、マーケティングが重要な役割を果たしています。

使用したURL:
Blogging Wizard - 26 Latest Podcasting Statistics For 2023: Usage And More
Forbes - As Spotify Becomes The Top Dog In Podcast Directories, Google Lags Behind
The Podcast Host - Podcast Statistics & Industry Trends 2023: Listens, Gear, & More

1.3 市場のトレンドと将来展望
2023年のポッドキャスト市場は急成長しており、全世界で464.7百万人以上のリスナーと500万以上のポッドキャストが存在します。以下は、今後の市場のトレンドと展望です。
広告の増加: ポッドキャスト広告は増加の一途をたどっており、リスナーの90%以上がポッドキャスト広告に対して肯定的な態度を持っています。
ユーザーエクスペリエンスの最適化: リスナーのニーズを理解し、データに基づいてユーザーエクスペリエンスを最適化する動きがあります。
クオリティと創造性の向上: 競合が激化する中で、質の高いコンテンツと創造性が求められています。
ライブポッドキャスト: リアルタイムでのコミュニケーションが求められる中、ライブポッドキャストが人気を集めています。
クロスプロモーション: 異なるクリエイター同士が互いにプロモーションする動きが増えています。
音声検索の最適化: 音声検索の利用が増える中、ポッドキャストも音声検索に対応する必要があります。
コンテンツの再利用: リスナーの期待が高まる中、有益なコンテンツの提供が重要になっています。

以上のトレンドを踏まえ、市場は更なる成長と多様化が予想されます。新しい技術とリスナーのニーズの変化に柔軟に対応することが、今後の成功への鍵となるでしょう。

使用したURL:
Top 7 Podcasting Trends to Look Out for in 2023
Media 2023: Podcasting After The Hype, By The Numbers
Three podcast market trends to watch in 2023

2.1 ポッドキャストのリスナーのデモグラフィック
ポッドキャストのリスナーは若く、教育を受け、裕福な層が多いです。最大の年齢層は12-24歳で、40%を占めており、年収が$100k-150kの家庭が最も多く、17%を占めています。男女のリスナー比は近年均等に近づいており、2022年には男性が49%、女性が43%になると予測されています。

年齢層別では、12-24歳の層が最も成長が速く、2019年にはこの年齢層の約40%が定期的にポッドキャストを聴いています。25-54歳の層も急速に成長しており、2022年にはこの年齢層の59%がポッドキャストを聴くと予測されています。55歳以上の層でも成長が見られ、2022年には26%がポッドキャストを聴くと予測されています。

教育と雇用の観点から見ると、4年制大学以上の学位を持つ人々がポッドキャストの定期的なリスナーの約60%を占めており、学生、フルタイム、パートタイムの雇用者が約80%を占めています。年収75kドル以上の家庭のリスナーも増加しており、2022年には全リスナーの44%を占めると予測されています。

ポッドキャストのリスナーは、家で48%、車で26%のポッドキャストを聴いており、これらの場所が全体の75%を占めています。週平均で約8時間のコンテンツを聴いており、週平均で7つの番組を聴いています。最も多くの人々が聴いているエピソードの長さは30〜40分で、最もリーチが高いのは水曜日に公開されるエピソードです。

このデモグラフィック情報は、ポッドキャスト市場への戦略的アプローチにおいて重要な洞察を提供します。特に、ターゲットとする年齢層、性別、収入層に応じて、コンテンツの長さや公開日などを最適化することが可能です。

使用したURL:
Improve Podcast - Podcasting Demographics 2022 Statistics - Marketing Audience Guide
Edison Research - The Podcast Consumer 2021
Statista - Distribution of podcast listeners in the U.S. by age group

2.2 リスナーの消費行動と嗜好
ポッドキャストのリスナーは、エンターテイメントと情報提供の両方を求めており、特に教育的なコンテンツへの関心が高まっています。リスナーの75%が教育を主な理由として挙げ、65%が特定のトピックを追求しています。最も人気のあるジャンルはビジネス、健康とフィットネス、教育、エンターテイメントで、これらがリスナーの消費行動を反映しています。

リスナーの49%が自宅でポッドキャストを聴いており、22%が運転中に聴いています。これは、リスナーが異なる状況で異なるタイプのコンテンツを求めていることを示しています。さらに、リスナーはソーシャルメディア上で非常に活発で、企業やブランドをフォローする傾向があります。これは、マーケティング戦略としてソーシャルメディアの活用が有効であることを示しています。

使用したURL:
Understanding Podcast Users: Consumption Motives and Behaviors
Podcast Statistics for 2023
2021 Podcast Stats & Facts (New Research From Apr 2021)

2.3 ターゲット市場の特定とセグメンテーション
ポッドキャストのターゲット市場の特定とセグメンテーションは、ビジネスの成功にとって重要な要素です。以下は、この分野における主要な洞察と戦略です。
オーディエンスの理解: ターゲット市場を特定するためには、オーディエンスの年齢、性別、興味、趣味などのデモグラフィック情報を理解する必要があります。これにより、彼らに響くコンテンツを提供できます。
ソーシャルメディアの活用: ソーシャルメディアは、リスナーとの直接的なコミュニケーションを可能にし、彼らの反応と興味を把握するのに役立ちます。94%の月間ポッドキャストリスナーがソーシャルメディアを使用しているため、このチャンネルは無視できません。
セグメンテーション戦略: ターゲット市場を異なるセグメントに分割することで、各セグメントに合わせたカスタマイズされたメッセージングとマーケティング戦略を展開できます。これにより、より効果的なリーチとエンゲージメントが可能になります。
一貫性の維持: ブランドとコンテンツの一貫性は、リスナーに信頼と信用を築くのに不可欠です。一貫したメッセージと価値提案は、リスナーが期待するエクスペリエンスを提供します。
専門家との連携: ターゲット市場に対する信頼を築くために、業界の専門家や影響力者と連携することも効果的です。彼らの信頼と権威は、リスナーに対して価値と信頼性を高める助けとなります。

使用したURL:
How to discover and reach your podcast's target audience
Effective Marketing Segmentation Strategies to Improve Your Sales
10 Tips for Connecting with Your Podcast Audience

ステップ3: 第三章の生成

第三章では、事例を複数調査して見つけた情報をなるべく具体的に文章にする必要があります。ステップ2で使用したプロンプトをそのまま使用すると、単一の事例のリサーチに終始してしまったり、見つけた情報を統合して抽象化してしまうなど事例調査として適したアウトプットを得られませんでした。そのため、ステップ2で使用したプロンプトをベースに更なるカスタマイズを加えました。
第一に、リサーチ規則に具体例を提示するFew-shot学習を追加しました。GPTにおけるFew-shot学習ないしはone-shot学習とは、タスク説明に加えて少量のデモンストレーション(タスク実行時の例)も提示することで、タスク実行の精度を上げる手法を指します。なお、デモンストレーションを与えずにタスク説明だけ行う手法をZero-shot学習と言います。今回は検索ワードの例示として、「"新聞社名+Podcast"という形式で3つの検索ワードを表示する(NewYorkTimes Podcastなど)
」というデモンストレーションをリサーチ規則に記載しました。これにより、NewYorkTimes以外にもThe Washington PostやThe Economistなど、他の新聞社のポッドキャスト事例を幅広くリサーチすることが可能になりました。
第二に、リサーチ結果を具体的に記載するよう作業プロセスと振り返りで二度指定しました。ステップ2で文字数指定を作業プロセスと振り返りの双方に記載したのと同様、リサーチ結果の具体的な記載も最重要事項として二ヵ所で指定することで理想のアウトプットに近づけることができました。

上記プロンプトエンジニアリングにより「3.1 国内の新聞社によるポッドキャスト事例 」と「3.2 海外の新聞社によるポッドキャスト事例」はうまく生成できましたが、「3.3 成功事例と教訓の分析」は期待したアウトプットを得られませんでした。事例からの示唆出しはコンサルティングにおいて最も重要なスキルの一つである一方で、定型化された方法は存在しません。点と点を繋いだり具体事象を抽象化してメッセージ化する能力はコンサルタントに属人的であり、ある種の"センス"も求められます。
自然言語生成AIの根幹には、突き詰めると「与えられた単語の次に続く可能性が最も高い単語を精度高く推定する技術」があります。そのため、与えられた情報から新しく何かを発見したり、これまで無かった(もしくは少なかった)仮説を作り出すことは原理的にできません。そのため、今回3.3で求められている「成功事例を元にした教訓の分析」を適切に実行することはできませんでした。

プロンプト

ありがとうございます。3.2へ移りましょう。

あなたは優秀なビジネスコンサルタントで、メディア業界における戦略コンサルティングが専門です。 
以下の#[制約条件]と#[リサーチ規則]を前提に、#[作業プロセス]に沿って#[第3章]の##[3.2]に関する情報をステップバイステップで収集し、日本の新聞社であるクライアントに伝えるべきメッセージを#[出力形式]に沿って作成してください。ただし、メッセージを出力する前に#[作業プロセス]を実行してください。

 メッセージを作成した後、#[振り返り]の内容に沿って指示されたことを実行できたか振り返ってください。

 また、このタスクで最高の結果を出すために追加の情報が必要な場合は遠慮なく質問をしてください。 



#[制約条件]

・各思考・調査は英語で行い、最終的なメッセージだけを日本語に翻訳する 
・##[本文]は最低500文字以上


・使用したURLを併記する




#[リサーチ規則]

最初に、"新聞社名+Podcast"という形式で3つの検索ワードを表示する(NewYorkTimes Podcastなど)
・表示した3つの検索ワードを使ってWebpilotで検索する。アクセスに失敗した場合、別の新聞社名を使って検索ワードを考え表示、検索する。
・Googleの検索結果URLではなく、特定のウェブページを調べる
・URLを勝手に作らず、既に存在するURLを探す 


#[作業プロセス] 

1. 各節の内容と意味を理解する 

2. 1での理解に基づきこの節に対する情報をウェブで収集し、収集結果を要約せずに##[本文]にする
3. 2で作った##[本文]が十分興味深い内容か検討する 

4. 3の検討に基づき、再度情報を収集し##[本文]を最終化する

5. 最終的な##[本文]に対する自己評価を100点満点で述べ、改善余地を示す


#[第3章]

第3章 新聞社によるポッドキャスト配信の事例
3.1 国内の新聞社によるポッドキャスト事例
##[3.2 海外の新聞社によるポッドキャスト事例]

3.3 成功事例と教訓の分析

#[出力形式] 

3.2 海外の新聞社によるポッドキャスト事例
##[本文]



#[振り返り]

・##[本文]の文字数500文字以上

・##[本文]には3つ以上の事例が含まれている
・##[本文]は検索結果を要約せず、具体的な情報が多数含まれている
・URLを勝手に作っておらず、既に存在するURLを使っている
・使用したURLはGoogleの検索結果ページではない

Liquid Studio Original Prompt

出力

3.1 国内の新聞社によるポッドキャスト事例
毎日新聞
毎日新聞が提供するポッドキャスト「今夜、BluePostで」は、記者が取材現場で感じたことや考えたことをきっかけに、リスナーとつながる音声番組です。最新の話題や社会的なテーマ性を取り上げ、リスナーに深く考えさせる内容が展開されています。リンク

産経新聞
産経新聞社は、スポーツニュースに特化したポッドキャストを提供しています。サンスポ音声局、猛虎伝、音声で聴くスポーツなど、スポーツファンに向けた多岐にわたる内容が展開されています。リンク1

日経新聞
日経新聞は、アジアのテクノロジー産業に焦点を当てたポッドキャストを提供しています。最新のテクノロジートレンドや産業動向についての分析が行われており、ビジネスパーソンにとって貴重な情報源となっています。リンク

3.2 海外の新聞社によるポッドキャスト事例
新聞社によるポッドキャスト配信は、世界中で急速に普及しています。以下は、その代表的な事例です。
New York Times: "The Daily"は、ニューヨークタイムズが提供するポッドキャストで、毎日20分間のコンテンツを提供しています。最近のエピソードには、ニジェールのクーデター分析やトランプ元大統領の法的課題などが取り上げられています。詳細

The Guardian: ガーディアンは、科学、スポーツ、政治など、さまざまなトピックをカバーするポッドキャストを提供しています。特に「Today in Focus」や「Science Weekly」などが人気です。詳細

The Washington Post: ワシントンポストは、アメリカの司法制度におけるノックのない令状の使用や、アメリカの国立公園の過去と未来など、多岐にわたるトピックを扱うポッドキャストを提供しています。詳細

これらのポッドキャストは、ニュースの消費方法を変革し、リスナーに深い洞察と興味深いストーリーを提供しています。

Liquid Studioについて

Liquid Studioは、メディアエンタメ業界に特化した併走型コンサルティングスタジオです。生成AIなどの先端テクノロジーに強みを持ち、ビジネスと技術の両面からハンズオンでご支援致します。これまで、大手新聞社やデジタルニュースメディア、エンタメ系スタートアップ、雑誌社など多数の企業様に対し、社内セミナーや技術導入、戦略提案、オペレーション構築など多角的な支援を提供してきました。
HP: https://www.liquidstudio.biz/

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