Liquid Studio Official

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Liquid Studioは、メディアエンタメ業界に特化した併走型コンサルティングスタジオです。生成AIなどの先端テクノロジーに強みを持ち、ビジネスと技術の両面からハンズオンでご支援致します。 HP: https://www.liquidstudio.biz/

最近の記事

映画業界における生成AIの活用状況から見る、中長期的な業界の変化

先日OpenAIが発表した動画生成AI「Sora」はテキストから最長1分の動画を生成することができ、従来の類似サービスと比べると精度の高さにも目を見張るものがあります。今後も継続的に性能は向上していくことを考えると、テキストからテレビドラマや映画を生成できる日も近いかもしれません。このText to Videoは技術としてわかりやすいので非常に大きな話題になりましたが、映像、特に映画制作においては既に様々な場面で生成AIが使用されています。ChatGPT登場以前から制作現場へ

    • ChatGPTプロンプトテクニック一覧

      ChatGPTがリリースされて一年と少し経過しました。リリース当初、その圧倒的な性能の高さと汎用性で世界中に一気に広まり、わずか2か月で1億ユーザーを突破しました。最近もDALL-E3やGPTsなど様々な機能が継続的に追加されていますが、ユーザー数で見ると一定のラインが見えてきています。2023年の4月と5月に月間18億アクセスに到達した後、8月には14億まで減少しています(INSIDE)。その後持ち直し、11月は17億で世界第19位のウェブサイトとなっています。今後も、おお

      • 書籍制作における生成AIの活用現状

        (11月19日更新)先日、AI専門メディア「AINOW」の編集長である小澤 健祐さんが「生成AI導入の教科書」という書籍を出版しました。本書籍では、生成AIの概要や企業における活用事例から、プロンプトエンジニアリングなど実践寄りの内容まで幅広くカバーされています。内容も非常に勉強になりますが、この書籍は「ChatGPTを使って執筆されている」という点も注目に値します。企画フェーズでは構成作りや見出し作成にChatGPTを活用し、執筆フェーズでも解説文を書く部分でフル活用してい

        • ニュースメディアが画像生成AIを実践導入する時に抑えるべき論点

          9月21日に、OpenAIがDALL-E3という最新の画像生成AIを発表しました。現時点では、Bing Image Creatorなら無料で、ChatGPTなら有料プランに加入していると使用することができます。DALL-E3は性能の高さもさることながら、「日本語で指示できるようになった」ことで使い勝手が大幅に向上しました。MidjourneyやStable Diffusionなど、これまで主流だった画像生成AIツールでは英単語の羅列でプロンプトを作っていましたが、DALL-E

        映画業界における生成AIの活用状況から見る、中長期的な業界の変化

          AI企業による無許諾の記事利用を防ぐ方法

          言語生成AIの基盤となっている大規模言語モデルは、インターネット上のデータを大量に事前学習することによって高い精度を出しています。OpenAIが提供するGPT-3.5の学習データサイズは45TB、GPT-3は450GB、GPT-4は公開されていませんが、その性能の高さから考えると45TBの数十倍であると考えて差し支えないでしょう(Zenn)。ちなみに、Wikipediaの中で日本語の記事の総計が20GB、本7000冊で4.5GBであることを踏まえると、そのデータサイズの巨大さ

          AI企業による無許諾の記事利用を防ぐ方法

          メディアエンタメ企業における、生成AI活用の"失敗"事例

          以前執筆した「大手メディア企業の生成AI活用事例」では、主にテキスト・音声メディア企業による生成AIの活用方法をまとめました。 世の中全体でChatGPTをはじめとする生成AIへの理解が進み、メディアエンタメ業界においても国内外で様々な試行錯誤が行われています。数字として顕著な成果を上げている事例が多数出てきている一方、ハルシネーションや面白みのない文章など、生成AI特有の課題に悩まされている企業も多いと推察されます。 新しい取り組みを始める時、他社の成功事例を参考に戦略を

          メディアエンタメ企業における、生成AI活用の"失敗"事例

          日本版SGEを徹底解剖 - トラフィックへの影響は?

          8月30日に、Googleの対話型生成AI検索エンジンであるSearch Generative Engine(SGE)の日本語版の試験運用が始まりました。あくまで「試験」運用なので、現時点ではユーザーからのフィードバックを集めることを目的にした実験的な仕様であり、今後も機能の変更や追加、削除が頻繁に起きます。本記事では、日本語対応した初期版SGEがどのように機能し、どのようにトラフィックへ影響しうるのか、さらに今後追加が予想される機能についても触れていきます。 ウェブメディ

          日本版SGEを徹底解剖 - トラフィックへの影響は?

          ニュースメディアによるイベント事業のケーススタディー

          先日、日本でもGoogleの新検索体験「Search Generative Engine(SGE)」のβ版提供が始まりました。SGEは、検索クエリに対して回答を自動生成し検索結果画面の一番上に表示します。β版ということもあり品質については議論の余地が大きいですが、将来的に「検索結果のURLをクリックせず検索結果画面上で情報収集が完了する」という検索体験が主流になる可能性も十分考えらえます。そうなると、ニュースメディアへのトラフィックは大きな打撃を受けることになります。 また

          ニュースメディアによるイベント事業のケーススタディー

          ニュースメディアによるショート動画SNSの基本戦略

          (最終更新日:2023年9月21日) 今日、人々は様々な方法で情報を取得しています。その中でも最も新しくかつ世界全体で急速に浸透してきているチャネルは、TikTokやInstagram Reelsに代表されるショート動画SNSでしょう。特に、TikTokは全世界で17億人を超えるユーザーを抱えています。9ヵ月で1億人を突破し、現在も急速に成長を続けています。 しかも、ショート動画SNSにおいてニュースはHow to videoに次いで二番目によく消費されるコンテンツと言われ

          ニュースメディアによるショート動画SNSの基本戦略

          プレゼン資料を自動生成するChatGPTプロンプトエンジニアリング

          ChatGPTは、課金してPLUSユーザーになることで様々な機能を使えるようになります。例えば、AIチャットボットの能力を比較評価できる「Chatbot Arena」で1位をマークしているGPT-4や、外部企業が提供する800以上のプラグイン、最近だと自然言語でPythonを操作することができるCode Interpreterも大きな話題になっています。 このように仕事の自動化・効率化に繋がるあらゆる便利機能が存在する一方で、それらを使いこなすためにはChatGPTへの指示文

          プレゼン資料を自動生成するChatGPTプロンプトエンジニアリング

          メディア広告営業における生成AIの活用方法

          メディアの広告営業に限らず、属人的で構造化されていないことが多い営業という職能は、コンテンツ制作やマーケティングなどに比べるとデジタル技術、特にAIの活用が遅れています。実際、Hubspot Japanの調査によると、営業従事者のうち生成AIの意味や使い方を理解しているのはわずか8.9%で、61.3%は聞いたことさえないそうです。 同時に、営業は生成AIの能力を活かすのに適した職能でもあります。営業プロセスで発生するクライアントとのメール、電話、オンライン会議などのコミュニ

          メディア広告営業における生成AIの活用方法

          メディア各社のAI利用ポリシーまとめ

          (最終更新日: 2023年7月30日) 22年11月にAIによる自動生成記事を掲載したCNETを皮切りに、メディア業界全体で生成AI活用に関する試行錯誤や議論が活発化してきています。Buzzfeedはクイズやミニゲームに生成AIを仕込むことで、ユーザーのコンテキストや入力内容に応じてパーソナライズされた体験を提供しています。その結果、AIを組み込んだクイズは従来のものに比べてユーザーの滞在時間が「40%」長かったと報告されています(Ad exchanger)。さらに、チャット

          メディア各社のAI利用ポリシーまとめ

          メディアにおけるAI活用の歴史から見る、生成AIの特徴

          メディア業界では、ChatGPT登場以降の生成AIトレンド以前にも、AIを活用しようと試みる波が複数ありました。本記事では、各ウェーブにおける大手メディア企業の取り組みを概観し、昨今の生成AIの特徴とそこから得られる示唆について解説します。 本記事で取り上げるAI活用の波 決算やスポーツ速報など、定型記事生成の自動化 トレンド検出や異常値検知など、企画出しの支援 SlackやFB Messengerなど、チャットボットによる配信の効率化 事例から浮き出る生成AIの特

          メディアにおけるAI活用の歴史から見る、生成AIの特徴

          大手メディア企業の生成AI活用事例

          (最終更新: 2023年10月7日) 生成AIは、既に半数近くのメディアが何かしらの形で業務に取り入れています。まだ活用していないメディアでも、54%は今後導入を進めていくと回答しており、様々なユースケースが誕生することが予想されます。 本記事では、国内外のデジタルメディアによる生成AIの活用事例を纏めています。 活用方法の分類と、本記事で取り上げるメディアメディア企業における生成AI活用の方法は様々ですが、ここでは4つの分類に基づいて事例を紹介していきます。 縦軸は、

          大手メディア企業の生成AI活用事例